審美歯科

診療案内

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歯科・小児歯科
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小児の治療について②

続いて、具体的な治療についてお話しします。

 

治療について、自分は様々な先生の考えに接する機会がありました。

小さくても削って治す、という方針から、どんなに大きくても極力削らない、もしくは4歳になるまでは削らない、などなど。

これもそれぞれの先生で考えが異なると思います。

 

4歳になるまでは削らない、というのは、恐らくトラウマを考慮してのことと思われます。

もちろん、早い時期から歯を削ることは避けたいですが、痛みが出そうなくらいに大きな虫歯がある場合、や、虫歯になっている歯の数が多い場合、その他などで、治療が必要になる場合もあります。

2歳か3歳の段階で、虫歯になっているお子さんもおられます。珍しい、とも言い難いです。

そして乳歯に虫歯が多いと、永久歯も虫歯になりやすい、というのも事実です。

唾液の質が虫歯になりやすい、という点と、何よりも乳歯の虫歯が永久歯に移ってしまう、というのも要因として大きな部分を占めています。

 

永久歯の虫歯予防、ひいては子供の生涯にわたるお口の健康のためにも、早期からの治療が必要な場合があります。

乳歯はいずれ生え変わるから削らなくてもいい、というわけでもなく、乳歯の虫歯が永久歯に移らないために削る。広い意味で、虫歯を予防することになります。

基本的には虫歯の部分を削って詰める、ということになるかと思います。

 

ここで問題になるのが、2歳や3歳などの低年齢児の虫歯。

 

この場合、痛みがある場合などを除いて、前述のように、「歯を削る機械」を使わずに、「手で虫歯を掻き出す道具」を用いて、できる限り虫歯を取って、詰め物を詰める、を行っております。

この詰め物ですが、グラスアイオノマーと呼ばれるものを使用しております。グラスアイオノマーにはフッ素も入っているので、虫歯の進行を抑制、もしくは治癒も期待できます。

虫歯を完全に取る、のではなく、進行を止めるためにフタをする、という感じでしょうか。

他の歯へ虫歯が波及するのを防ぐうえでも効果があると思います。

 

この処置は機械を使わないので、お母さんの膝の上でさせてもらうこともあります。

また、それも難しい場合には、シーラントを虫歯の穴に詰めておく、という処置をとることもあります。

とにかく、「虫歯を何かでふたをする」というのが大事かと思います。

 

これは小学校に入った後の、乳歯の生え変わり時期にも言えるかもしれません。

あと少しで生え変わるけども虫歯になってしまった場合、そのままでは永久歯に移る可能性があるため、せめてその上にフタをするような感じで詰め物を詰めて、虫歯の波及を防ぐことも必要な場合があります。

 

 

上記のように、2歳児、3歳児でも、なんらかの治療が必要になる場合があります。

それでも、当院では痛みがある場合以外は、虫歯があっても、保護者の同意がなければ無理には治療を行わない、を基本方針としています。

「虫歯があっても」と書きましたが、あまりにも大きな虫歯の場合は、痛みが無くても、了解の上で治療を行う場合もあります。

それが無理な場合、せめて何かでフタをする、という処置を行うことをお勧めしています。

 

自分の治療の基本的な姿勢は、乳歯の虫歯は極力、治す、もしくはフタをする。逆に永久歯は極力、削らない、です。

 

お子様の心理的な要因を考慮して、大きくなるまで無理には治療をしない、というのもとても大事な選択です。

その場合、虫歯を放置することで将来、永久歯が虫歯になるリスクも高まる、ということをご理解いただきたいと思います。

 

無理に治療しない場合でも、定期的な検診をお勧めします。フッ素塗布や、虫歯の進行抑制薬の塗布、歯の清掃などを行う、など、やれることもあります。

 

大事なのは、やっぱり虫歯にならないこと、ですね。

永久歯の虫歯を防ぐには乳歯のころからの虫歯予防が大事。

それは、皆さんの思っているよりも早い段階から始まります。

 

離乳食の始まる時期や、卒乳の時期など。

卒乳時期については様々な見解があり、自分は専門家ではないので触れませんが、確実に言えるのは、授乳したまま寝てしまうことで、虫歯になってしまう、ということ。

 

生誕直後の授乳期は、母乳をエサにする細菌がいないので虫歯リスクは低いですが、離乳食が始まって様々な細菌が住み始めると、母乳をエサにして虫歯にする細菌も増え始めます。

細菌を住まなくする、ということは不可能です。むしろ赤ちゃんは様々な細菌と同居することで、腸内細菌や免疫も強化されていきます。

 

 

ちょっと話がそれましたが、小さなお子様に虫歯があった場合のお話をいたしました。

 

 

どの方法でも、最終的には保護者の方の同意がなければ、無理に行いません。

来院すると自動的に治療が始まる、ということはありません。

 

疑問に思ったこと、不安なことなどは、すぐにお聞きください。

 

続きます