審美歯科

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「夏の100冊」に真剣に挑戦した、あの夏

今、本屋さんに行くと「夏の100冊」と題したコーナーがありますね。

昔は夏目漱石とか、太宰治とか芥川龍之介といった、「文豪」と呼ばれる人たちの作品ばかりが並んでいましたね。しかし「文豪」と呼ばれる人たちのお名前って、名前からして近寄りがたいものがありますね。「幸田露伴」なんて、名前からして作品に近づきがたいものがあります。(幸田露伴ファンの皆さん、ごめんなさい)

最近では「100冊」の内容も随分変わったようですね。

で、恥ずかしながら、以前まで「夏の100冊」というと、「夏に100冊読め!」という意味だと思っていたのですよ。実際には「100冊の中から好きなヤツを選んでね」という意味のようで。

そりゃ、あんな読みづらいもの、いや、名作の数々を、ひと夏だけで100冊も読めるわけないし。

 

ところが、大学浪人を過ごした18歳の夏、自分はこの「100冊」に挑戦したのです。

それまで自分の読書体験と言えば、「三国志」の作者の吉川英治のものに偏っていました。太宰治、などという「いかにも難しそうなことが書いてありそうな作品」には、全く近づきませんでした。

ところが高校3年になるとどうだろう。周囲がいつの間にか、「ブンガク作品」を読んでいるではないか!!

正直、「この人よりは、自分は読書しているであろう」と心の中で設定していた人まで、アガサクリスティーとか、池田貴族の作品を勧めてくるではないか!!「この作品、結構、面白いよ!」と、まるで自分は多くの作品を読破していて、その中から吟味した一冊を教えてあげる、という感じで!!

自分はと言えば、信長の野望とか、ファイナルファンタジーのクリアに全力を挙げていたのに!

この辺りから読書に関して、なんとなく「周囲から取り残されている感」を感じるようになっていきました。

なんとなく、名作を読むことが「大人になる条件」のように思えてきて、名作を読まないといけないのではないか、というわけのわからないプレッシャーを感じていました。

そして高校卒業後、大学浪人生活を始めたばかり(苦笑)の18歳の春、どうせ一年を過ごすなら、名作と呼ばれる作品を全て読み切って、大学生活に備えよう!と画策しました。

で、それ以来、読書三昧の日々が始まりました。

芥川龍之介や太宰治、夏目漱石はもちろん、銀色夏生、ゲーテ、ドストエフスキーなど、ジャンルを問わず、多くの作家の多くの作品を読みました。まあ、ジャンル自体、よく分からなかったんですけどね。

 

・・・・・・で、18歳当時の作品の感想なんですけどね。これが正直、あんまり「面白い」とは思えなかったんですよね。(以下、名作の数々に対し、勝手な感想を述べてまいります。あくまでも主観100%ですので、もし原作のファンの方が心を害されましたら、深くお詫び申し上げます)

夏目漱石の「それから」3部作を読んだのですが、「ある男が親友の妻に思いを寄せ、自分の妻としてしまった後に、その親友が逝去。罪悪心を背負って生きる夫婦のその後」というお話しは、ロクに恋愛もしたことが無かった18歳の心には、あんまし響きませんでした。

また当時はテレビドラマなどでも「家なき子」とか、暗いことをテーマにした作品が多かったので、太宰治が注目されていました。で、自分も太宰治を読んだんですけどね。正直、あんまり意味がわかりませんでした。
さらに「若きウェルテルの悩み」にいたっては、「オッサンになっても片思いでこんなに悩むのか!」という感想しかなく・・・。まあ、相手が相手だけに仕方ないのだけどね。

その夏は100冊を読むことは無理でした(苦笑)。でも40冊は読んだと思う。笑ってください。当時の自分の読書量では、それが限界でした。正直、表現を楽しむ、とか、登場人物の心理を考察する、なんてこともせず。

で、秋頃になって、その集大成としてドフトエフスキーの「罪と罰」に挑戦したんですよ。

これがまあ、今まで以上に長ったらしい!主人公のラスコリーニコフ(長い名前なんで妙に印象に残っている)が、どこかのお店のお婆さんを殺害しようとする作品らしいです。「らしい」というのは、読み終えていないからです。

この主人公がお婆さんを殺すまでの心理描写が長すぎまして。しかもしつこいくらいの自己弁護!読者としては、一思いにヤれ!と思うのですがなかなか実行に移さない。あまりのじれったさに、途中で読むのを止めました。それまで、どんな内容でも最後まで読む、というルールを厳格に守ってきたのに、ついに禁を破ってしまいました。途端に、読書もやめてしまいました。

 

こんな感じで、18歳の夏の挑戦は終了しました。

文中にも書きましたが、当時は作品を楽しむ、というよりも「みんなが読んでいるから読まなきゃならない」という感じで読んでいました。

一つ一つの作品に感想を持つ、というよりは、「ノルマ達成!」という感じでしょうか?

それから10年ほど過ぎた30歳のころ、何げなくこの時に購入した本を読んでみたのですが、それがなかなか読み込んでしまいました。

10年経って、ようやく少しは読書力が着いたのかもしれません。

ただ、自分でも驚いたのは、読んでいるうちに文章の内容を思い出してきたんですよね。「ここはこういう表現だった」「次はこういう展開だ」と言う感じで。そのためか、スルスルと最後まで読み切ってしまいました。

「ノルマ」という意識がなかった、というのもあるかもしれませんが。

読書は2度目の方が面白い、と言いますが、これは正しい言葉だと思います。

一度読んで結末を知っているから面白くないだろう、と思われるかもしれませんが、2度目は異なる感想と見方を持つから不思議。

よく一週間で何冊読んだ、とか、ひと月に最低5冊は読め、という言葉を聞きますが、ノルマだけ達成する読書はあまり心に残らないけども、じっくり読みこんだ一冊は、心にずっしりと何かを残します。

なので読書した冊数を自慢する人のことなんて、無視して結構。読書こそ、自分のペースを守るべきです。

また、期間を決めて、ガムシャラに読むのもいいかもしれません。

その時には何も残らなくても、将来、何かに気が付くかもしれませんので。

 

 

なので、夏休みや長期休みには読書がおすすめ!