審美歯科

診療案内

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歯科・小児歯科
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お母さんと赤ちゃんのお口の関係について

最近、新人の加入で忙しくなっております。

また、院長は昨年から、歯周病と糖尿病の関係、糖尿病と腸内細菌の関係などを学ぶうちに、「腸内細菌を良い方向に育てよう!」という意識が芽生えました。

思えば我が胃腸には大変、苦労を掛けております。連日の揚げ物の摂取、アルコールの大量流入、夜中のつまみ食い。胃腸に労働基準法が適用されてしまったら、大変な事態になってしまっていたでしょう。

そんな胃腸に報いるべく、朝、ヨーグルトを食べる、という習慣が身に付きつつあります。

ヨーグルトを食べると良いですね。胃が清らかになってくる気がする。

しかし自分には以前より、朝にブラックコーヒーを飲んで余韻を楽しむ、という気取った習慣もあります。

結果、ヨーグルトを食べた後に胃腸にブラックコーヒーを流し込む、という、非常に矛盾した事態が発生することに!

全く業の深い人生を歩んでいるものです。

こういった「二律背反」は結構、見られますね。

「ダイエットしたいからダイエットコーラを飲む」というのはその代表格。

ダイエットしたいけど、コーラも飲みたい、という、人間の心の弱いところを的確についています。

また院長は数年前、「さらりとした梅酒 スパークリング」をお店で見かけました。

「さらりと飲みたいけど、スパークもしたい」。この微妙なゾーンを見事に攻めていますね。企業努力に感服します。

なお、随分前にセイコーマートで「コーヒー酎」が販売されていました。全国の皆さんには、「アイスコーヒー(微糖)がスパークリングになって、アルコールも入っている」ことを念頭に、味を想像していただきたい。

 

なんだかいきなり話が逸れてしまって申し訳ありません。

 

本当は冒頭の「善玉の腸内細菌を増やすためにヨーグルトを食べ始めた」ということをお話ししたかったのですが。

この「ヨーグルトや乳製品で胃腸を良くする」という考え自体は、随分前から浸透していたと思われます。

そしてこの考えは、お口の中の細菌についてもあてはまります。

歯や歯茎には数えきれないくらいの細菌が生息しています。お口が外界と接している以上、これは避けられません。日常生活を送るならば、「無菌」でいる事は不可能です。

でも、腸内細菌の善玉菌で増やす、と同じく、歯周病菌や虫歯菌などの悪玉菌を減らし、悪さをしない「善玉菌」を増やすことで、口腔内の健康を保つことができます。

この考えは、フッ素を忌避される方でもご理解いただけるものと思われます。
最近、文献を読んでいたら面白い記事がありました。

それによると、「無菌」の集団と、「善玉菌」が多い集団に、悪玉菌を投与した所、なんと無菌の集団の方が感染症を発症する例が多かったそうです。
感染症の対策などで、「無菌」が最も良い、と思われがちですが、実はそうではありません。

「無菌」とは善玉菌も悪玉菌もいない状況のこと。そしてどちらの菌もいない、ということは、どちらの細菌も定着しやすい、ということ。

感染症予防の点では、必ずしも「無菌」であることがベストとは言えません。

人体が悪玉菌の感染に強い「免疫」と持っていること、また悪玉菌を寄せ付けない「善玉菌」を持つこと、の方が重要と言えます。

そして感染症を発症してしまった時に使用する抗生物質は、悪玉菌も善玉菌も、両方を死滅させてしまいます。
この文献を読んで、思い出したことがあります。

 

開業当初、患者さんでいらしたベテランの幼稚園の先生が、「子どもは、他の子どもが遊んだおもちゃを共有することで免疫が強くなるから、あまり消毒をやり過ぎるのも良くない」と、アドバイスしてくれました。

なるほど、「無菌環境」では、必ずしも強い体を得ることができるわけでは無いんだ、と知りました。

 

以上のことから、無菌を心がけることも大事ですが、それ以上に自分の体の免疫を強くする、自分の体の「細菌」を、良い方向に育成して悪玉菌を寄せ付けないようにする、ということの方が重要です。

 

ここまでを学んで、安心したことがありまして。

 

これまで、妊娠されているお母さん方に、妊娠中の歯周病予防対策をお話しする際、妊娠中はホルモンの関係で歯周病菌が増えてしまう、また、主にお母さんの歯周病菌、虫歯菌が赤ちゃんに感染する。そのためにも妊娠中の口腔ケアが重要、としてきました。

でも、これはなんとなく納得できなかったんですよね。まず赤ちゃんとお母さんの「直接的な接触」を回避する事なんて絶対に不可能だし、お母さんから赤ちゃんへは、歯科に関しては「悪い影響」しか与えられないのだろうか、と。
しかし、お母さんのお口の悪い影響が赤ちゃんに伝わってしまうのはもちろんですが、上記のことから、妊娠期間中に口腔ケアに取り組んでもらって、善玉菌の多い「良いお口の状況」にしてもらうことで、妊娠中のお母さん自身の健康はもちろん、生まれたばかりの赤ちゃんにお母さんのお口の「良い影響」を伝えることができる。妊娠中の口腔ケアがとても前向きな取り組みである、と認識してもらえたら、と。

 

いわゆる「胎教」と呼ばれるものが、いくつもあります。

以前は妊娠中の赤ちゃんのクラシック音楽を聞かせるとよい、と言われていましたが、今でもそうなんでしょうか?

生まれてくる赤ちゃんのために、お腹の中にいるときから何かをしたい、と願うお母さんも多いかと思います。

 

口腔ケア、は、生まれてくる赤ちゃんに対する、とても具体的な行動の一つです。

お腹の中のお子さんの将来の健康のためにも、ぜひ、歯科医院を訪れてみて下さい。