審美歯科

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脳の発達と睡眠について その3

さて、一階部分に当たる「からだの脳」を成長させることの重要性について語ってきましたが、成田先生によると小児の精神外来に来院する患児の多くは、まさに①の「からだの脳」の発達が不十分なのでは、という印象を持っているとのこと。幼稚園の頃に「いう事をよく聞く子」は注意したほうがいいかもしれない、と指摘していました。(なお、ルールを教えるための「叱り」「しつけ」とは別)

話しはさらに続き、本来、小さい子は昼寝はせず、昼行性である、とのこと。

睡眠不足や夜行性だと、情緒不安定や「こだわりが強い」などの傾向がみられ、発達障害のような状態にも見えるため、本当はそうではないのに「発達障害」などの診断名がついてしまう可能性もあるそうです。

 

そのための手段として、「早起きして太陽に浴びせる」ことが強調されていました。

 

ここでさらに重要なキーワードである「セロトニン神経」が出てきます。

セロトニン神経とは「からだの脳」「古い脳」とされた脳幹部分にあり、一階部分の仕事(食欲、姿勢、睡眠、呼吸、情動、自律神経、性欲)のほぼすべてを行っているとのこと。

しかもセロトニン神経は「一階部分」だけに収まらず、神経突起をどんどん伸ばして二階部分の「前頭葉」にまで枝を広げます。そのため、二階部分の仕事である「認知、記憶」の働きまでしてくれるのです。脳幹などの「古い脳」と、前頭葉の「新しい脳」をつなぐ働きもあるため、一階と二階を結ぶ「階段」の役割もあるそうです。たとえば、一階部分の「こころの脳」で「不安」や「恐怖」が生まれても、セロトニン神経がそれを二階部分である前頭葉につないで、「大丈夫、大丈夫」と安心させる仕事を行っている、とのこと。

前回の説明では一階部分と二階部分が断絶しているように見えますが、セロトニン神経などがそれらの脳を結んでいるので、脳の各部分で異なる働きが起こっても、一体となることができるそうです。

 

この重要極まりないセロトニン神経ですが、生まれた後に発達する神経だそうで、生まれてからの5年間の脳の可塑性が高い時期に刺激を受けることで、どんどんつながりが作り上げられていく、とのこと。

ではセロトニン神経を成長させるにはどうすればいいのか?

前回、「からだの脳」の成長のために「噛むこと」が重要だ、とお話ししましたが、まさにこれ。脳幹にあるセロトニン神経を成長させるには、五感からの繰り返しの刺激が必要になります。

では、どう刺激すればいいのか?それは「視覚」を刺激すること。しかも「太陽の光」がとても重要。

セロトニンは、朝に大量に放出されます。しかも太陽が当たることで、セロトニンの放出が促進されます。

つまりセロトニン神経は、「朝の太陽の光」で成長を促すことができるのです。

 

このことが、講演の中で最も強調されていたこと。

成田先生によると、情緒不安定であったり、朝起きれずになかなか幼稚園に行こうとしない子の多くに、夜遅くまで起きている、などの生活の乱れが見られたそうです。

そのような子供の保護者に対し、先生は「朝起きて、夜寝ること」をきちんと行うことを提案。幼稚園、保育園とも協力して昼寝の時間を短くして「昼寝のし過ぎ」をなくし、夜早く眠ることができるようにする。偏らない食事を心がけ、リズム体操などで体を動かすことも指導し、そして朝はとにかく早く起こして陽の光を浴びせるように説得した、とのこと。

もし朝、起きなくても、抱えてでもベランダに連れて行き、半分寝ていようと陽の光に強制的にでも浴びせること、を行わせたところ、わずか数日で朝早起きして、食事もきちんと食べ、夜も早い時間にぐっすり寝ることができるようになった、とのこと。

 

今って、電子機器を自在に扱う小さいお子さんも珍しくないですよね、当院でも3歳にしてスマートフォンを苦も無く操るお子さんもいます。珍しくないです。スマホに限らず、3DSや家庭用ゲーム機、現在のところ、サンタさんへのリクエストナンバーワンである「スウィッチ」など、多くのお子さん向けの機械がありますし、DVDだってためらいもなく扱うことができる幼稚園児の方が多いと思います。

中には夜遅くまでゲームやDVDを見る、という生活パターンとなってしまったお子さんもいるかもしれません。

まずはとにかく、朝、陽の光を浴びせることから始めてみましょう。

また、セロトニンと同時にメラトニンも重要、とのこと。

メラトニンは、セロトニンとは正反対に日中は分泌が減少し、夜、暗くなってくると分泌量が増える、とのこと。

メラトニンは脈拍、体温、血圧を低下させて睡眠を行わせる物質。

メラトニンとセロトニンはとても関係が深く、不規則な生活や陽の光を浴びない生活を行っているとメラトニンも正常に分泌されなくなり、睡眠障害を引き起こす、とのこと。

そしてこのメラトニンも、生後5歳までに一番多く分泌され、その後は分泌量が減っていく、とのこと。

 

セロトニン、メラトニンと言う、体内時計の機能にも重要な成分も、その成長の主流は5歳まで。

 

 

5歳くらいまでの「からだの脳」の成長が、ヒトの生涯に大きな影響を及ぼすことがわかりました。

そしてそれを成長させる方法は、必ずしも早期教育を行うことではなく、「噛むこと」「寝ること」「起きること」であり、その他の五感を刺激すること。

 

他にも現代の日本人の睡眠時間の少なさを指摘する、など、講演のメインは睡眠の重要性を訴えるものでした。

 

 

以上が講演のご報告になります。

 

 

お子さんに一杯、良い刺激をあげてください。木のおもちゃを触ってみる、遊んでみる、なんてのもいいかも。将棋の藤井棋士も、幼いころ、ビー玉を転がす木のおもちゃで遊んでいたそうですし。

 

別に「国立医学部に現役で合格」するためだけではなく、スポーツ選手になったり、文豪になったり、大臣や博士になるためにも、脳の容量を増やすことが大事。

 

ちなみに成田先生は著作の中で、脳は何歳からでも成長する、としていました。皆さん、頑張りましょう!

 

 

 

 

 

非常に長くなってしまった、宇都宮での講演のお話しはこれにて終わりとなります。