審美歯科

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細胞乗っ取り作戦 「人体を防衛せよ!」

ここまで、なんだか人類が細菌に負けっぱなしのお話ばかりが続いてしまいました。

まるで細菌に対し、無力なように思われたかもしれませんが、実際は異なります。

人体の持つ「免疫システム」は非常に優秀な防衛システムです。

体力が低下していたり、特定の細菌やウイルスに対しては防衛網を破られてしまうこともあるのは確かです。

しかし細菌などの「侵入者」は、365日24時間、常に人体への侵入を試みています。その侵入者に対し、毎日のように人体の免疫システムが排除に動き、戦っています。口腔を始め、人体の外部と接する部分は侵入者との戦いの最前線とも言えます。

現在、健康であること自体が、免疫システムが機能していることの証拠。まれに風邪を引いたり、体調が悪くなることもありますが、多くの人にとって「健康な時」の方が多く、また感染症によって症状が発症したとしても、免疫の「第二の防御網」によって、侵入者は排除されていきます。

今回は我々の体を守り続けている「免疫機能」のお話をいたします。

 

細菌などの「侵入者」はまず、マクロファージや好中球などの白血球など、常に人体に存在してる免疫細胞によって捕食されます。これは生まれつき備わっている免疫機能のため「自然免疫系」と呼ばれています。

で、大抵の侵入者は、この自然免疫の段階で駆逐、排除されてしまうのですが、侵入者が大量であったり、これまでご紹介してきた細菌たちのように、自然免疫をものともしない侵入者の場合、第一の防御網である自然免疫では対処することができません。また、今までに経験のない侵入者に対しても、自然免疫は機能できません。

そこで次に起動する人体の「防御作戦」が、「獲得免疫」です。

大量の侵入者や未知の侵入者に自然免疫が太刀打ちできなくても、自然免疫の一種であるマクロファージはその「侵入者」の情報を「T細胞」と呼ばれる免疫細胞に手渡します。

T細胞は自然免疫とは異なる種類の免疫細胞に属しており、獲得免疫という第二の人体防御機構において、司令塔の役割を果たします。

この「第二の防御網」ですが、関わる細胞の種類と数が多くなり、また機能の仕方も複雑になっていきます。

人体防衛の最終ラインとも言えるだけに、多くの情報が飛び交い、多くの免疫細胞が参加することにあります。

しかし、それらの免疫細胞たちは、勝手に行動して、勝手に侵入者を攻撃しているのではありません。自然免疫では個々の免疫細胞は、ある程度は独立して行動しているのですが、最終ラインで行われる防衛作戦は統率のとれたものとなります。

この最終ラインでは「抗体」も登場し、また侵入者を攻撃する細胞もより強力となるのですが、強力すぎるために度が過ぎると人体を攻撃する結果になってしまいます。自己免疫疾患とは、抗体や免疫細胞が人体を攻撃してしまう疾患のこと。侵入者が原因ではないだけに、対処法が異なってきます。

そのため、その司令塔となるT細胞の働きが重要となります。

それだけにT細胞は、体内で作られた後も、その体内で厳しい訓練を受けるのです。

T細胞は胸腺で作られます。そこでは「自己」と「非自己」との区別に関する厳しいトレーニングを受けることになります。

ここで言う「自己」と「非自己」の言葉の説明ですが、これまたざっくりお話しすると「自己」とは人体の細胞、つまり自分たちの仲間の細胞のことで、「非自己」とは人体に属していない細胞、つまりは「侵入者」「異物」を指しています。

この「自己」と「非自己」の区別ができないと、免疫細胞たちは、判断のできないT細胞の指令に従って人体を攻撃してしまうかもしれません。

そのため「自己」「非自己」の区別は非常に重要です。

この胸腺での厳しい訓練をパスできなかったT細胞は処理されてしまいます。

訓練を乗り越えたT細胞だけが、人体の最終防御ラインに配属されるのです。

そして侵入者がやってきて自然免疫が突破されたとき、自然免疫細胞たちから侵入者の情報を受け取ったT細胞は、「キラーT細胞」と呼ばれる細胞に出撃命令を出します。この「キラーT細胞」ですが、過去に感染した経験のある特定の侵入者や異物に対する、特殊な攻撃を開始します。

T細胞は同時にB細胞に指令を出します。

B細胞ではT細胞から受け取った情報をもとに、その侵入者を攻撃するための特製の「抗体」を生産します。いわば侵入者を倒すための特製兵器の生産工場。
B細胞はその際、侵入者が未知の相手であった場合、特製兵器の完成まで時間がかかってしまうのですが、この時の経験がB細胞(形質細胞)に記憶されます。そしてこの時の侵入者が再度、襲来した時には、過去の記憶から特製兵器をすぐに生産することができ、侵入者も速やかに駆逐されます。

子供が季節によって発熱を繰り返すのは、まだこのB細胞の経験が不足しているためです。

これらの攻撃によって侵入者が人体から排除されると、一連の免疫反応を終了させる必要があります。そこでT細胞の一種である「サプレッサーT細胞」が各免疫細胞に「作戦終了」の指令を出すことで、免疫細胞が機能を停止し、免疫は終了します。

 

以上のように、最終ラインで行われる攻撃は、捕食がメインであった自然免疫とはことなり、実に多彩な攻撃によって、侵入者を効果的に排除していきます。

この防御網は、感染してから機能し、また感染経験が積み重なって得られることから「獲得免疫」と呼ばれます。

 

 

上記の免疫機構は、ざっくりした説明。本当はもっと精巧なシステムによって、人体の防衛システムが機能しています。

こうして免疫システムは、日々、人体を侵入者から守っているのです。

細菌と免疫は、表裏一体の存在です。

細菌を勉強するとき、免疫の知識は欠かせません。

 

 

 

「普通」の日常を過ごせるのも、人体内部で複雑な防御網が機能しているからこそ。

だから、たまにはお酒や夜食、夜更かしを止めて、健康に良いことをしよう!!(お前が言うな!!)