審美歯科

診療案内

診療科目:
歯科・小児歯科
診療時間:
月・火・木・金
9:30〜19:30
土・日
9:30〜18:00
休診日:
水曜・祝日
お電話:
011-669-8211
所在地:
札幌市西区西野5条3丁目7-1
[map]

吉川英治作品の御紹介

  • Date / 8月 7th, 2016
  • Category / 雑談

寄り道しながら続けてきた夏の読書の特集も本日が最終日。

最後は、自分が人生で最も読み込み、影響を受けた作家の作品をご紹介いたします。

その作家は、吉川英治です。

歴史・時代小説好きの方、三国志好きの方ならば、知らない人はいないはず。
自分が吉川英治の「三国志」を初めて読んだのは小学校5年生。ゲームの影響を受けて、です。ゲームをやっていなければ、三国志を読むこともなかったことでしょう。そして、影響を受けて読んだのが吉川英治版の「三国志」では無かったならば、人生を通して「三国志」の魅力にとらわれることも無かったことでしょう。さらには時代小説の表現に酔いしれることもなかったことでしょう。

それまで「ズッコケ3人組」くらいしかなかった自分の読書体験において、吉川英治の紡ぎだす時代の描写は、とても新鮮で濃厚なものでした。

自分が歴史好きになったのも、今でも時々、無性に時代小説を読みたくなるのも、幼少の時に吉川英治の作品と出会ってからだと思います。そして歴史好きであったからこそ、塩野七生さんの作品に出会うことができたと確信しております。

そう考えると、小学校や中学の頃の読書体験って、一生に渡る嗜好を決定しかねないほど、重要なことなのかもしれない。

今回、ご紹介する作品は、どれも有名なものばかり。だからこそ、大きな影響を与えてくれるはず。

 

 

 

1、、新・水滸伝   吉川英治     吉川英治歴史時代文庫

ここでは一応、中学生、高校生向けの本をお勧めしよう、としております。
院長は高校時代に女性の先輩に勧められて山田詠美さんの作品を読んだことがあります。
ファンの方には申し訳ないのですが、全部読めませんでした。
また、同じく先輩に銀色夏生さんの本を進められました。
すいません、やはり途中まででギブアップ。

山田詠美さんは「あの年頃」の男子には、少しくどくてまどろっこしかったかもしれない。銀色夏生さんは気恥ずかしくて読めないかもしれない。この辺は人の好みに寄りますが。

純文学もいいかもしれないけど、太宰治も良いかもしれないけど、重い内容も良いかもしれないけど、爽快で快活な気分になれる作品もいいんじゃないかと思います。 その点では、吉川英治の新水滸伝をお勧めします。

水滸伝はご存知の方も多いと思います。

宋王朝(北宋)末期、悪政がはびこり、道徳も失われつつあった世の中にあって、それに反抗する強者・智者たちが梁山泊に集い、自らを律しながら義賊として活躍する物語。
時代物を書かせたら並ぶもののいない、と言われる巨匠・吉川英治氏の作品。細部に至るまで丁寧な時代用語で彩られます。
しかし、院長が思うに、吉川英治の筆は、中国が舞台となると水を得た魚のように生き生きと、ダイナミックになる気がします。 その圧巻の迫力は、名著「三国志」でいかんなく発揮されています。
そして同じく中国が舞台の当作品でも、筆が躍動している様が想像できます。

広い大陸から、いろんな豪傑たちが、様々な「やむにやまれぬ事情」で梁山泊にやってきます。その都度、要塞は強化され、規模を拡大していきます。
水滸伝のもう一つの魅力は、この梁山泊が発展していく様を見ることができることもあると思います。最初は寒山だったのに、人が増えることで運営される施設も増えていく。訓練場ができたり、合議の場できたり、農園ができて自給自足が可能になったり。

これってまるで、小さい頃に誰もが経験した「秘密基地作り」ではないでしょうか?

古い木枝を寄せ集め、屋根を作り、中にこもる。そこにいろんなものを持ち込む。梁山泊の発展を見ていると、自分の秘密基地が徐々に堅固な「要塞」に変わっていくような気がして、思わず感情移入してしまいます。

心をすくわれるような勧善懲悪、豪快な格闘場面、大きくなっていく秘密基地、など、現在・過去を問わず「男の子」だった人たち(もちろん女の子も)の心の琴線を刺激しまくること間違いなし!哲学?思索?クソ食らえ!!とばかりに、快活な気持ちになれる作品です。
この作品を読んで、(現実に関係なく)大きな気持ちになろう!!

 

 

 

 

2、三国志  吉川英治   吉川英治歴史時代文庫

 

そしていわずと知れた、国民的作品をご紹介。日本で今までに一番売れている作品、とも言われております。

この作品は、小説、演劇、ドラマ、ゲームなどジャンルを問わず、現在に至るまでの「三国志」関連の作品に、絶大な影響を残しました。

吉川英治は、中国で伝統的に受け継がれてきた原作である「三国志演技」から、妖術などが登場する場面を改変し、科学的な説明、裏付けを与えて「演技」のファンタジー部分を省略し、また中国では絶対的な悪役である曹操に関しても人間的な側面を丁寧に描くことで、現実感がありながらも快活でスケールの大きな作品へと昇華させます。その作風が日本人の好みと合致し、発表当時から大きな反響を呼びました。

作品の内容は、言わずもがな。

無数の英雄、豪傑、智将が、広い中国大陸を舞台にその能力をいかんなく発揮します。

豪傑同士の息詰まる一騎打ちや壮大な合戦シーンから、智将たちの緊迫した駆け引きに至るまで、吉川英治は見事に表現し、読むものを飽きさせません。

また、文字でしか表現されていないのに、その文章からは中国大陸の広大さが伝わってきます。

自分は「ローマ人の物語」以外、これほど壮大でスケールが大きく、白熱する作品を読んだことはありません。

先の将来がまだまだ広がっている中学生、高校生に、ぜひ、読んで欲しい。

吉川英治の描く三国志の世界は、縦横に広がる心の躍動を、全て満たしてくれます。