審美歯科

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2017道東鉄道旅行(22) 湿原と汽車

 

 

 

 

場所取りを終え、汽車を待つ私、加納。

釧網本線は、ご覧の画像の真ん中、湖と湖のあいだに上から下に斜めに走る陸地に敷かれています。

汽車は画面上部の森林地帯の方から下にやってくる。

地図では白黒の太い線で示される釧網本線ですが、湿原のスケールの前には、か細い線でしかありません。

 

ただでさえ少ない釧網本線の下り行を待つこと数十分。

 

 

 

 

 

 

 

来た!!きました!!

 

 

 

 

 

 

 

    

わかりますか?湿原の湖に挟まれた、狭い陸路を走る汽車の姿が!!

 

 

 

 

 

 

こちらです。うん、湿原の中じゃ小さい存在ですね。

 

キハ54系は、湿原の中をゆっくり進んでいきました。

 

 

釧網本線の鉄路の横には国道もあり、自動車の交通量も多いです。釧路地方とオホーツクを結ぶ幹線道路の一つでもあるので。

もちろん、車の存在は否定できないけども、やはり繊細な自然である湿原の中では、汽車での移動は捨てがたいと思います。

 

 

それに、汽車って、自然の風景に違和感なく溶け込める。その場の風景の一部になることができます。まるで以前から存在していたかのような。

 

 

 

 

 

 

 

わずかな距離ではありますが、キハ54系はゆっくりと走っていきました。まるで周囲に広がる湿原の静寂を保つかのように。ぐっすり眠っている赤ちゃんを起こさないよう、ソロリソロリと歩くように。

 

全国の皆さん、釧網本線とは、このような「自然」の中も走っています。

 

 

当ブログでも「釧網本線の沿線には自然がいっぱい!」などと繰り返してきましたが、言葉ではなかなか実感できないと思われます。

 

全国には、自然に囲まれた鉄道路線はたくさんあります。深い森をわけいって、という路線も非常に多い。

 

しかし、上の画像のように、釧網本線は繊細な環境の中を走っています。湖の上にできた薄い氷の上を走っているような感じ。少しでも体重をかけすぎたり、踏み外してしまえば、簡単に壊れてしまいそうな環境です。

 

 

釧網本線や花咲線の沿線には、このような独特な自然が広がっています。

 

鉄路について、経済効率の側面だけで判断するべきなのか?今一度、考えてみるかちがあると思います。

 

 

2021年3月15日 追記

当院は湿原の保護活動を行っている団体を、微力ながら支援させていただいております。
そこで湿原についての様々な事柄を知ることができました。
最近、問題になっているのは、自然エネルギー装置の設置に関すること。
釧路湿原近辺でも、近年、太陽光発電のためのソーラーパネルが設置されることが多くなってきたとのことですが、太陽光発電装置のために、湿地が干拓されて設置されるケースが出てきた、とのこと。ここまで、何度もお話ししてきた通り、釧路湿原、霧多布湿原など個別の名称がついていますが、道東では区切りなく湿地が広がっているのが実態です。そして湿原を保護するためには、国立公園や国定公園の区域だけを守ればいいのではなく、その周辺区域の自然環境も保護されなければなりません。

今、釧路湿原周辺に限らず、日本各地では自然エネルギー装置あるいは再生可能エネルギー装置のために、自然が破壊される、という矛盾したケースが増えているのです。

「自然エネルギー」「再生可能エネルギー」と聞くと、具体的な内容以前に「自然に良さそうなイメージ」が浮かびますが、実態は設置する場所の自然環境を破壊することに変わりありません。

もちろん、自然エネルギーや再生可能エネルギーを否定するものではありません。むしろ積極的に使用されるべきと思います。しかし、それは無制限にされるのではなく、環境に配慮した形式で行われるべきと思います。

どうしても都市部で「自然エネルギー」が語られるときは、概念上だけのものであったり、言葉の持つイメージだけであったり、環境に関しての討論、議論の際に使用される用語としての域を出ることは難しい。

ぜひ、実際の自然エネルギー装置を知るためにも、道東を訪ねてみていただきたいと思います。