審美歯科

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時々、聞かれる歯科の疑問にお答えします。その2

新年に伴う各種会合への出席や、HPのトラブルのため、更新が遅れていました。

続きをお話しします。

 

3、歯磨剤(はみがき粉)の研磨剤が歯を削る?

歯磨き粉には様々な成分が入っていますが、その中の主要な成分の一つに研磨剤があります。「研磨」という言葉が使われているだけに、「磨き粉」のように歯の汚れを落とす主成分です。この研磨剤の正体ですが、非常に細かい粉末です。これを歯に塗り、歯ブラシでこすられることで、歯の表面の汚れを落としているのです。

・・・・となるとこう考える方もおられるのではないでしょうか?

「それって、歯自体も削ってしまうことになるのではないの?」

確かにもっともな疑問で、この点について議論になったこともあります。

 

この疑問に関して、参考書では

「一生使っても、健康障害が出るほど歯面が削られることはありません。」

 

歯磨き粉の歯面研磨性(歯の表面をどのくらい削るか)は、RDA(Radioactive Dentin Abrasion、相対的象牙質損耗値)という象牙質研磨力の評価値によって、世界的に250以下と基準化されている、とのこと。日本ではそれよりも下の150以下、と、世界基準よりも低く設定されています。

また「相対的象牙質損耗値」という、面倒くさそうな漢字の羅列の中に「象牙質」という、歯の成分があります。

象牙質は、歯の一番外側にあるエナメル質の下の層のことで、歯の神経や血管は象牙質の中にあります。象牙質は人の骨とほぼ同じ硬さです。

この基準値はこの象牙質を対象としており、先述の通り、その外層には人体で一番硬いエナメル質があります。

また、研磨剤の危険性が指摘されてから時間もたち、その間、市販の歯磨き剤の成分もかわり、今では研磨剤の成分は以前よりも抑えられており、また、知覚過敏に対応した製品もあります。

 

本書で述べられているのは研磨剤自体の脅威よりも、むしろ磨き方です。

上記のように、研磨剤は、歯ブラシでこすられることで研磨性を発揮します。

いくら成分自体は健康への被害が少ないと言っても、硬い毛のハブラシで力強くゴシゴシと動かしてしまうと、十分、削れてしまいます。

WSDと呼ばれる、歯の付け根付近にできた、歯の欠損を示す症例があります。結構、日常的に見受けられます。これは歯ぎしりによって起こることもありますが、最大の原因は、力いっぱい歯ブラシをゴシゴシしてしまったこと。そのために歯が削れてしまうのです。これは研磨剤がほとんど入っていない歯磨き粉でも起こってしまいます。

こうなると冷たい水などが凍みるようになり、それでもゴシゴシ磨きを続けるとさらに深くなっていき、ついには痛みが出て神経を抜かなければならなくなります。こうなると、むし歯が原因ではないだけに非常にもったいないです。

 

ぜひぜひ、歯磨き方法に注意してください。

 

 

 

4、「紅茶に牛乳を入れると、むし歯のリスクを下げられる?」

 

これも聞かれると困る質問です。どう答えていいのかわからない。前回のヨーグルトに続き、牛乳を応用した歯磨きについても、時々、聞かれることがあるのです。

ヨーグルトの際にはああいう回答をしましたが、実はこれまでいくつかの参考書に、乳製品(牛乳やチーズなど)が虫歯予防に効果がある、と書かれているのを見たことがあるのです。(「う蝕学」永末書店、「新 う蝕の科学」医歯薬出版)

なので、将来的には効果が証明されるかもしれないのですが、他の情報から、今の段階では「効果がある」とは保証できないのです。

 

でも、今回の質問への回答は、若干趣がことなります。回答は

 

「う蝕(むし歯)や酸蝕症のリスクをコントロールする工夫の一つとして勧められます」

 

と、なんだか肯定的な記述!

 

何でも、紅茶のPhは5.5といわれており(紅茶の種類で酸性の度合いは違うとのこと)、紅茶を頻繁に摂取することは、「酸蝕症」のリスクを上げてしまう可能性があります。一方、紅茶にはフッ化物やポリフェノールといった、むし歯を防止する作用を持つ成分も含まれています。

むし歯菌として代表される「ミュータンス菌」ですが、ミュータンス菌は「グルコシルトランスフェラーゼ:GTF」という酵素を持っており、このGTFを使って、砂糖などの糖分を分解して繋ぎなおし、、グルカンという糖を作り出します。このグルカンはとても粘着性があり、水にも溶けません。温かい水飴が冷めると、カッチカチになって硬くなりますよね。ミュータンス菌はこの水飴の中にいるような感じ。水飴は硬いし、触るとべとっとするでしょ?壁に着けると取れなくなるかもしれません。

この硬くて接着力のあるグルカンを用いてミュータンス菌は歯にくっつき、また白血球や唾液の免疫システムからのバリアとしているのです。

ポリフェノールは、このグルカンを作るGTFの働きを邪魔してグルカンを作れなくすることで、虫歯予防の効果を発揮する、と言われています。

ちなみにポリフェノールは紅茶だけに入っているのではなく、ウーロン茶、そして緑茶にも入っています。特に緑茶のポリフェノール成分は多くの細菌やウイルスに効果があるそうです。

話が逸れましたが、紅茶自体はPh5.5と酸性でこのままでは歯を溶かしてしまうかもしれないのに(まあ、そこまで深刻なPhではないけども)、一方では虫歯予防の成分も入っている。なんか、モッタイナイ感じがしますね。

 

ここで本書では牛乳に触れています。

牛乳のPhは6・8と、中性。

なので紅茶に牛乳を入れることで、酸性を中和、もしくは酸性度を軽減することができる、と。

また牛乳にはラクトース(乳糖)という虫歯になりにくい糖分が入っている上に、カルシウム、リン、ガゼインなども入っている、とのこと。

これまで当ブログでお話ししてきたように、カルシウム、リンは、ペーハー低下後の上昇期に歯に取り込まれることで歯を修復・強化しますし、ガゼインはその働きを促進する、とのこと。

ちなみに「乳製品を多くとっている人に虫歯が少ない」という研究結果は、結構、多く紹介されているそうです。

 

さて、ここまで書くと、「じゃあ、ヨーグルトだって乳製品だから、ヨーグルト磨きも効果があるのでは?」と、思われる方もおられるかもしれないですね。

 

ここで注目していただきたいのは、上記でお話ししたことは「口の中のペーハーの上昇、下降」を利用した虫歯予防である、ということ。むし歯菌自体を殺す、ということではありません。(お茶のポリフェノールには殺菌、静菌作用がありますが)
また、バイオフィルムの性質を変える、というモノでもありません。

一方で、ヨーグルト磨きではプロバイオティクスという、口の中の細菌の生態系を変える方法が、その考えの根幹にある、とされています。

そして細菌自体を利用した虫歯予防は、今のところ、実現していないというのが実際です。

 

お茶に牛乳を入れてペーハーを中和して虫歯予防、と、細菌自体を利用して虫歯予防、では、ゴールは同じでも、内容は全く異なるので注意が必要です。

 

 

 

 

 

今回のお話しはここまでとさせていただきます。

 

記述の仕方にトゲがあったり、いわゆる「上からの物言い」のような表現がありましたら、心よりお詫びいたします。

 

・・・・・でも、ヨーグルトの歯磨きって良いの?と聞かれると、やっぱり戸惑いますよね、実際。

かく言う自分だって、「納豆を食べるだけで痩せる!」なんてテレビで言われたら信じますもん。お医者さんじゃないんだし。

 

自分の仕事に関すること、自分の興味のないこと、について、知らなくて当然。恥じることはない、と考えております。なので車の修理や点検はお任せ状態なんですが。

 

再度、繰り返しますが、表現方法に失礼があったらごめんなさい。

その上で、何か疑問に思ったこと、噂の健康法などがあったら、臆せず聞いてください。即答はできないかもしれないけども、なんとかお答えしますので。

上記のように、加納だって、関わりの無い分野については何にも知りません。(確定拠出年金、って何かよくわかっていません。専門家に教えてもらって初めてわかった)

質問自体を笑うことは絶対にないので、ぜひ質問してください。