審美歯科

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当ブログの「歯と口の衛生週間」終了

ここまで続けてきた「糖について」のお話しですが、キシリトールに至ったところで一区切りとさせていただきます。

まだ「非糖質系甘味料」が残っているのですが、これはまたの機会にお話しします。

 

これまでのお話しで重視してきたのは、安全性の面です。

 

少なくとも今、世間に広まっているものに関しては、適度な量であれば問題はありません。

 

これからご紹介しようと思っていた「スクラロース」ですが、今回、基にした記事では「安全性試験でも問題は認められていない」とされていますが、ネット上の情報では、スクラロースの化学式の中にダイオキシンと同じ部分があるからダイオキシンと同じ!!と言いきってしまっているものもありますが、全くの別物です。

この「化学式では同じ」あるいは「類似している」という表現が実に厄介ですね。

そんなことを言ったらチョコレートもニトログリセリンと同じ、となってしまい、チョコレートが酸素と触れるたびに大爆発が起こってしまうことになります。

以前、ご紹介したフッ素に関しても、「フッ素イオン」と「フッ化物」では、性質が全く異なりますし。

 

 

でも、心配してしまうのも当然です。自分の幼少期まで、食品被害に関する報道が、今よりも頻繁にテレビで流れていたのを覚えています。ワインの不凍液に関する事件をおぼろげに覚えていますし、アスベストが使用されている公民館や体育館も珍しくありませんでしたし。

それがある日を境に、一転して「悪い物質」に変化したのを体験しています。

 

なので、今、安全とされているものでも、今後、危険と判断される可能性も否定できませんし、疑問的な視点を持つこと自体はとても大事なことだと思います。

 

 

ただ、そういうことがありつつも、日本の寿命は延び続けているのも事実です。

これまでご紹介してきた「糖」たちは、上手に摂取すると、日常生活が豊かなものにしてくれます。

 

 

最期に強調しておきますが、くれぐれも「取りすぎ」に注意!!!!!!

「糖」について その17 キシリトール

さて、いよいよ「大物」が登場してきました。

 

今や世間的にも有名な「キシリトール」です。

 

今回の特集は、日本歯科医師会雑誌の2017年4月号に掲載された記事を元にご紹介しておりますが、中でもキシリトールについて、長い記述がされています。

 

記事によると、キシリトールは木材に含まれている「キシラン」という多糖を構成する「キシロース」から作られるとのこと。

ここで出てきた「キシロース」ですが、「木糖」ともいわれる単糖のこと。小腸で吸収されにくく、グルコースの分解を行う酵素(グルコシダーゼ)の働きを阻害するためグルコースの吸収を抑えることで、血糖値を上げにくくする効果もあるそうです。

 

さて、キシリトールについての続きですが、甘味度は砂糖=スクロースと同じ「1.0」!!

そのため代用甘味料として広く使用されています。

キシリトールは溶解する時に熱を吸収する性質があるため、摂取してお口の中で唾液や噛むことで冷涼感や爽快感が感じられる、とのこと。

そしてインスリンと無関係に代謝されます。グルコースなどはインスリンなどによって取り込まれますが、キシリトールはインスリンを必要としないで代謝系に入っていきます。そのため糖尿病の治療にも利用されています。

 

 

・・・以上は今回の元となっている論文や他の文献にも、ほぼ共通している内容なのですが、今回、元にしている記事ではこの後、キシリトールについて世間に流布しているものとは異なる見解がなされています。

 

これをどう、まとめようかと思ったのですが、上手くまとめることができず。

 

・・・と、書くと、都合の悪い内容だから書きたくないのではないか、と思われてしまうかもしれませんが、そうではなく、「確定していないから」というのが正しいです。

疑問を呈する部分もある、という記述内容なので。

 

 

これに関して、7月22日に札幌で開かれる、キシリトールに関する講演を受講する予定ですので、詳しいことがわかりましたらこちらでご紹介いたします。

 

なお、キシリトールに関する効能については、日本歯科医師会が運営している「テーマパーク8020」というサイトに詳しく記述されておりますので、そちらを参考にしてみてください。(無断リンクと掲載はダメ、とのことなので、「テーマパーク8020」で検索してみてね)

「糖」について その16 マルチトール

続いてご紹介する糖アルコールは「マルチトール」です。

 

マルチトールは、二糖のマルトースを還元して作られます。マルトースはグルコース2つでできているので、甘味度もスクロース(砂糖)よりも低く、「0.7~0.9」となっています。

 

保湿性に優れているため、食品や化粧品の保湿剤や保存剤として利用されています。

 

マルチトールは口腔レンサ球菌の酸酸性の基にはならず、細菌が作り出すグルカンが生産されるのを阻害するそうです。

そのため動物実験の結果では、むし歯を引き起こす能力はない、とのこと。

ただこれはマルチトールだけを動物に与えたときのことのようで、マルチトールと砂糖=スクロースと両方が存在する状況では、むし歯の予防効果が認められる場合もあれば認められない場合もある、とのこと。(院長の意訳があるかもしれません)

 

いずれにしろ、むし歯の予防効果があり、安全面も高い、とされているようです。

 

 

・・・・ですが、糖アルコールである以上、過剰摂取でお腹がゆるくなるので注意が必要!!!

「糖」について その15 ソルビトール

ここから、糖アルコールに関しての各成分について説明いたします。

 

 

まずは「ソルビトール」。

ソルビトールはグルコースを還元して作られた糖アルコールです。バラ科ナナカマド属(Sorbus)の植物から発見されたため、ソルビトールと命名されたそうです。

甘味度はグルコースが本体であることから察せられるように砂糖(スクロース)よりも低く、0.6~0.7くらいとされております。

そのため、ダイエット食品などの甘味料として使用される場合もありますが、砂糖よりも甘味度が低いため、あまり甘く感じないと思われます。

ソルビトールは化学的に安定で、保湿性や保香性があることから、食品の品質改良目的に広く使用されている、とのこと。また医療分野や化粧品などにも使用されています。

歯科で言えば、「歯磨き粉」の保湿剤として使用されています。

歯磨き粉の保湿剤については当ブログの5月10日に掲載した「歯磨き粉の最新科学 その4」をご参照うださい。

 

さて、このソルビトールについて、ネットで調べてみると、有害である、とするサイトが多いことがわかりました。

その有害性に挙げられているのは、まず「お腹が緩くなる」こと。これは事実です。「糖アルコール」の項目でも説明されている通り、ソルビトールに限らず糖アルコールに属する糖は全て、過剰に摂取するとお腹がゆるくなってしまいますので、摂取の際は十分、ご注意ください。

次に「糖尿病のリスクが高まる」とあります。これに関してですが、糖アルコール自体は腸から吸収されにくいため、血糖値の上昇も低くすることができるのですが、だからと言って過剰に摂取すると、そりゃあ血糖値も上がります。ダイエットコーラだから、と安心してがぶ飲みしていると、糖尿病を誘発し、お腹もゆるくなるので注意が必要です。

 

また、海外では死亡例がある、とのことですが、これについては因果関係が不明であること、これだけソルビトール入り食品が普及している中で、報告が非常に少ないこと、などから、ソルビトールが有害だ!とは断定できません。人には色々な体質があると思います。亡くなった方に心からご冥福をお祈りしつつも、ソルビトールを受け付けない体質であった、という可能性もあります。

 

言えるのは、サイトで強調されているほどは心配する必要はないけども、過剰摂取は厳禁!