審美歯科

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アメリカ イズ ナンバーワン!!

  • Date / 8月 6th, 2016
  • Category / 雑談

前回、大学浪人をした18歳のころのお話をしましたが、この年に自分が「挑戦」したのは読書だけではありません。

自分は仙台にて大学浪人を行いました。北海道の地方の場合、札幌の予備校に通うのが一般的ですが、自分は家族が仙台にいたこともあり、仙台での浪人生活を選びました。

で、初めての一人暮らしですよ。しかも北見の田舎に比べて仙台は都会!!

でも、やっぱり遊ぶ気にはなれなかったんですけどね。

 

で、この浪人の一年間を、有意義なものにしよう、と決意。前述の読書もそうですが、さらに自分を磨くべく、何かしようと探していたときに、ふと書店の雑誌コーナーで見かけたのが「ニューズウィーク 日本版」。

ニューズウィークという雑誌がある、ということは、テレビのニュースなどで「アメリカ・ニューズウィーク誌によると~」というセリフで知っていたのですが、まさか販売しているとは。

当時の北見では販売されていなかったはず。なんせコロコロコミックと週刊ジャンプが東京よりも3日も遅れて発売されますので。高校時代に東京に行って驚いたのは、ジャンプが毎週火曜日の発売前に、すでに店に並んでいることでした。

とにかく、あのニューズウィークを見てすっかり気分(だけは)「国際派」になったつもりになり、このニューズウィークを、この一年間、毎週見よう!と決めました。
で、18歳のテレビ知識しかなかった少年の、国際派への「勉強」が始まりました。本当に勉強したいなら日本版は買うな、という意見はご遠慮ください。

 

この年、1994年、いろいろなことが起こっていました。

アメリカ軍のハイチ侵攻、キム・イルソンの死去、など。

でも、経済のニュースが目を引きました。当時は「グローバル」なんて言葉はなかったけど、日本でも規制緩和が叫ばれていました。

ニューズウィークでも、各国の市場が開放され、世界の市場が一つになろうとしている、この波に乗り遅れるな!という論調が目立ちました。

18歳の浪人生であった少年も、ニューズウィークの提案を良しとし、日本政府はすぐに市場を開放せよ!と、ニューズウィークの記者のような気持ちで叫んでいました。(実際には声に出していません。念のため)

まあ、今でいう「意識高い系」ですね。「意識が高い」のではなく、「自分は意識が高い、と勘違いしている系」の方です。

 

 

ここで当時の世相をご説明しますね。

当時、日本はバブル崩壊の直後。1992年くらいから、高校生だった自分でもわかるくらい、世間には不景気の空気が急速に広がっていました。一年前まではテレビでは、ジュリアナ東京の過激な夜が連日のように取り上げられて全国の田舎者の東京に対する憧れを増大させ、「ナントカ師匠」は地方の高校生の間ではアイドル以上の知名度を獲得していたのに、一年後に一変。テレビに登場する「エコノミスト」の方々は、(それまで「株買え!土地買え!」と叫んでいたのに)こぞって「日本は終わりだ」「これから大変な時代が来る」「日本は贅沢しすぎた」と、悲観的な観測を発表。また「清貧の思想」がブームが起こって、ちょっと前までバブルに酔いしれていた人たちが急に素朴さを肯定し、日本には景気の良い話をするのがためらわれる空気が流れていました。

そして、「世界の意見を聞かないといけない」風潮があり、アメリカはその中心的な存在でした。

あれから20年も経って、ようやく日本は景気を回復しつつあるんですね。若い人が、バブル後の極度に陰鬱な世間の空気を「当たり前」と思って育ってきたと思うと、なんだかかわいそうな気がします。

 

 

で、ニューズウィークを毎週、読んでいると、少しずつ違和感を感じてきましてね。

それまで日本は井の中の蛙で、日本以外の世界の国々は先進的な考えを共有しているんだ、と思っていたのですが、雑誌の中では欧州に対する皮肉が出たりして、他の国同士も微妙な関係なんだ、と思うようになりました。

そして、ニューズウィーク誌内にて、とあるコラムを読んだ時の事。

今(2016年)、アメリカでは「パワーレンジャー」という映画が製作中とのこと。このパワーレンジャーは日本の戦隊シリーズの「ジュウレンジャー」が基になっていますが、自分がニューズウィークを読んでいた1993年、アメリカでは「パワーレンジャー」のテレビシリーズが大人気となっていました。

で、ニューズウィークのある号に掲載されていたコラムには、その「パワーレンジャー」のアメリカでのブームについてがかかれていたのですが、筆者の疑問というのが、当時の自分にはよくわからず。

そのコラムはアメリカ人の女性によって書かれていたのですが、まずアメリカでのパワーレンジャー・ブームの凄さについて触れられていました。で、読み進めていくと、どうやら彼女は悩んでいるらしい。

何を悩んでいるかというと、「なぜ、日本製のドラマが、アメリカで流行っているのか?」と。

当時、アメリカは娯楽の帝国で、ハリウッド映画は今以上に世界の映画館を独占していました。

しかし、バブルが崩壊した日本製のヒーローものが、なぜかアメリカの子どもたちの心をつかんでいる!なぜだ!?と。

正直、昔から「トムトジェリー」とか、「アーノルド坊やは人気者」「ナイトライダー」「奥さまは魔女」「ラッシー」など、アメリカドラマを普通に見まくっていた自分には、なんでそんなことで悩むの?という感じ。それらのアメリカ製のドラマを見て、「アメリカはすごいなあ」と、むしろアメリカと日本との差を植え付けられたくらいです。

 

で、さらに読んでいくと、筆者はすごい結論に達します!!

このアメリカで流行した「パワーレンジャー」は、アクションシーンやロボットシーンはそのまま日本で放送されたものが使用されたのですが、日本の俳優たちが出演するシーンは全てアメリカの俳優で撮り直しされたそうです。

で、筆者はその点に注目し、「この作品は、アメリカで作られたシーンがふんだんにあるから、これは日本発のドラマではなく、アメリカ製のものなんだ!」と結論づけます。

 

当時の自分は、え?なんでそうなるの?という感じになりました。自分が見てきた上記のアメリカドラマは、自分にとってどこまでも「アメリカ製」ですし、日本オリジナルが製作された「スパイダーマン」(アメリカ製と違って、ロボットも登場)も、元ネタはアメリカ製だから、基本的にはアメリカの発祥だ、と幼心に思っていたものです。

なのでアメリカ人のコラムニストが「自分の国で撮り直ししているからアメリカ製だ」と無理矢理、思ってしまう考えに衝撃を受けました。

しかもニューズウィークと言えば、世界中で読まれている一流誌のはず(本当のところはわかりませんが)。

そんな一流誌に、深い洞察に基づいた国際関係の解説、でもなく、経済の最新の動向に関する報告でもなく、なんでこんな内容のコラムが掲載されるんだ?と。

 

で、それ以来、ニューズウィークの見方が変わってしまいまして。よ~く見ると、欧州や中東、アジアの事について書かれた記事でもアメリカ主観の記事になっていることがわかってきました。まあ、自国のことを贔屓するのはどの国でもあることなんですが。

で、その時に初めて、自分は「アメリカ イズ ナンバーワン!」を実感しました。

以前より、アメリカの一般的な国民は、アメリカ以外の事に興味がない、とは聞いていましたが、外国製のものを発祥の国を無理やり「自国製」としてまで、アメリカが一番と思いたいものなんだ、と。おそらく自分の結論は、偏見も多分に入っていると思うし、あれから20年が経過し、ネットの普及もあってどの国の若者の考えも変化しているとおもいますが。

でも、そういうことを知ったことで、むしろそれまで遠い感じがしていた「国際関係」を、少し身近に感じました。なんだか人間味を感じましてね。
ただ、それ以来、テレビなどで「アメリカでは~だ」と、やたらと「アメリカでは~」という表現を使うコメンテーターの方の意見を半信半疑で聞くようになりました。

 

若い人も、「最新の国際情勢を知るんだ!」と、海外の雑誌を見るのもいいですが、結局、「海外の意見」なるものも、自国が中心になることは避けられない、ということを心に留め置いておいた方が良いです。まあ、そんなことは言わずもがな、ですが(苦笑)。

 

 

ニューズウィークの購読はその後も続いたのですが、1995年を境にあまり頻繁には読まなくなりました。

1995年は、年が明けた直後から、日本にとって沈鬱な出来事が連続して発生しました。まずは1月に発生した阪神淡路大震災。そして3月の地下鉄サリン事件。

そのサリン事件の時、ニューズウィークにて、アメリカ人記者による日本の関係者へインタビューが掲載されていたのですが、その中でアメリカ人記者が「大震災とサリン事件を通して、日本は懲りたと思うか?」と質問していました。

当時、日本は経済で世界を席巻し、欧米からヒンシュクを買っていた直後の景気の急失速を迎えていた時で、どの国もバブルの崩壊をどこか「ざまあ見ろ」的に見ていたのは事実なのですが、多くの方が亡くなった2つの出来事を、まるで日本人に対する「懲罰」のように考えていることに、大きく失望しまして。それ以来、欧米の意見が絶対的、とは思えなくなり、パッタリと読むのをやめました。

でもたまに、飛行機に乗るときに買ったりします。搭乗口でニューズウィークを片手に持っていると、なんだか「ビジネスマン風」でカッコイイじゃないですか。

 

 

 

なんだかニューズウィークへの文句のようになってしまいました。他国への笑うに笑えない記述がありますが、むしろそういう記事から、アメリカ人が日本をはじめ他国をどのように見ているのか、という見方がわかるので、そういうのが面白いですよ。