審美歯科

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「歯磨き粉」の最新科学 その5

なんだか寄り道ばかりしていますが、まだ歯磨き粉に関する記事は続いております。

 

次の成分の御紹介です。

 

 

4、粘結剤

歯磨き粉の主原料である研磨剤(粒々=粉)と液体成分(水、湿潤剤など)が分離しないよう配合され、歯磨剤に保型性と適度の粘性を付与する、とのこと。

主な成分として

カルボキシメチルセルロース(ナトリウム塩)、アルギン酸ナトリウム、カラギナン(発がん性が指摘されていますが、ヒトでは問題ない、という意見が支配的)、キサンタンガムなど。

これらはいずれも天然物由来である、とのこと。

これらの物質に共通する化学的性質は、カルボキシル基や水酸基など、水と結びつきやすい塩基を持つという点。これによって歯磨剤に含まれる様々な成分を結び付けています。

で、歯磨き粉を歯ブラシの上に出した時、ペースト状になっていますよね。歯磨き粉のCMなどではスンゴイ量の歯磨き粉が歯ブラシの上に、生クリームのように出していますが、あの形を保っているのは、この粘結剤の働きのため。

「粘結剤には酸性からアルカリ性あるいは高い塩濃度で粘結性を発揮するものがあり、歯磨剤の商品特徴に合わせて使い分けられる」とのこと。

また「最近見かける研磨剤無配合のジェル状の歯磨剤では、この粘結剤が重要なはたらきをしている」とのことです。

 

 

 

ここから余談をお聞きください。

今回も記事の作成のため、成分について調べたところ、カラギナンについて、発がん性を指摘するサイトがありました。

ラットなどの「げっ歯類」に投与した所、消化管に潰瘍やがんが発生した、とする研究結果がある、とのこと。また、げっ歯類に皮下注射した所、炎症を起こした、とのこと。
IARC(国際がん研究機関。世界保健機関:WHOの外部機関)が定めた発がん性リスク分類では、未分解カラギーナン(消化される前のカラギナン)はグループ3(ヒトに対する発がん性は不明)、カラギナン分解物はグループ2B(ヒトに対して発がん性の疑いがある)となっている、とのこと。

ただ、発がん性がげっ歯類にしか表れてないこと、動物実験での投与量も人間ではありえないほど多い量であること、サルなどの哺乳類に皮下注射しても炎症が生じないこと、などからヒトへの為害性については否定的な意見が有力なのだそうです。

そのためFAO/WHO(FAO:国際連合食糧農業機関)合同食品添加物専門家会議では、一日許容摂取量を特定していないそうです。事実上、「毒性はゼロとみてよい」とのこと。(ほとんどwikipedia)

 

上記の文中で「動物実験での投与量も人間ではありえないほど多い量であること」とありますが、これが結構、重要で、日常生活ではほとんど摂取することのない量を投与して、「害が出た!!」と言ってもあまり意味がありません。塩も、適度な量は生きていくうえで必要ですが、とり過ぎるから問題になるのであって、どんな物質でも「取り過ぎ」れば何らかの症状が出ます。でも「健康法」と噂で聞いてしまうと、信じてしまうんですよね。つい最近、「食塩水の一気飲み」なる、傍から聞いたら素人でも危険に思う健康法が話題になりましたが、それはさすがに止めます。

 

 

また、この「動物実験によると」というのが曲者で、動物実験は重要ですが、それがヒトにもすぐに適用できるか、となると話は別です。ドッグフードやキャットフードを人間が食べ続けるとやっぱり体にはあんまりよくないそうです。人間がパンダをまねて笹の葉を食べたら、お腹を壊すと思われます。

 

これに関しては自分自身の経験がありまして。

2年ほど前、「実験医学」という雑誌に「ダイエットコーラで糖尿病になりやすくなる」という記事がありました。これは「ダイエットコーラを飲んでいたグループが、血糖値の上昇を認めた」というもの。そのため前述の「糖アルコール」は、むしろカロリーを上げてしまうのではないか、と指摘されていました。

で、この記事はすぐにビジネス系のネット記事にも取り上げられて、「砂糖不使用でも糖尿病になる!」と少しだけ話題になりました。

この記事は自分は看過できず。なんせご高齢の方や女性で「お口が乾燥する」という方には、よく噛んで唾液を出すためにキシリトール入りガムを噛むことをお勧めしていまして、もし糖アルコール類で血糖値が上がることになってしまうと、むし歯にはならなくても糖尿病を助長する結果になりかねません。

ちょうどその時、歯科医師会西支部の講演会で、糖尿病専門医の西田亙先生が来札されていたので、講演会終了後に上記の件を質問した所、「一つの実験結果だけでは結論できない」とお話しされていました。確かにその一つの記事だけを取って流布してしまうのは、早計と言えます。

また先生はその時、こうもおっしゃっておられました。

「ダイエットコーラを飲む方は、もともとたくさん飲食する方が多く、ダイエットコーラだから、と安心して余計たくさん飲んでしまうから、結局カロリーがあがってしまうことが多い」

糖アルコールは低カロリーではありますが、取り過ぎればカロリーがあがるのは当然。

その後、この件に関する研究結果は自分の知る範囲ではありません。

ビジネス系統の記事や、ネットの健康情報では、特定の物質を「危険だ」としすぎるし、逆に言えば「この成分を摂取すれば毎日健康!」と、特定の物質を推薦しすぎる傾向にあります。

 

なんでも「取り過ぎ」がよくないのであって、もし、動物実験に基づいて危険性を訴える記事を見つけたら、「どの動物を使ったのか」「どのくらいの量を使用したのか」その他の事にまで、ぜひ目を通していただきたい。

 

 

 

また寄り道してしまいました。続く