審美歯科

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歯科小話 歯の守護聖人 聖アポロニア

今回は、数年前にある歯科に関する新聞に掲載されていた記事の御紹介。

申し訳ありません。出典本を紛失してしまいました。

一部、改変、意訳はあるものの、根幹部分においては加納の文章ではないことを、記載させていただきます。

 

 

 

 

 

キリスト教の世界において、職業や地域など、いろいろな場面に「守護聖人」が祀られています。通商の守護聖人、大工さんの守護聖人、など。特定地域にも守護聖人がおり、「サン・マルコ広場」で知られるヴェネチアの守護聖人は「聖マルコ」。この聖マルコの遺体をイスラム教が支配するエジプトのアレキサンドリアから持ち去る過程は、なかなか迫力があります。
ちなみに日本にも守護聖人がいて、最初に日本にキリスト教を広めたザビエルがその地位にあるとのこと。

そして、歯科医にも守護聖人が祀られております。

聖アポロニア。紀元3世紀の女性殉教者。聖アポロニアの肖像画には必ずペンチが握られています。なんでペンチを握った女性が歯医者の守護聖人か?時は古代ローマ帝国の時代にさかのぼります。

紀元3世紀。古代ローマ帝国は、騎馬民族の侵攻が激化し、国内でも内紛が頻発する政情不安が続き、「危機の三世紀」と呼ばれる時代を迎えていました。 ローマ皇帝が敵国に捕縛される、などの事件も起き、内外に「無敵」と信じられていたローマ軍に陰りが見え始めていました。

ローマ帝国では、ユダヤ教やキリスト教は弾圧されていました。多神教のローマ帝国の文化と、一神教のユダヤ教、キリスト教では宗教観が異なり、ローマ帝国の持つ文化の多様性とはなじめなかったため、と言われております。

それは危機の三世紀でも変わらず、時の皇帝フィリップス・アラプス(即位244~249年)は、初のキリスト教徒の皇帝と言われていますが、実はキリスト教に対して寛容であっただけとも言われていて、そちらの方が実態に近いと思われます。その証拠に、彼の治世下でも弾圧が行われていました。

紀元249年、エジプトはアレキサンドリアで熱心にキリスト教を宣教していた修道女アポロニアは、キリスト教に反感を持つ預言者の「エジプトの神々の怒りで疫病が流行する」という妄言を信じた暴徒に捕らえられます。
暴徒は固い信念で改宗を拒むアポロニアのアゴを砕き、歯を抜き、皮膚を裂いた上で火あぶりにしました。

古代ローマ帝国での拷問についての研究も進められており、キリスト教徒への迫害は、拷問以上の苛烈なものでした。

聖アポロニアの迫害の際に行われた「歯を抜く」拷問。想像を絶する痛みであったと思われます。

殉教者アポロニアは、固く信条を守ったことで紀元300年に聖人に列せられ、以来、歯痛、歯科医の守護聖人として崇められています。毎年2月9日が彼女の祝日。

彼女の肖像画に常に握られているペンチは「抜歯ばさみ」。彼女の肖像には必ず「抜歯ばさみ」が描かれるようになりました。

ちなみに古代ローマに限らず古代世界では麻酔がないため、手術の際には大変な激痛が伴いました。麻酔なしで頭部の手術も行われていました。
三国志の一説に、名医、華佗が、腕に毒矢を受けた名将の関羽の負傷部位の筋肉をめくり、毒の染み込んだ骨の部位をガリガリと削る、という場面があります。関羽は汗ひとつ書かずに部下と碁を打っていたとか。

麻酔が発達し、人類が激痛から解放されたのは近代に入ってから。

この「麻酔の歴史」も、昨日ご紹介した「入れ歯の文化史」に詳しく書かれていますので、ぜひご覧ください。