審美歯科

診療案内

診療科目:
歯科・小児歯科
診療時間:
月・火・木・金
9:30〜19:30
土・日
9:30〜18:00
休診日:
水曜・祝日
お電話:
011-669-8211
所在地:
札幌市西区西野5条3丁目7-1
[map]

環オホーツク海の自然から北海道の鉄道を考えてみる

これまで今夏、加納が行った道東の鉄道旅行についてお話ししていますが、ここでちょっと脇にそれまして。

 

自分は今回の旅行前に、湿地を中心に、色々と調べてみました。

 

で、湿地が対象だけに、「自然」や「地球環境」といった、なんだか壮大そうなものについても触れることになったのですが・・・。

 

調べれば調べるほど、知れば知るほど、巷間叫ばれている「地球温暖化」の正体、原因って、なんじゃらほい?という感じになっていったのですよ。

 

世間的には「CO2が地球温暖化の原因で、CO2削減によって温暖化を防止できる」というイメージが浸透していると思いますし、自分だってその中の一人です。

「地球にやさしい」というキャッチフレーズを聞くと、なんとなく「ゴミが少なかったり、リサイクルだったり、CO2が少ない商品なんだろうなあ」と連想し、またそれが食べ物のCMであったら「オーガニックで、健康にいいんだろうなあ」と、ストレートに連想していました。

この「オーガニック」や「ロハス」という言葉も、なんだか高尚な言葉のような印象を持っていました。

そして「エコ」を実践するには、森林を増やせばいい、と考えていました。

 

ただ、調べるうちに、地球温暖化の原因もCO2に限らず複数あるし、そもそも地球の温暖化や寒冷化自体、これまで何万年、何億年という単位で、何度も地球に起こってきたわけです。温暖化と寒冷化を繰り返してきて、今の日本の姿ができたわけです。

また「主犯」とされるCO2ですが、これを減らすには木を植えて森林面積を増やすことが解決方法、とされていますが、まあ生物を好きな人なら植物も呼吸することはご存知の通り。この場合、植物が呼吸によって二酸化炭素を放出する量よりも吸収する量の方が多ければ、二酸化炭素の減少に効果あり!と言えますが、実際にはどのくらい吸収されて、どのくらい放出されているのかわからない、という見方が多いようです。

ただ、ある意見では、若い木は成長するために二酸化炭素を栄養源としてたくさん取り込むので、植林は効果がある、としているものもありました。人間も若者の方がたくさん食べて体を大きくするということでは、同じですね。

その点、湿原は二酸化炭素を取り込む一方(というと大げさなんだけども)の自然形態です。

湿原はやがて「泥炭地」となり、それが「石炭」へとなっていきます。

泥炭地、石炭ともに「炭」という漢字が入っているだけに、二酸化炭素がかなり含まれています。

湿原を保存することで二酸化炭素を吸収させ、大地の中に固定する方法はCO2対策に極めて有効、のようにおもわれますが、湿原は植物の腐敗のさいにメタンガスを排出します。このメタンガスは地球温暖化を促す要因になってしまうのです。

なので湿原はCO2削減には有効ではありますが、地球温暖化に効果的か、となると疑問が残ってしまいます。

自動車や工場など、人の営む範囲での二酸化炭素の削減は、周囲の環境の改善や公害対策として必須であるのは変わりません。
どうもCO2については、ビジネス先行で話が作り上げられていった雰囲気があります。未確定な要素も多い中で「排出権取引」などのお金の話が先に確立されてしまい、そのために地球温暖化の話が二酸化炭素だけに強引に集束されてしまっているようです。

 

ここで今一度、「地球温暖化」について、考え直す必要があるように思います。

 

 

一方、地球温暖化は別にしても、自然や生態系の保全は必要です。

人間の営みが環境を破壊し、他の動植物に悪影響を及ぼすことは明らかです。

今回の旅の2か月ほど前に、「風連湖流域の再生」という本が出版されたため、「おお、タイムリーだなあ」と購入しました。

風連湖は根室半島の付け根に広がる大きな湖。周辺には湿地帯も広がり、多くの水鳥が生息しているのですが、その風連湖でかつて、水質汚濁が進み、生き物が非常に少なくなった時期があったそうです。

え?あの辺の街って、根室だけじゃん。しかも人口も3万人くらい。それくらいで環境汚染がすすんじゃうの?

と思ったのですが、風連湖の水質汚濁は都市だけが原因ではありませんでした。

風連湖には、釧路・根室にかけて広がる根釧台地の根室側の広い地域の川や水が流れ込んでいます。

そしてこの地域では酪農が盛んに行われています。根釧台地は地質的・気候的に農業に不向きなため、酪農がとても盛んな地域です。その酪農農家から排出される家畜の屎尿が川に流れ込み、それが風連湖にあつまったため、風連湖の富栄養化と水質汚濁が進んでしまったそうです。

その後、風連湖の改善の運動が行われ、今では再び、水鳥が戻ってきた、とのこと。
風連湖はラムサール条約に指定されていますが、風連湖を守るためには湖とその周辺を守ればいいのではなく、非常に広い範囲からの環境保全が必要になります。

釧路湿原も国立公園で線引きされたところだけを守ればいいのではなく、釧路湿原に流れ込む水源も含めて保護されないと、意味が無いのです。

また、陸地から流れ込むミネラル成分によって、海の生き物の栄養が供給されますが、そのミネラル成分を川に供給するには森林の存在が必要で、さらにそのミネラル成分を水に溶け込ませるは湿地やマングローブといった、水辺の生態系が不可欠。

つまり森林の適切な保護(必ずしも伐採を否定しない)と湿原の環境の保護は、陸海の動植物を豊かにし、人間も海産物の恩恵を受けることができるのです。

 

道東には風連湖以外にも釧路湿原、霧多布湿原、野付半島、屈斜路カルデラ(日本最大)、阿寒カルデラ、サロマ湖、能取湖、トウフツ湖、その他の湖と周辺湿地、世界遺産の知床半島等々、様々な地形が凝縮されており、それらは全て関連しています。

さらに言えば、もっと視野を広げてロシア領も含めたオホーツク海全体を見てみると、北海道自体が「環オホーツク海」の中に組み込まれています。

この地域は極寒の地ということもあって、手つかずの自然が残されています。

このオホーツク海にそそぎこむアムール川は、広大なシベリアの大森林地帯からミネラル豊富な水を集め、オホーツク海に流れ込みます。世界の他の国の大河では、ミネラル成分は河口付近で沈殿してしまうのですが、オホーツク海では流氷によってミネラル成分が運ばれ、それはやがて太平洋にも流れ、親潮に栄養を供給しています。

 

アメリカのイエローストーン国立公園は、地球の膨大で破壊的な力を感じさせますが、環オホーツク海では「ピタゴラスイッチ」のような、連鎖による自然の在り方を見ることができます。

自分はオホーツク海に付随する自然環境のダイナミックさは、その性質こそ異なりますが、イエローストーンに匹敵する価値がある、と考えています。

 

この環オホーツク海の精巧な自然の一角を、日本の北海道が占めています。

 

そして釧網本線、花咲線は、その自然環境の中を走っています。宗谷本線もサロベツ原野という広大な湿地帯の中を走っています。

 

近年、アムール川流域の中国領での開発による、アムール川の水質悪化が懸念されています。流氷の減少の原因の一つではないか、とも指摘されています。

 

環オホーツク海の環境保全は、ロシア、中国、など、他の国も絡む問題です。

日本がそれにどうかかわるのか、は、道東での環境への対策に反映されるのではないか、と考えます。

 

欧州では、環境への影響を配慮して、あえて鉄道を選択する場合も多い、とのこと。

 

他にも道東の物流の主力が鉄道であること、稚内、根室が国境地帯であること、を考えたとき、本当に北海道の鉄路をすべて「乗車率」で測って良いのか?

 

今一度、考えてみる必要があると思います。