審美歯科

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宇都宮での学会でのお話し その3

覚えている方はいらっしゃるでしょうか?

実はまだ、宇都宮でのお話しの途中なのです。明後日で1か月経っちゃう!

 

さて、前回の続きですが、ECC(Early Chaildfood Caries)ですが、ECCと判定された小児の場合、そのバイオフィルムの量が多くなり、耐酸性も向上した、とのこと。

さて、ここで「耐酸性も向上」という言葉が出てきて、ちょっと驚かれた方もおられるかもしれませんね。

細菌は、食べかすや甘いものをエサにして代謝を行い、「酸」を産生するんだから、酸にはもともと強いのではないのか?と。

この疑問については、昨年の当ブログにて、「糖について」と題した記事のミュータンス菌の中で詳しく説明しているので、そこを参照してもらって、ここでは簡単に言うと、「耐酸性」が高い細菌ほど、より人体に悪さをするようになる、とお考えください。ちなみに「耐酸性」が高い細菌には、むし歯菌としておなじみの「ミュータンス菌」、歯周病菌の「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌」などもあります。

「ECCと判定された小児」とは、すなわち、生後71か月を前に虫歯ができてしまった小児のこと。71カ月まで、という早い時期に虫歯ができてしまった子供では、バイオフィルムの量が多くなり、そのバイオフィルムの中には、より強力な細菌が生息している可能性が高い、と言えます。

 

続いて、歯のどのような部分に、どんな細菌が多いのか、という説明へ入っていきます。

歯ですが、どこも同じとは言えません。「噛む面」と呼ばれる部分には深い溝がありますが、横の部分は真平らとなっています。

で、この「真平ら」な面は、非常に滑沢なため、細菌たちも容易に取りつくことはできません。ロッククライミングで、崖を上っていくところを想像していただきたいのですが、あんな崖に寝床を作って生活できるでしょうか?へばりついているだけで精一杯。歯と細菌の関係も同じように言えます。

一方で、噛む面ですが、深い溝があるので、細菌はそこに入り込むのは非常に簡単。実際、小児が最初に虫歯になってしまうのは奥歯の溝の部分が圧倒的に多い。なお、奥歯の横の面にも虫歯ができやすいのですが、ここには「頬面溝」という、縦方向の深い溝がありまして、ここに細菌が溜まりやすく、むし歯にもなりやすいのです。

この対処法として「シーラント」とよばれる、歯にダメージを与えない形で溝をふさぐ方法があります。学会では「アメリカでは溝を見つけたら、とにかく(シーラントで)埋めろ!と言われている」との発言もありました。

 

さて、発表の中では具体的な細菌の名前も挙げられ、かなり具体的に語られていたのですが、ここで話すにはマニアックすぎるので簡単にお話しいたします。

そもそもバイオフィルムの始まりは、善玉菌が歯にくっついて、から。歯の表面にはペリクルと呼ばれる「バリア」のようなものがあるのですが、これに接触できる細菌は限られています。悪玉菌の多くは付着できないようです。さて、最初に歯の表面にくっつく善玉菌は悪さはしないのですが、歯磨きをしなかったり、絶えず何かを食べていたりすると、その善玉菌の周りに悪玉菌がくっつき始めます。さらに放置されると、その善玉・悪玉、両方の菌の塊はどんどん不潔になり、善玉菌が減り始めて、より悪さをする細菌が増えてくるのです。

定期的な歯の汚れ取りが重要です。

 

 

また、乳児と母とでは、生息している口腔内細菌の種類などは類似しているとのことですが、離乳食が始まると、その類似性、相関性が低下してくるそうです。細菌に関しての「親離れ」「子離れ」は離乳食の時に始まると言えます。

さらにいうと、乳歯が生え始めてから急に口の中に住む細菌の種類が増え始めるそうです。

 

お話しできるのはこのあたりでしょうか?詳しい内容は、今後、医院の中で皆さんにお話ししていこうと思います。

 

なお、講演の中で提起されていた「虫歯予防法」ですが、その中に「アルカリ環境を作る」というものがありました。

CAMBRAでも、あまりにもカリエスリスクが高い患者さんには、フッ素塗布よりも「ペーハーの改善」が優先されます。

 

今後、虫歯予防の方法として、フッ素塗布とともに「ペーハーの改善」も、大切な要素として重視されるものと思われます。

 

 

 

次回はいよいよ「脳と発育とお口の発達」についてです。