審美歯科

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本棚通信 ターシャ・テューダーの本と感謝の意

当院にいつもご本を寄贈いただいている方は、ターシャ・テューダーのファン。

その方との縁も、当院の本棚になったターシャ・テューダーのお庭の写真集が始まり。

それ以来、ご自宅のお花畑で摘んだお花の押し花をいただいたり(待合室にて飾らせていただいております)、色々な本をいただいたり、プランターのお手伝いをいただいたり、と、何かとお気遣いいただいております。

院長はその方の雰囲気と、ターシャ・テューダーとを重ねてしまいます。

開業以来、ご自身の蔵書より、たくさんの御本を御寄進いただいたのをはじめ、押し花や飾りなどをご提供いただいております。

開業記念日には図書カードをいただきました。それは全額、お子さんの絵本の購入に当てさせていただきました。
当院は、院内の清掃やプランター菜園など、様々なところで多くの方々にご協力いただいております。感謝の気持ちでいっぱいです。

当院にはターシャ・テューダーの本が数冊ありますが、それもその方に喜んでいただこう、との思いもあります。

、今回は当院の本棚の充実に御助力いただいているその方に敬意と感謝を込め、ターシャ・テューダーの本をご紹介いたします。

 

 

1、ターシャの庭

 

ターシャ・テューダーという女性をご存知でしょうか?
アメリカ、バーモント州にて自給自足の生活を送った、人形作家であり画家であり、園芸家の女性。
ターシャさんは自然に囲まれた自宅に素敵な庭を造りました。この本は、そんな彼女の造った庭の写真集。
ターシャの庭。色とりどりの花が咲き、木々も豊か。でも、それらが深く温かい緑色に包まれていて、派手さを感じさせない。素朴ながら、どこか懐かしさの感じる庭です。
彼女はここで、日々、花に水をやり、土の状態を調べ、雑草をとり、こつこつしわしわの手を使って少しずつ、しかし、着実に庭を造り続けてきました。そして、素晴らしい庭が完成しました。いや、完成はまだしていないかもしれないですね。

なんでしょう、見ていて安心します。上記のようにカラフルすぎて派手でもない。緑が濃すぎるわけでもない。安らぎを感じる庭。
この素敵な庭の真ん中にある家で、夜は人形作りや絵を描き、手製のジャムを作ったり、つましい生活を送ります。でも、手作りの日々は、姿は弱弱しくみえても、細部まで自分の手の施された、とても濃度の濃い毎日に思えます。どんなに毎日楽しくても、彼女の感じた充実感は得られないかもしれないですね。

話は変わりますが、北海道ではイギリス式のガーデニング、といった感の庭がとても多いです。札幌近郊の町、恵庭市には素敵なガーデンを持ったお宅がたくさんありますね。
でも、以前、鎌倉に旅行した時に見た、鎌倉の家々のお庭は違いました。 というか、正直狭いので、北海道で言うところの庭、というのはなかったのですが。
でも、そのかわり、ちょっとした路地の狭い所、お宅の塀の小さな隅、など、とても小さな空間に、色鮮やかな花が一輪、植えてあるのをよく見かけました。まるで、ちょっとした生け花を見るような感覚。鎌倉の方は、狭い空間を風流に使うセンスをもっているんだなあ、と感じました。文化の違いですかね。

ターシャは2008年、素敵なお庭の中の家で、静かに息を引き取りました。92歳。

素敵なものを作り続け、素敵なものに囲まれて、亡くなりました。彼女の魂は、そのお庭の一部になってるかもしれませんね。

アメリカの田舎のお庭のお話。

 

 

 

 

 

(以下は2015年3月13日記事より)

院長は開業時、本棚にどのような本を並べるか、も医院の個性のアピールになるのでは?と考えていました。

また、診療室までに入るまでの待ち時間、患者さんはとても緊張して過ごしておられると思われます。

そこで少しでも緊張をほぐしてもらおうと、写真の多い本をご用意いたしました。

料理の本やガーデニングの本が多いのは、そのためでもあります。その後、鉄道関係の写真集が増えたのはご愛嬌。

その中で、開業当初から今も変わらず人気のある本があります。

ターシャ・テューダーのお庭の写真集。

皆さん、ターシャ・テューダーというお名前をご存知の方も多いと思います。

アメリカの片田舎にて、素晴らしいお庭を作り上げた園芸家であり、人形作家の方。まあ、彼女には職業上の肩書きなど、あまり重要ではなかったのかもしれませんが。

ターシャのお庭は、なんというか、見ていてとても心が和みます。

とても興味深いし、素敵だ、と思う反面、どこか懐かしいような親しみも感じてしまう。

「ガーデニングブーム」が叫ばれて長くなりますね。ガーデニング専門誌なども発売され、当院でも定期購読しておりました。
そのガーデン誌に掲載される「ガーデニング名人」の方々のお庭は本当に素晴らしいですね。全ての配置が計算され、細かいところまで手入れが行き届いているのが、写真からも十分、伝わります。

でも、返ってそのために、なのですが、院長のような素人にとって、ちょっと近寄りがたい感じもしてしまうのですよね。「これ、絶対、自分にはできない!」と。

名人の作品だけに、周辺の景色全体が「芸術」と化しているのですが、同時に自分では実現不可能、と感じてしまうと、ある種のあきらめに似た感情も出てしまうのです。
なんというか、ため息交じりに「すごいなあ」と。
でも、ターシャのお庭は、確かにすばらしいのですが、どこか(勝手に)親近感を持ってしまう。

なんというか、この庭にお邪魔したら、くつろげるだろうなあ、という感じ。

正直、雑誌に乗っている名人の方のお庭にお邪魔したら、あまりにも完成度が高いため、お茶菓子で出されたクッキーの粉が地面に落ちないか、間違って綺麗な芝生を踏んでしまわないか、気を使ってしまうと思います。勝手に。
ターシャのお庭では、過剰な気遣いなしにくつろいでしまう予感があります。芝生の上に寝っころがったり、敷物を敷いてお茶でも飲んでみたいですね。

とても手が込んでいるのに、どこか親しみを抱かせる「隙」もある。

ターシャのお庭が国境を越えて人気があるのは、遠い異国のはずなのに、なぜか親近感を持ってしまうため、かもしれませんね。

今回、院長もファンであるターシャ・テューダーの生誕100年と知り、当院でもターシャに関する本を本棚に納めることにいたしました。

 

 

1、ターシャの庭づくり    ターシャ・テューダー    写真 リチャード・W・ブラウン  訳 食野雅子  メディアファクトリー

まずご紹介するのは、ターシャにお庭に関する写真集。
お庭に関する写真集は、すでにたくさん出版されていますね。でも、どの写真集を見ても、なぜだか見飽きません。赤いバラ、紫の花、黄色い花。草や茎の鮮烈な緑、木の茶色、屋根の白みがかった灰色。
原色に溢れた世界を体験できます。
それにしても素晴らしいですね。
木々や花々、緑にかこまれた木の自宅を見てると、まるでとても緻密に描かれた点描画のようです。

そしてどの写真も、和んでしまいます。

本文中、お庭の話も乗っていたのですが、ターシャはお庭を造る際、設計図などは一切作成せず、好きなように作っていった、とのこと。見ていて感じる「隙」は、計算されてつくられたわけではない、というところから生まれているのかもしれませんね。

でも、計算されて作られたわけではないからといって、雑然ともしていません。

細かいところまで手が行き届いているのがわかります。

ターシャの庭は、生活の中の風景なんだ、というのがよく分かる、親近感溢れる写真集です。

 

 

 

2、ターシャ・テューダー手作りの世界 暖炉の火のそばで   文 トーバ・マーティン   写真 リチャード・W・ブラウン    訳 食野 雅子      メディアファクトリー

2冊目の本は、お庭の写真集ではありません。

ターシャ・テューダーが日々、丹精込めて手入れをしていたものは、庭だけではありません。

糸を紡いで布を織り、籠を手編みし、ヤギの乳を搾ってチーズやバターを作る。動物たちに餌を挙げて、ロウソクを作る。
そうした日常の作業を当たり前に行いつつも、フラワーアレンジメントを作ったり、人形を作ったり、ドールハウスを作ったり。やることの多い一日でもわずかにできる「時間」に、色々なモノを作る。

2冊目の本は、風景ではなく、ターシャの等身大の日常生活を集めた写真集。

この写真集を見て、彼女の「創作」が、庭だけに留まらないことを知り、驚きました。
服などを自ら縫う、織るのはもちろん、バターやチーズを作り、果ては自ら麻糸を紡ぐ上に、なんと糸への染色までしてしまいます。
出来上がった糸の束の写真があるんですが、赤や黄色、緑、青が、パステル調に映えています。

まるで生活の全てを手作りしようとしているような。

彼女のお家や内装は、決して豪華ではありません。でも、なぜか憧れてしまいます。

台所の食器や食材、お玉やフライパンの配置も、計算づくではないけども、何か意図を持って置かれたのでは?と考えてしまう。

そんなに「やること」が多いのに、彼女はその上で創作活動までしてしまう。

「人形作家」という彼女の人形を見ていると、人の心のひだの一つ一つまで表現手造りされているかのよう。

彼女の上手な時間の使い方を見ていると、まるで刻々と流れ続ける時間にまで、細かく手入れをしようとしているように思えます。

写真は(当然ですが)全て静止画なのですが、なぜか彼女の日々の生活が、とても生々しく感じられる写真集です。

彼女の写真を見たのは2年ぶりくらいになります。

何度見ても、手入れの行き届いたお庭に癒されます。

その上今回、彼女の日常生活の様子も知ることができました。

庭と言う「風景」に留まらず、生活や時間まで手作りしよう、としているかのようです。

2冊目の写真集の帯に「このうえなく質素で優雅な生活」とあります。
このフレーズがすべてを表わしていますね。

彼女の庭には西洋風の庭に見られる、幾何学的な生垣も噴水も、神殿のような石柱もありません。
彼女の家の中には華々しい家具も、電化製品もありませんし、豪華な食事とお酒で毎晩、楽しく騒ぐ、ということもありません。

毎日、淡々とつましく静かで、夜はロウソクの仄暗い様子が、写真からも想像できます。

でもそれは、細部まで手の込んだ、非常に手垢のついた毎日であるかのように思えます。

お酒の楽しい時間はすぐに過ぎてしまうけど、彼女の過ごした時間には、確かに彼女の証が残っているように思えてきます。

庭の風景だけではなく、バターや飾り付け、過ぎ去る時間など、彼女は視界に見える全てを自分で「手作り」していたようですね。

自身の作り出した世界で生活し、生命を全うする、というのも、このうえない贅沢にも思えます。

今年の8月28日、「田舎」の偉大な芸術家がこの世に生を受けてから100年がたちます。(記事は2015年に掲載いたしました)

 

 

 

 

 

 

本棚のみならず、当院の御助力いただいた、全ての皆様に深く感謝申しあげます。

 

 

 

本当にありがとうございます。