審美歯科

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夜行列車に乗って(2014年3月22日掲載)

今日は寝台特急に関する記事を2つご紹介いたします。

かつて、憧れの対象でもあった寝台列車、ブルートレインですが、鉄道のスピード化が達成された現代においては、もはやジョイフルトレイン以外には存在理由を失くしてしまった模様。

時間旅行を体験するような不思議な乗り物が無くなってしまうのは寂しい限り。

新幹線が日本各地に伸びる一方、去りゆく鉄道車両もあることを実感させられるニュースでした。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、東京と青森を結ぶ寝台列車「あけぼの」引退のニュースがありました。

テレビで出発の映像を見たのですが、青い客室車両が連なり、まさに「ブルートレイン」の風格。

ブルートレインは院長の幼少期には「高級」のイメージもありました。

またブルートレインに限らず「寝台列車」「夜行列車」は、つい10年前までは全国のどこでも存在していました。

北海道だってつい数年前(といっても随分立つけど)まで稚内や釧路、網走方面に夜行列車が走っていました。

札幌や東京など、大都市出身の方にはわからないかもしれないけども、地方都市出身の方なら、夜行列車に思い出のある方も多いのではないでしょうか?

ある年代以上の道内の地方出身の方ならお分かりかと思いますが、北海道は各地方が険しい地形で隔絶されているため、札幌との心理的な距離感は、とても大きなものがあります。必ず峠を越えなければならないので。
そして移動時間も長い。網走から札幌まで5時間、同じく釧路からは当時は5時間くらいかかっていましたし、稚内に至っては7時間くらいかかっていました。同じ北海道と言ってもかなり遠い。
この移動時間の長さは結構ネックで、移動で一日潰れることになります。今でも朝イチの特急に乗らないと、せっかくの札幌滞在の一日が、移動時間でつぶれてしまう事になります。

その時、夜行列車は便利なんですよね。寝ている時間をそのまま移動に当てられる。到着と同時に札幌で行動できる。

地方の方には、数年に一度しか札幌に行かない、という方もおられると思いますが、夜行列車は貴重な時間を有効活用できるので頼りになる存在でした。

でも子供の頃には、夜行列車はそれ以上に不思議な存在でした。子供の時分にも札幌はかなり遠い土地、という認識があるのですが、これが自動車での移動となると、苦痛以外の何物でもない。狭い車内で車酔いしつつ、5時間以上も移動する。窓の景色も峠になると山や森ばかりで退屈。いくら親が「ほらいい景色でしょう!」なんて言っても、子どもには景色の良し悪しなんて、正直どうでもいいし(苦笑)。退屈極まりない移動時間が、永遠に続くのではないか、と思われたころに目的地に到着。すると今度は移動の疲れで眠ってしまう。子供のころの車での移動って、何故かようやく眠り始めたときに到着しますよね。

でも夜行列車に乗れば、寝て、次に目を醒ましたらもう札幌。あのただただ退屈で、しつこいくらいに長かった峠道の時間も全く感じず、田舎駅のホームだったはずの外の景色は、いつの間にやらビルが立ち並んでいる。

当時、「ヤマト」や「スターウォーズ」など、SFにハマっていた子供にとって、夜行列車は正に「コールドスリープ」そのもの。もしくは「ワープ」。まるで宇宙船に乗っているかのような感覚がありました。

また、地方出身の方では、進学や就職で札幌に「出る」ことになった時、夜行列車を使って郷里を後にした方もおられると思います。

それまで日常の生活があった地が、朝、目を開けるとこれから新しい生活が始まる場所の風景になっている。たった一晩で、自分の置かれた環境が大きく変わる。夜行列車は、自立の第一歩を導いてくれる存在のようにも思えます。

そして数年後、逆に帰省などで札幌から地方へ、夜行列車を使用すると、今度は目を開けたとき、昔の懐かしい風景が広がり、まるで過去に戻ったかのよう。普段、常に「社会人」的行動を無意識に行っているのに、そこではついつい心を許してしまう。
まるでタイムマシンのよう。

夜行列車とは、実に不思議な存在です。

川端康成は「国境のトンネルを超えるとそこは・・・」という有名な一節を記しました。

トンネルもまた、隔絶された地域をつなぐ存在。トンネルに入ると暗闇となり、まるで地図に存在しない場所に自分がいるかのように思えます(?)。そしてトンネルを抜け、再び陽の光りを浴びると、別の世界に来た感じが一層高まります。

夜行列車でも、まぶたを閉じれば暗闇の世界。次の土地まで記憶が断絶します。そして目を醒まして窓の外の別世界を眺める感覚は、トンネルの中を移動してきた感覚と同じようにも思えます。

 

もちろん、夜行列車でなくとも、上記の感覚は得られます。

でも「まぶたを開ければ、そこは・・・・・」という、夜行列車独特の感覚を味わえなくなるのは、やはり寂しいですね。