審美歯科

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「歯磨き粉」の最新科学 その3

ここからは(本当に)各成分について、ご説明いたします。
歯磨き粉の「基本成分」には、「研磨剤」「湿潤剤」「発泡剤」「粘結剤」「香味剤」「保存剤」「着色剤」などがあります。

 

1、研磨剤(配合量10~60%)

研磨剤は、本記事の表現によると「歯の表面を傷つけないよう、かつプラークやステインなどの歯の表面の汚れを物理的に落とすために配合されている」とのこと。

「歯を白くする」ほど歯を削ることはなくても、日常生活での色素の沈着を防止する程度の効果があるようです。

確かに日常的に用いるものとしては、この程度の効果で十分のように思われます。「歯を白くする」となると、やはり表面の粗い粒子で磨くか、歯科医院でのホワイトニングを行う必要があります。ホワイトニングも「白くする」というよりは「歯に染みついた色素を脱色する」のに近いので、歯にある程度、化学的な負担がかかるのも事実です。ただ、歯科医院ではその後、専門器具を用いた研磨が行われ、歯の表面がツルツルになるので、傷がついたまま放置される、ということにはなりません。

まあ、いずれにしろ、「医薬部外品歯磨剤」ではなく、「化粧品歯磨剤」である限り、市販の歯磨き粉は安心してお使いいただいていいと思われます。「医薬部外品」で、「歯を白くする」ことが強調されている場合は、少しだけ注意してみる必要があるかもしれません。
この研磨剤ですが、以下の成分が使用されております。

①リン酸水素カルシウム
記事によるとリン酸水素カルシウムは「他の研磨剤と比べて渋みとクセはないが、比較的高価である。そのため使用感に優れた高価格帯の商品に使われる傾向にある。」とのこと。

リン酸水素カルシウム自体は「骨粗しょう症」や「低カルシウム血症」などの全身疾患の患者のカルシウム補給を目的としても使用されていますが、歯磨き粉に含まれる量はそれに比べれば微々たるもの。
また、歯磨剤での作用の仕方も全身疾患で服用される場合の作用の仕方と異なり、カルシウムが歯の表面を磨く「粒々」として働くため、体内に吸収されて効果を表わす、というものではありません。
ただ、「リン酸カルシウム」は、歯の性質の本分である「ハイドロキシアパタイト」に近似しているため、歯に吸収されることによって歯の石灰化を促す作用があります。歯に直接吸収されることと、消化器官から体内に吸収されることでは、性質が全く異なり、歯への吸収では直接、歯の一部になるのに対し、消化器官からの吸収では体内の器官を循環します。

 

②炭酸カルシウム
「リン酸水素カルシウムと比べて安価な原料であるため、価格を抑えた商品に広く使用される。また炭酸カルシウムはアルカリ性を呈するので、アルカリ性で問題を起こす原料とは一緒に使用できない。」とのこと。

炭酸カルシウムはインスタントラーメンやハム・ソーセージ、パン、お菓子の膨張剤としてや麺などで使用する「かん水」、チューインガム、ベビーパウダーや入浴剤、化粧品の原料、胃酸過多の際に使用する医薬品など、日常生活の広い分野で使用されている安全な物質です。
歯磨き粉での作用はリン酸水素カルシウムと同じく、カルシウムの粒々による研磨作用です。

 

③水酸化アルミニウム
「水酸化アルミニウムも炭酸カルシウムと同様な商品目的で使用される傾向にある」とのこと。

さてこの水酸化アルミニウムですが、今回の記事を作成するに当たり検索してみたところ、危険性を指摘するサイトが多数、検出されました。
で、アルミニウム自体は、ベーキングパウダーや漬物のミョウバンなど、広く食品にも使用されていますし、医薬品にも利用されています。ネット上のサイトでも重視されているアルミニウムとアルツハイマー病との関連も、近年では否定されつつあるそうです。

フッ素の毒性でもたびたび「発がん性」や「アルツハイマー」、「ダウン症」などが問題視されますが、正直、「フッ素」や「アルミニウム」などは歯科や特定の食品に限らず、飲み水など地球上に広く普及しているため、特定の元素だけが原因だ、とする長期観察を行うのが非常に困難である、と言えます。30年間、フッ素を全く摂取しない環境を再現する、というのはどうしても困難であるし、他のミネラル成分を完全に遮断して長期間、観察する、ということは非常に困難。

どうしても「アルミニウムでアルツハイマーになる」と言われてしまうと気になってしまいますが、その言葉の確固たる根拠がごく少数であったり、全く出てこなかったり(~と言われている、という記述で終わっている場合が多い)なので、知識として覚えておくに留めて、あんまり深刻に受け取りすぎない方がいいと思います。

で、歯磨き粉に使用されているアルミニウムですが、上記の研磨剤と同じく「粒々」として作用しています。

 

④無水ケイ酸
無水ケイ酸は、改質されることで「歯質へのダメージを最小限に抑えつつ、ステイン除去に優れた歯磨剤の開発が可能になった」とのこと。「無水ケイ酸は、フッ化物との相溶性とステイン除去の両面から優れた研磨剤と言える」とされています。

無水ケイ酸は「シリカ」とも呼ばれていて、自然界や体内に至るまで広い範囲に分布しています。

また化粧品や医薬品はもちろん、食品でも使用が認められており、ビールなどの醸造物や醤油などの製造過程で使用されたり、缶詰などにも使用されます。

食品添加物や歯磨剤などで使用されるシリカは不溶性のため、人体で吸収されずにそのまま排出されるため、人体に無害、とのことです。

ただ、厚生省の告示の中で「母乳代替食品および離乳食に使用してはならない」とされているので、注意が必要です。当院でも妊娠中の方や3歳児までのお子さんの歯磨剤には、無水ケイ酸の配合されていないものをおすすめしております。

この無水ケイ酸も「粒々」によって汚れを取ります。

 

 

なんと研磨剤だけで長くなってしまいました。次回は「湿潤剤(保湿剤)」についてご説明いたします。