審美歯科

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腸内細菌について学んできました。その2

さて、これから聴講した演目についてお話ししてみようと思うのですが、何をどこまで話していいのか、勝手がわからないため、また自分も1か月前から学び始めた素人ゆえ、記述に間違いがあるかもしれません。問題があることが判明した場合、削除いたしますので、あらかじめご了承ください。

 

 

まず最初の演目は、先天的に腸に疾患を持ったお子さんの腸内細菌の異常と、それに対する「シンバイオティクス療法」についての内容。

講演ではその中でも治療が困難な疾患として、「短腸症」と、「腸管蠕動不全症」について述べられていました。

なお、事前に配布されたプログラムの冒頭には、「先天性外科疾患の中でも、消化管以上と呼吸器異常の患児は重症なものが多く、生後長期にわたって治療が必要になる」、とあります。

医科の分野なので、ここでは「先天性外科疾患」について、言及できませんが、スクリーンには患児、それも赤ちゃんのお腹の手術の様子が映し出されていました。詳しい表現は避けますが、赤ちゃんの段階ですでに腸に何らかの異常があったらしく、外科手術を行って腸の「悪い部分」を取り去ったようです。

すると悪い部分を取り除いて正常部分同士を再びつなげたため、腸は短くなってしまいます。これを「短腸症」というそうです。

 

ここで「短腸症」についてお話しすると、短腸症とは先天性腸疾患に対する外科手術を行って悪い部分の腸を取り去った結果起こる、「小腸の大量切除に伴う吸収不良の状態」と定義されている、とのこと。
症状としては、下痢、体重減少、脱水、栄養障害、そして成長障害を呈する、とのこと。

小腸を大量に取り去ってしまうため、当然ながら健常の場合よりも腸の長さが短くなってしまい、短くなってしまった分、腸での栄養の吸収も健常の場合に比べて少なくなってしまいます。その結果、十分に栄養を摂ることができず、場合によっては中心静脈栄養法(栄養を点滴で体内に入れる方法)を行うそうです。

 

腸での栄養の吸収は、腸内細菌を介して行われます。腸を切除して短くなると、当然ながら腸内細菌の数も減ってしまいます。すると栄養の吸収も困難となり、成長にも影響を与えてしまいます。

 

講演では、腸疾患のある赤ちゃんでは、嫌気性菌が減少し、好気性菌と病原菌が増加する、とのこと。これがちょっと意外でしてね。
口腔では嫌気性(空気が嫌い)菌の多くが悪玉菌、好気性(空気が好き)菌の多くは常在菌(悪さはしない)、という図式なのですが(完全に当てはまるわけではないですが)、腸内細菌では真逆!

というのも、腸の中は空気が無いか、とても少ないそうで、さらに腸内細菌が「発酵」によって腸に入ってきた食物を分解している、とのこと。

ここで何かと日常的に耳にする「発酵」という言葉が出てきましたね。

 

「発酵」は「代謝」の一つで、嫌気的条件下、つまり空気の無い環境で、細菌が有機物を分解して、違う物質を作り出すこと。

代謝にはこの他に、空気がある環境で酸素を二酸化炭素に変える「呼吸」、水と二酸化炭素から酸素と炭水化物を作る「光合成」があります。かなりざっくり言ってます。僕の友人に、この分野に詳しく、授業で学生に教えていた、という人物がいるので、もし詳しく知りたい方はご紹介します(本人になんの許可も得てないけど)。
まあ、とにかく、腸内で行われているのは「発酵」で、これは嫌気性菌によって行われる、つまり腸内細菌の大半は嫌気性菌である、と。
今回の講演で、はっきり言明されていましたが、

「腸内では好気性菌はダメ、嫌気性菌が多いのが望ましい」とのこと。

 

 

これって、口腔とは逆なんですよね。

 

今年の夏ころ、「糖について」と題した記事にて、ミュータンス菌が糖を代謝して乳酸を作る、と書きました。

この乳酸は「短鎖脂肪酸」の一つで、人体が産生することができず、腸内細菌に「発酵」して作ってもらって吸収する、重要な栄養素。腸内ではこうして人体と細菌とはお互いに「WinーWin」の関係となっています。なっているのですが!

口腔では、歯垢が多くなったり、歯周ポケットが深くなると空気の存在しない環境となり、ミュータンス菌や歯周病菌が生活しやすい「嫌気的環境」となり、ミュータンス菌が乳酸を作る。

なんだ、これって「発酵」じゃん!と、思われるかもしれませんが、「発酵」は人体に有益なものを指す、という定義もあります。

で、ミュータンス菌が口の中で産生する乳酸は、人体に吸収されません。それどころか歯や歯肉、骨を溶かしてしまうんです!

 

そう、腸内で必須な短鎖脂肪酸も、口腔では「悪の攻撃兵器」になってしまう!!

 

この腸内細菌と口腔内細菌の逆転現象は面白いので、あとでまた触れます。

 

長くなったのでここでいったんきります。