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アーセン・ベンゲル 「勝者のヴィジョン」 その1

  • Date / 10月 10th, 2016
  • Category / 雑談

本当は歴史の話題を書こう、と思っていたのですが、なんだかブログにふさわしくないような気がして。

どうしようか、などと考えていたら、クライマックスシリーズのファイナル直前じゃないですか!!

これは歴史なんて語って悦に浸っている場合じゃない!

しかもソフトバンクがロッテを相手に連日、快心の勝利をして札幌にやってくる!!

ソフトバンク。この名前を聞くだけでパリーグのみならずセリーグのチームすらも、怖れを抱かずにおられない。

 

日本ハムは「ファイナルラウンド」にて、ソフトバンクを倒してリーグの勝利者となりましたが、まだ勝負は終わっていません。
次なる目標である「日本一」の栄誉を手に入れるためには、やはりソフトバンクを倒すしかありません。

そしてこれは、この一年間、死闘を繰り広げてきた王者との、本当に最後の戦いとなります。

この一年だけではなく、日本ハムはこの3年間、ソフトバンクの背中を追い続けてきました。

リーグ優勝は大きな目標であり、偉大な結果であることに疑問の余地はありませんが、チームの目標には常に「ソフトバンク」がありました。

そして日本シリーズへの扉の前に立ちはだかったのは、やはりソフトバンク。

「日本一の風景」は、ソフトバンクの背中の向こうに広がっています。

 

 

ソフトバンクは乗り越えられない壁なのか?

数年間、悩まされ続けてきたこの問いかけに、決着をつけなければならない。

 

ついにソフトバンクと最後の雌雄を決する時が来た!!

 

このソフトバンクとの、今年最後の決戦を前に、何か「スゴイ」内容の記事を書こうと思ったけど、全然思いつきません(苦笑)。

そこで、以前、ご紹介したアーセン・ベンゲル氏の著書、「勝者のヴィジョン」をご紹介した、3年前の記事を再掲載いたします。

9月下旬のソフトバンクとの最後の2連戦の前に「アーセン・ベンゲルの言葉」と題した上沢投手に向けた記事を掲載しましたが、この記事は2013年の5月、あの地獄の9連敗中に書いた記事の要点を抜粋したものです。

今回は掲載当時の記事を、そのまま再掲載してみます。

この本を読んでいると、何故か静かな緊張感が高まってくるのは自分だけでしょうか?(笑)

ライバルとの最終決戦を前に、ファンも緊張感を再度、高めてみましょう!!

 

 

 

 

 

 

 

今回は、ある本をご紹介します。

先日のGWに帰省した際に本棚を改めてみたところ、アーセン・ベンゲル著「勝者のヴィジョン」というタイトルを見つけました。

自分は、いわゆる自己啓発本は苦手です。「会社で成功する方法」や「仕事がデキる人が心がけている習慣」などいろいろありますが、成功の方法や会社の振舞い方までマニュアル化されているようで。でも、この本の著者の名前を見たとき、何か魅かれるものを感じて購入しました。

アーセン・ベンゲルという方をご存知の方は多いと思います。いわずもがな、ですが簡単に触れると、サッカーのイギリス・プレミアリーグの名門、アーセナルの監督。ベンゲル氏が就任以来、アーセナルは数々の栄光をつかみます。しかし、ベンゲル氏がサッカー以外の分野でも有名なのは、彼の類いまれな選手育成能力にあります。無名の選手を発掘し、超一流のプレイヤーに育て上げる手腕は「マエストロ」とも呼ばれ、サッカーの枠を超えて尊敬されています。

そのマエストロが、サッカーや日本代表について語った本です。

これから内容をご紹介しますが、この本が出版されたのは1999年。ベンゲル氏がアーセナル監督に就任して数年目で、日本では2002年の日韓ワールドカップに向けて盛り上がり始めたころ。ベンゲル監督が語るのは、その当時の日本や国際情勢ですので、細かい認識では現在と異なっているかもしれません。あしからず。

さて、ベンゲル氏の有名な点として「抜群の育成能力」と書きましたが、本著の中で、自分は決してベテラン選手を軽んじてはいないことを強調しています。その際の選手を語る口調は、洞察力溢れるものとなっております。以下、少し抜粋してみます。

「キャプテンのトニーアダムスはディフェンダー的知性そのものといっていい。すべてを一瞬で見極め、一瞬で分析する超高速のコンピューターのようなプレイヤーだ。敵のストライカーが自分の動きを決断する前に、彼はその動きを読んでいる。ゲームを知的に展開できるし、決断力がある。
そして何より自己を超えることを知っている。正確な目標や方向付けを与える必要はあるが、目的達成のためなら何でもするし、そのための心の準備もできている。まさにアーセナルのリーダーだ」

「同じくディフェンダーのナイジェル・ウィンターバーンの持ち味はしぶとさにある。たとえて言えば、もう死んだと思って頭を切り落としても、またジャンプしてくるようなタイプ。才能や技術は別にしても、メンタル面では信じられないほどの強靭さを見せる。絶対に屈しない精神力の持ち主。もう35歳となるというのに、モチベーションは18歳並みの若さを保っている。」

「リー・ディクソンの精神力もウィンターバーン同様すば抜けている。ハイレベルなどという以上のものがある。もちろんモチベーションに優れているし、ゲームを展開していくうえでの知性も持ち合わせている」

選手紹介は続くものの中略

「現在、スティーブ・ボウルド、36歳。ナイジェル・ウィンターバーンとリー・ディクソン、35歳。マーティン・キーオンとトニー・アダムス。32歳。
この‘ゴールデン・オールディーズ‘こそイングランド最高のディフェンスだといわれているのだ。
彼らの存在は良質の赤ワインにたとえることができる。年齢を重ねるごとに輝きを増すからだ。
彼らの試合へのアプローチの仕方は申し分ない。彼ら決してトレーニングをおろそかにしない。私はスタジアムでのプレーとは、スタジアムを離れたところで何をして、どのように過ごしてきたかの結果に過ぎないと信じている。彼らは試合で、プロとしてとっているその態度への報酬を受け取っている。その存在はアーセナルというクラブの精神のなかでかけがえのない位置を占めている」

続きます

「彼らは十分な素質を持っていることはすぐにわかった。あとはそれを引き出すトレーニングをさせればいい。彼らに適したトレーニングを課すことによって、再び自信を取り戻すことが出来る。
しだいに彼らも、自分たちのプレーは個人のパフォーマンスよりチーム全体のパフォーマンスを、つまりはチームによる集団的表現を優先させるものであるべきで、ひいてはそれがチームの力になっていくのだということを感じ取ってくれたのではないかと思う。そのことはベテランが再び力を発揮するときには大きな意味を持つ」

ベンゲル監督は若手の長所を見抜く、と言われますが、この一文から、彼の観察力が若手だけに限らずベテラン選手にも向けられていることがわかります。

「実際、時間の経過とともに、彼らのなかに心理的な変化が起こっていた。プレーする喜び、チームに復帰する喜び、勝利への確信などがバロメーターとなっていった。(中略)
彼らに限らず、チームに勝利をもたらす選手というのは、自分がチームに何をもたらすことを期待されているのかを知っているものだ。そして自己犠牲を厭わない。年棒だけもらってあとは安楽に過ごすことだけを考えている選手は、そういったエスプリ(後述)を持ち合わせていない。
貢献への期待を自覚していれば、野心を刺激されるし、勝ちたいという意欲も湧く。彼らは勝ちたいとさえ思ったら、自然と努力するものだ。我々に必要なのはその環境を整えてあげる事なのである。」

そしてベンゲル監督は、このベテラン勢を再生させた、とのこと。

文中の「エスプリ」とは、ウィキペディアによると「 精神知性才気などの意味の他、霊魂などの意味もある。のはたらき。物質 matière (マチエール)と対比される。マチエールと違って「エスプリ」と日本語で使用するときは「フランス的精神」といった風にフランス人の国民性を反映した精神をさす用例が多い」とのこと。
日本で言う「大和魂」と言ったところでしょうか?

彼はこのフランス特有の言葉である「エスプリ」という言葉を、何度も使用します。それは自らの自信の根底に「自分はフランス人である」という意識を強く持っているからのようにも思えます。

以下、全ての選手について述べられているのですが、省略させていただきます。

そしてその後、「監督」について述べています。

「誰が見ても粒ぞろいの選手たち。このレベルのプレーは誰にでもできるものではない。
重要なのは彼らサッカーの天才たちを集めて、一つのチームにまとめ上げていくことだ。彼らはどのひとりをとっても、強烈なパーソナリティの持ち主ばかりだ。そのとがった角を丸く削り、磨き、しかも同じ方向にまとめていくのが監督の仕事だ。それはジグソーパズルを完成させていく作業にも似ている。
「ダブルクラウン」(リーグ優勝とFAカップ優勝)を獲得したこの年、私はイングランドの最優秀監督に選ばれた・。その理由は選んでいただいた方々に聞いてもらうしかないが、私は毎日の積み重ねの結果だと受け止めている。
年間を通じて毎日常に自分のベストを尽くしていても、その結果成功するかどうか、本当のところはよくわからない。成功のレシピがあるわけでもなく、こうしたからこういう結果が生まれたとひと言で説明がつくものでもない。
ただ私は、どうすれば自分のベストを尽くせるかについては、日々自問自答しているつもりだ。それはトップレベルのプレイヤーたち、すなわち日々競争に耐えている選手たちの姿勢と同じものだ。
厳しい競争に耐えるというのは、どうすれば自分がベストの状態でいられるか、日々模索し続けるということにほかならない。どうすればもっとチームを改善できるのか、どうすればもっとトレーニング方法を改善できるのか、どうすればもっと個々の選手の能力を伸ばせるか、どうすればもっとクラブのオーガニゼーションを改善できるのか・・・・・・・。
どの問いにも、これといった正解があるわけではない。日々の小さな積み重ねの結果、チームは少しずつ進歩していく。私はそういうものだと思っている。」
「いったん成功すれば、人は皆どうしてだろうと思うものである。勝因を解明し、自分でもそれを採り入れようとする。良い面だけでなく、そうでない面までコピーしてしまう場合も往々にしてあるが、真似をしようとすること自体が間違っているというわけではない。
一般論として、成功は問いを生み、他に影響を及ぼす。周囲の態度が変わっていく。それは悪いことではない。私はそんな向上心が好きなのだ。」

ベンゲル監督は「なぜ、できないんだ!」と選手を責めるのではなく、あくまでも選手が「成功の喜び」を自分で獲得する方法を、常に模索しているのがわかります。
ベンゲル監督に自己決定権を与えられたからこそ、ベテラン勢の復活のように、選手たちが生き生きしたのは事実。ベンゲル氏は「大人として扱う」「プロとして扱う」ことを、思考の中心にしているようです。

続いて話題が変わって、イギリス国民とサッカーとの結びつきの強さについて述べています。

「ここでは毎日、各家庭で必ずサッカーが話題にのぼる。それほど日常生活のなかにサッカーが溶け込んでいる。
イギリス人は新聞を開くと、必ず後ろの方から、つまりスポーツ欄から見る。あらゆる新聞が毎日サッカーを取り上げている。どこかの放送局ではサッカーを中継している。このことと関連して、私から見ても素晴らしいと思うのは、イギリス人が皆、どこかのクラブを一生サポートしていることだ。それはまるで一生続くラブストーリーだ。一生続く恋愛というのも、普通はちょっと考えられない。
クラブチームは家族同然なのだ。家族とは一生縁が切れないように、サポーターとチームは一生の付き合いになる。
イギリスでは自己紹介をするとき、名前の後に「アーセナルをサポートしています」というような言い方をすることさえある。サッカーが個人のアイデンティティーの一部を成しているほど一般化している」

一生続くラブストーリー、とはさすがはフランス紳士。例えが優雅でロマンティック。
でもこれ、サッカーを野球に置き換えると、日本もアメリカも同じですね。身近に親しいチームがあって、自然と愛着がわくのは万国共通のようで。それがつい10年前まで北海道にはなかったのに、今では応援すべきチームがある、というのは幸運なことかもしれません。

そしてプレミアリーグについて述べています。

「相手の選手たちがそれだけの資質を持っているのと同時に、彼らの中にコミットメント、つまり献身あるいは契約とでも表現できる意識がある。それは勝つためにチームにすべてを捧げるという意識だ。彼らは勝つために全力を尽くすことを常に要求されている。そういう選手がそろったチームを簡単に破ることなどできるはずもない。」

 

なんだか長くなりましたが、もう少しお付き合いください。続く