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人類の夢!デュアル・モード・ビークル開発の歴史(2013年5月28日掲載)

この記事ではDMV開発の歴史をご紹介しております。

 

世界初の実用化が視野に入ったDMVですが、その後、自動車と鉄道の資格・許可などの手続きが煩雑な事など、様々な現実問題に直面、そして数々の事故から、安全面を重視する方針となったため、中止となりました。

いつか実用化の日が来るのでしょうか?

 

 

 

 

 

 

今回、デュアル・モード・ビークル(以下DMV)の開発に、JR北海道が初めて成功した、ということで、今までのDMV開発の歴史を調べてみました。

なお、DMVはJR北海道の車両名ですが、以下、鉄道と道路の両用車両についての一般名としてもDMVを使用いたします。

また、今回調べてみたら、なんだか情報がたくさん出てきましたので、以下にお話しすることはあくまでも参考、もしくはDMVに興味を持ってもらうための「叩き台」くらいに思って頂けましたら、幸いに思います。

 

まず、DMV登場以前の交通事情ですが、1870年に世界初のガソリン自動車が開発され、1903年にT型フォードが大量に生産され、1920年代にはアメリカや西ヨーロッパにおいてモータリゼーションが到来しました。しかしまだ、大人数を運ぶにはタイヤの強度に問題があったとか。

そしてDMV登場直前の1930年代、大人数がのる乗り合いバスとして「レール・バス」が作られました。これは車両をガソリン車の構造を利用して製作し、強度に耐えうるように車輪は鉄道車両と同じ、そして路面にひかれたレールの上を走行する、というもの。札幌市の市電のようにレールを走るやつのガソリン車版、といったところ。

で、この辺りはなかなか調べた資料やサイトによってまちまちですが、街中の小型の移動には蒸気機関車の排気ガスや騒音が問題となり始め、かといって完全なガソリン車両もなかなか問題だったそうです。道路の整備状況もあるかもしれないけども。

最初の「DMV」とも言えるものは1935年に登場したようです。

フランスのミシュランが製造した「ミシュリーヌ」は、車輪にゴム製のタイヤを使用していました。これは汽車がレールの上を走る際の騒音対策のため、とのこと。ただ、残念ながら、レールの上をタイヤで走るにはやはり強度が問題で(ご自分の車でレールの上を走るのを想像してみてください)、いくつか汽車の車輪も装備されていたとのこと。また、どうやら路面走行はできなかった模様。

さて、この「汽車の車輪をタイヤにする」というアイディアは、どうやらその後、地下鉄に生かされ、1956年にパリに地下鉄にて実現し、そして我らが札幌市でも導入されました。

DMVと札幌地下鉄は、遠い親戚、と言えるかもしれませんね。

ミシュリーヌが登場した同じ年、同じ形式のものをイギリスのダンロップ社も開発した、とのこと。しかし詳細は不明。

ちなみに、DMV試乗の際にJR北海道から配布された資料によると、

「1935年 イギリスのLMS鉄道(ロンドン・ミッドランド・アンド・スコティッシュ鉄道)にて、「ロードトレーラー」という名の鉄陸両用車両が登場した」

 とのこと。この車両は、道路をタイヤで、鉄路を車輪で走行した、とのことで、現在のDMVの形式と同じ、と言えますが、なんでも車輪の故障が相次いだそうです。
この解説書にはどのように切り替えを行ったのかは書いていないのですが、おそらく、手動で切り替えかと思われます。

DMVのアイディアは形になったものの、技術的な問題で実用化されませんでした。

次にDMVに挑戦したのは、なんと日本でした。

1940年、日本陸軍は、鉄陸両用車両「一〇〇式鉄道牽引車」を開発。

いすゞ自動車の前身「ヂーゼル自動車工業」が開発し、鉄道の応急運転や野戦鉄道の敷設に利用されたとのこと。主に軽機関車のかわりに貨車をけん引した、とのことから、結構馬力があったことが予想されます。また、車輪をタイヤに取り換えることでトラックにもなった、とのこと。ちなみにトラックの時は運転しづらかった、とのこと。戦後、保線用車両としてそのまま利用され、その進化形が現在も活躍しています。でも、営業運転には至りませんでした。

また、どうやら同時期にドイツもDMVに挑戦。
しかしこちらは、本体にはタイヤが付いていて、鉄路走行の際には台車に乗せた、とのこと。完全な「DMV」ではありませんでした。

そして1962年、日本の国鉄が「アンヒビアンバス」を開発。
これは、通常のバス車両を、車輪のついた台座に乗せることで、線路でも走行を可能にしたもの。ドイツと同じ考えですね。
しかし、台座に乗せた後に、操作系統を同機させるためにブレーキポンプのセットやその他の配線などで複雑な作業手順を必要としたことから実用化されませんでした。

ここまで、世界でDMVの使用が実現されなかったのは、バスから汽車へ、もしくは汽車からバスへ、の切り替えにかかる技術的な問題、時間、コスト面が、採算に見合わなかったためでした。

これまで、DMVは2つの方式で開発されてきました。

一つは「ゴムタイヤ駆動式」。

これは道路上も線路上もタイヤで走ってしまおう、というもの。
これだと、一応、そのままタイヤのままでも線路に載って走れます。再び、ご自分の車でレールの上を走ってみることを想像してみてください。不安はありますが、一応は「レールの上に載る」ことは可能ですね。
なので、タイヤ式は比較的簡単といえます。
しかし、これまたご想像の通り、狭い線路をタイヤで走ると、まずは摩耗が激しいし、パンクの心配もあります。
次に雨などではブレーキが難しい。アスファルトの上と線路とでは摩擦具合が全く違います。
そして何よりも、線路上の操作が難しい。これも、ご自分の車で線路上を運転する事を想像してみてください。2本のレールの上を落ちずに運転することって、できるでしょうか?かなり難しいと思います。そのため、どうしてもレールに「ハマる」ための線路用の車輪が必要になってしまいます。
で、さらにこの際、車輪に体重(とここでは言ってしまいます)を多くかけるか、タイヤに多くかけるか、でも異なってきます。前者だと車輪が脱線しやすくなり、降車だとタイヤがスリップする。

 

ではもう一つの方法、「鉄車輪駆動方式」はどうでしょうか?

これだと車体重量を車輪にかけるため、強度の心配もないし、脱線もおこりません。

でも、これだと「汽車」を動かす動力が必要となるため重量が重くなり、道路走行時に速度が出せません。
また、製造コストが高くなってしまいます。そして、こちらの方がモードチェンジ(トランスフォーム?)に時間がかかってしまう。

 

どちらも一長一短があり、実現する段階に至りませんでした。

 

これに対し、JR北海道は、ゴムタイヤ駆動式を採用したうえで、これらの課題を克服しました。

まず、ゴムタイヤの強度や摩耗については、走行状況に応じて鉄車輪とタイヤの荷重割合を変化させることで、スリップを失くし、姿勢も安定させることに成功。さらなるスリップ対策に、雪国ならではのスタッドレスタイヤ装備により、ブレーキ精度を向上させました。
また、鉄道車両に比べ荷重の軽いDMVのために通常とは形状の異なる鉄車輪を開発し、脱線しにくくしました。

荷重を随時変化させる、といった最新技術が見られる一方、スタッドレスタイヤの使用、などは、北海道ならではの技術ですね。

こうしてみると、なぜ北海道で世界で初めてDMVの開発に成功したか、の答えは極寒の地で過疎に悩んでいる、という現実的な面があげられます。DMVは北海道で生まれるべくして生まれた、と言えるかもしれませんね。

 

さて、様々な技術を使用して、いよいよ営業運転の可能性が見えてきたDMV。まだ試験走行の段階ですが、走行する姿を早く見たいと思います。