審美歯科

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日本病巣疾患研究会の学術大会に出席しました。その1

私は9月2日、3日と、東京で開催された「第5回 日本病巣疾患研究会 総会・学術大会」に出席してまいりました。

 

日本病巣疾患研究会は、仙台市で「堀田修クリニック」を運営されている堀田修先生が中心となり、5年前に結成されたそうです。

日本病巣疾患研究会について、パンフレットにある文では

 

「様々な疾患が専門領域別に細分化されている現行の医療の限界を打破すべく、根本原因である原病巣を含めて病態を包括的に俯瞰し、根本治療の導入という新しい医療の形を構築すること」

 

を目的としてる、とのこと。

医療における、専門分野ごとの縦割り構造の問題が指摘されて、随分時間が経っていますが、各科の連携が進んでいるかは何とも言えない状況。

「医科歯科連携」も、10年以上前から叫ばれていますがまだ垣根は高いのが現状。そもそも「医科歯科連携」以前に、お医者さんの中の「医科医科連携」も困難な状況にあるそうです。確かに「専門の先生に任せる」という言葉を使って、専門医に丸投げする、ということも無きにしもあらず。ただ、これは裏を返せば分野ごとの「縄張り」意識にもつながり、「縄張り」によって治療の連携や相互の責任のあいまいさにも発展しているのが現状。そして歯科の中でも細分化されているのは事実。私はここ数年、その体制の現実に直面し、苛立ちもし反省もしました。

 

初期から参加している友人によると、会を重ねるごとに規模が大きくなっている、とのこと。

そして医科の先生も、歯科医も同じくらい参加している、と事前に聞いておりました。

実際、事前に配布されたプログラムの講演項目も歯科、医科の内容が半々くらい。

しかしその講演項目は「上咽頭」という部位で共通していました。

 

2日間に渡った日程でしたが、歯科、医科の先生が交互に発表する形式。

 

初日に鹿児島大学の教授による、小児の呼吸障害についての講演では、もともと鼻の気道が狭い子供に対して、矯正治療で使用される「上顎急速拡大装置」を用いて改善したというお話が紹介されていました。特にダウン症のお子さんに使用した症例では、医科の先生から驚きの声が上がった、とのこと。

ダウン症の小児は、全身の筋肉の緊張が低いため、舌が低い位置にあります。すると舌が前に出る形となり、自然に口呼吸となってしまいます。こうなると上アゴは舌の位置に合わせて前方に尖ったように発育してしまい、縦長で横幅の少ない上顎の骨ができます。

そして鼻の形は上アゴの形と直結しているので、上アゴが狭いと、必然的に鼻も狭くなり、鼻の空気の通りが悪くなってしまうのです。

なお、これはダウン症児に限ったことでは無く、どのお子さんでも幼少期に口呼吸が身についてしまうと、鼻が狭くなってしまいます。

 

ちょっと脱線しますが、鼻の気道が狭い場合に起きることですが、まず睡眠中のイビキが出てきます。また寝ている間中、口が空いているため口の中が乾燥してしまい、むし歯菌や大人なら歯周病菌が増えやすくなります。また、口の乾燥によって口臭も悪化します。また口が空いて外からの乾いた空気が流れ込むことによって、口から喉にかけて乾燥し、細菌が侵入しやすくなります。すると口と咽頭の境目にある扁桃腺が腫れてさらに気道が狭くなり、呼吸もしにくくなります。

実は、もっともっとあるのですが、それには「上咽頭」という場所を知っていただく必要があるため、後日、お話しします。

 

さらに挙げると、夜間に頻繁に目が覚めること、睡眠障害、そして近年、その危険性が指摘されている「睡眠時無呼吸症候群」を引き起こします。

「イビキ」は、遺伝によるものや、「オヤジだからしょうがない」というものではありません。その多くが後天的な理由です。つまり鼻の気道が狭いことによるもの。

そして鼻の大きさを決める上アゴは、6歳までに成長を終えてしまいます。

将来、イビキをするようになるか、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まるか、は6歳までの習慣に左右されます。ズバリ言うと、口呼吸をしているかしていないか、によってお子さんが将来、健康のリスクを負うか否か、が決まるといっても過言ではありません。

ではそれを防ぐにはどうするべきか、ですが、有力な方法が「あいうべ体操」です。

 

ちょっと脱線が長くなってしまいましたが、医科では鼻の気道を広げるには外科処置が必要になりますが、歯科の矯正装置を利用すれば外科処置を行わなくてもすむことが示唆されていました。

 

これは医科の先生にとっては画期的であったようで、一方、歯科から見れば「え!?そういう効果もあるの?」という感じ。

お互いに「医科」「歯科」という科目の中で見続けていては気が付かない「発見」です。

 

こういった垣根を越えた視点を持つことが、日本病巣疾患研究会の主なテーマなのだそうです。

 

また初日の2つ目の講演では、仙腸関節についてのお話がありました。

「仙腸関節」となると、歯科から見れば「そういえば、そういう関節もあったっけ、、、、」という感じで、普段、意識することがほとんどないとおもわれます(自分だけかもしれませんが)。

お話しによると、仙腸関節は腰のあたり、仙骨と腸骨の間の関節、とのこと。

さてこの仙腸関節ですが、近年、注目を集めている、とのこと。原因不明の慢性の腰痛の正体としてあげられているそうです。3月にはテレビでも取り上げられたそうです。

「関節」という言葉はよく耳にする機会があると思われます。口腔でも「顎関節」という重要な関節があります。

人体に数多く存在する関節ですが、その中で仙腸関節だけが水平方向に対応している、と指摘されていました(聞き間違いでしたらごめんなさい)。

つまり地震の際の横揺れに対応している、と。地震の多い日本の建物では、とくに横揺れの耐震技術が発達していますが、仙腸関節はその横揺れを緩衝する、人体で唯一、もしくは数少ない関節

この仙腸関節に異常があると、年齢、性別に関係なく腰痛となってしまうそうです。特に出産後に発症しやすい、とのこと。

で、この仙腸関節の講演の後の質疑応答の際に、歯科の先生より「かみ合わせと仙腸関節の痛みは関係があるか?」という質問があったのですが、発表された村上先生は「関係がある」と答えておられました。

かみ合わせは、歯科が思っている以上に全身に影響を与えているようです。今後、自分も見直していこうと思っております。

続く