審美歯科

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「歯磨き粉」の最新科学 その4

なんだか更新できずにいて、すみません。

お察しの通り、まだ諸事雑然としておりまして、合間合間の更新となっております。

それでは続きをお話しいたします。

 

2、湿潤剤(保湿剤)

湿潤剤は「歯磨剤に適度な湿り気を付与するために使用される」とのこと。

代表的な湿潤剤は「ソルビトール」「グリセリン」など。
この二つはどちらも「糖アルコール」と呼ばれるものです。

「糖アルコール」についてですが、「糖」が付いているので、一般的な「砂糖」と一緒の性質に思われてしまうかもしれませんが、同じ「糖質」ではありますが、分類がことなります。

この件を掘り下げるとかなり深くなってしまったので、後で「糖」についてお話しすることにして、ここでは「糖アルコール」は「甘味はあるけど低カロリーで、細菌に代謝されにくい(抗菌・静菌作用)もの」とお考えください。

この糖アルコールですが、記事では「その分子の複数の水酸基(OH基)を有する。この水酸基が歯磨剤中の水分子と水素結合を形成して、水が簡単に蒸発しないようなはたらきや長期間にわたって適度な湿り気を付与する」とのこと。

つまり糖アルコールは水をためておく作用を持っている、といえると思います。

ちなみに女性の美容用品の用語として頻繁に耳にする機会の多い「ヒアルロン酸」の「保水力」も、この水酸基による作用がもとです。なお、ヒアルロン酸も「糖質」の一種。

続けますと、記事では、この水酸基が甘味を呈する、とのこと。

歯を磨いた後、ほんのりと甘い感じが残るかと思いますが、これは歯磨き粉の「保湿剤」によるもの。甘いですが、細菌に代謝されず、カロリーも低い糖アルコールなので、歯磨きのあとの「甘み」によって虫歯が起こる、という事にはなりませんので、ご安心ください。

記事では、この糖アルコールにはキシリトールなども含まれ、これらの糖アルコールはそれぞれ甘みも微妙に異なるため、その特徴を生かして商品が作られることもある、とのことです。

 

 

 

3、発泡剤(界面活性剤)

記事では「歯磨剤は唾液と混ざって均一なスラリー(粘り気の強い液体の状態)となり、この時に泡もできる。この泡をもたらす成分が発泡剤である」とのこと。

さて、この「ハミガキの時に発生する泡」ですが、自分の大学生時代までは「清掃力を低下させる」として、あんまりよい意味では教わっていなかったように思います(勘違いならすみません)。

歯科に限らず皆さんも、食器洗浄剤や洗剤などで洗ったり選択する際、泡があると汚れの落ちが悪くなる、という話を聞いたことはありませんか?

この泡について文中では「以前、消費者や研究者らからこの泡が多くて歯磨きが十分にできないとの批判があり、現在市販されている歯磨剤の多くは発泡剤の配合量を少なくして発泡性を抑えた商品が主流である」としています。

どうやら歯磨き粉に関して言えば、以前ほど「泡立ち」は少なくなっているようです。

このように、現在は発泡性が抑えられている、としたうえで、下記の筆者の体験を記載しています。

「実はこの泡の中には、口中に付着してスラリーが口から簡単に垂れ落ちないような働きがある。ちなみに発泡剤を配合しないでつくった歯磨剤で歯を磨くと、このスラリーが口から垂れて満足に磨くことができない(筆者の経験)」

ここで登場した「スラリー」ですが、スラリーの言葉自体は「泥漿」という状態を表わしています。泥漿とは「鉱物などが混ざっている、混合物の事で、ドロドロとした流動物であることが多い」とのこと。

この文中での「スラリー」が表わしているのは、歯磨きの際に口の中に溜まる、ペースト状の歯磨き粉や唾液、歯の汚れなどが混ざった状態の混合物、を指していると思われます。

確かに歯磨きの際に、歯磨き粉を歯ブラシに着けて歯に当てて磨いていると、ペースト状のものがお口に溜まって、何度か口から出す、ということを何度か繰り返すかと思います。

もし、歯磨き粉に発泡剤が配合されていなくて、歯磨きの際に適度な泡立ちが起こらないと、この「口の中に溜まったもの」が歯みがきで半開きになっている口元からどんどん流れてしまい、返って歯磨きしづらくなることが予想されます。と、なると、歯磨きをしやすくするうえで、発泡剤は重要な役割を果たしているといえます。

また、記事ではこの「泡」の働きについてさらに詳しく述べており、

「発泡剤によってできた泡には、歯磨きをして取り除かれた汚れ(食物残さ、プラーク細菌、ステインなど)を包み込み、きれいになった歯面などの口の中の表面に、この汚れが再付着しない界面活性剤としての働きもある」とのこと。

歯磨きによって歯や口の粘膜の表面からはがれた「汚れ」ですが、そのままだと再度、歯の表面に取りついてしまうかもしれません。発泡剤で発生した泡が、その汚れを泡の中に取り込むことで歯の表面へ戻ってしまう事を防いでいる、とのこと。

泡立ちが良すぎると、清掃の上では問題がありますが、適度に泡が立たないと、汚れが循環してしまうかもしれません。

いずれにしろ、現在、世間に広まっている歯磨き粉の発泡剤は、「適度な泡立ち」を発生させる量、とのことです。

また、発泡剤は、水には溶けない香料(後述)を均一に分散・溶解させる作用もある、とのこと。

この発泡剤の代表的な成分は、陰イオン系の「ラウリル硫酸ナトリウム」。

ラウリル硫酸ナトリウムは歯磨き粉の他、シャンプー、リキッドファンデーション、入浴剤など、肌に直接触れる分野にて広く利用されています。

一時期(1970年代)、発がん性が指摘されたことがあるそうですが、その後、各国の保健担当機関から否定する見解が発表され、現在では全く根拠のない説、とされているそうです。

歯磨き粉の発泡剤に話を戻しますが、このラウリル硫酸ナトリウムの他にも、ショ糖脂肪酸エステル(食品にも使用される)やポリオキシエチレンステアリルエーテル(よくわからないけど、花王の化粧品にも使用されているそうです)のような非イオン系の物質が使用されることがある、とのこと。

 

以上が発泡剤でした。

 

続く