審美歯科

診療案内

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歯科・小児歯科
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札幌市西区西野5条3丁目7-1
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小児の治療について③

ここまで長々と小児の治療について、当院の考えを書いてまいりました。

保護者の方が選んでいただく目安になっていただけましたら、幸いです。

 

ただ、これはどの歯科医院も同じですが、最終的には保護者の方の意向を尊重する形になります。

言葉では全てをお話しするのは難しい。

 

もし、ご不安なら、お子さんをお連れになる前に院内を見学していただき、加納に実際に会って決めていただいても構いません。

その際はしっかりとお時間をご用意し、当然ながら無料で対応させていただきます。

プライバシーの関係上、他のお子さんの治療を見ていただくことはできませんが、できる限りのことを説明させていただきます。

 

近年、保険制度も変わり、かなり予防にシフトしてきました。

虫歯もないのに歯科医院に行く意味があるの?お金の無駄では?

と思われるかもしれませんが、その考え方は曲がり角に来ています。

 

虫歯になった時点で、歯は元に戻らないので、その損害金額は測り知れないものになります。

歯を抜くことになってしまえば、噛めないことで様々な疾病にもなりやすくなり、生涯を通してみると、予防にかかる費用を大きく上回る費用が必要になります。

大変かもしれませんが、年齢に関係なく、定期的に歯科医院を受診することをご提案いたします。

余談ですが、細菌について。

「働く細胞」が大人気となり、生物に興味を持っているお子さんも多くなった、とのこと。

やっぱりマンガやアニメの力は大きいですね。

 

 

ここで面白いアニメを見つけたのでご紹介します。

内容は、がん細胞の世界を表現しているようなのですが、これを細菌が共同生活をしているバイオフィルムに置き換えてみても、同じと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

登場する一つ一つの丸い生き物が、いろんな種類の細菌たちで、バイオフィルムでは動画の中にあったように、一つの社会を作っているのです。

 

なのでミュータンス菌やジンジバリス菌だけが虫歯や歯周病を起こすのではなく、雑多な菌が同居するコミュニティが歯に出来上がっているのです。

 

がん細胞の特効薬はまだないそうですが、口腔内のバイオフィルムを破壊する方法はあります。

 

歯科医院での機械を使った歯の清掃です。俗に「歯石とり」というもの。でも、歯石だけではなく、その前段階のバイオフィルムを破壊することが大事です。

 

 

「マイクロバイオームの世界」という本の中で興味深い記述がありました。

 

人体の細菌の分布を調べたところ、細菌が一番多く生息しているのは腸内細菌で、全体の29パーセントを占めるとのこと。次が口腔内細菌で26%!!3位が皮膚で21パーセント、とのこと。

 

口は人体で2番目に細菌が多く生息している場所。

 

そして細菌に対して、薬ではなく、直接攻撃ができるのも口腔のみ。

 

ぜひ、定期的に歯石取りをしに、歯科医院に行ってみてください。

小児の治療について②

続いて、具体的な治療についてお話しします。

 

治療について、自分は様々な先生の考えに接する機会がありました。

小さくても削って治す、という方針から、どんなに大きくても極力削らない、もしくは4歳になるまでは削らない、などなど。

これもそれぞれの先生で考えが異なると思います。

 

4歳になるまでは削らない、というのは、恐らくトラウマを考慮してのことと思われます。

もちろん、早い時期から歯を削ることは避けたいですが、痛みが出そうなくらいに大きな虫歯がある場合、や、虫歯になっている歯の数が多い場合、その他などで、治療が必要になる場合もあります。

2歳か3歳の段階で、虫歯になっているお子さんもおられます。珍しい、とも言い難いです。

そして乳歯に虫歯が多いと、永久歯も虫歯になりやすい、というのも事実です。

唾液の質が虫歯になりやすい、という点と、何よりも乳歯の虫歯が永久歯に移ってしまう、というのも要因として大きな部分を占めています。

 

永久歯の虫歯予防、ひいては子供の生涯にわたるお口の健康のためにも、早期からの治療が必要な場合があります。

乳歯はいずれ生え変わるから削らなくてもいい、というわけでもなく、乳歯の虫歯が永久歯に移らないために削る。広い意味で、虫歯を予防することになります。

基本的には虫歯の部分を削って詰める、ということになるかと思います。

 

ここで問題になるのが、2歳や3歳などの低年齢児の虫歯。

 

この場合、痛みがある場合などを除いて、前述のように、「歯を削る機械」を使わずに、「手で虫歯を掻き出す道具」を用いて、できる限り虫歯を取って、詰め物を詰める、を行っております。

この詰め物ですが、グラスアイオノマーと呼ばれるものを使用しております。グラスアイオノマーにはフッ素も入っているので、虫歯の進行を抑制、もしくは治癒も期待できます。

虫歯を完全に取る、のではなく、進行を止めるためにフタをする、という感じでしょうか。

他の歯へ虫歯が波及するのを防ぐうえでも効果があると思います。

 

この処置は機械を使わないので、お母さんの膝の上でさせてもらうこともあります。

また、それも難しい場合には、シーラントを虫歯の穴に詰めておく、という処置をとることもあります。

とにかく、「虫歯を何かでふたをする」というのが大事かと思います。

 

これは小学校に入った後の、乳歯の生え変わり時期にも言えるかもしれません。

あと少しで生え変わるけども虫歯になってしまった場合、そのままでは永久歯に移る可能性があるため、せめてその上にフタをするような感じで詰め物を詰めて、虫歯の波及を防ぐことも必要な場合があります。

 

 

上記のように、2歳児、3歳児でも、なんらかの治療が必要になる場合があります。

それでも、当院では痛みがある場合以外は、虫歯があっても、保護者の同意がなければ無理には治療を行わない、を基本方針としています。

「虫歯があっても」と書きましたが、あまりにも大きな虫歯の場合は、痛みが無くても、了解の上で治療を行う場合もあります。

それが無理な場合、せめて何かでフタをする、という処置を行うことをお勧めしています。

 

自分の治療の基本的な姿勢は、乳歯の虫歯は極力、治す、もしくはフタをする。逆に永久歯は極力、削らない、です。

 

お子様の心理的な要因を考慮して、大きくなるまで無理には治療をしない、というのもとても大事な選択です。

その場合、虫歯を放置することで将来、永久歯が虫歯になるリスクも高まる、ということをご理解いただきたいと思います。

 

無理に治療しない場合でも、定期的な検診をお勧めします。フッ素塗布や、虫歯の進行抑制薬の塗布、歯の清掃などを行う、など、やれることもあります。

 

大事なのは、やっぱり虫歯にならないこと、ですね。

永久歯の虫歯を防ぐには乳歯のころからの虫歯予防が大事。

それは、皆さんの思っているよりも早い段階から始まります。

 

離乳食の始まる時期や、卒乳の時期など。

卒乳時期については様々な見解があり、自分は専門家ではないので触れませんが、確実に言えるのは、授乳したまま寝てしまうことで、虫歯になってしまう、ということ。

 

生誕直後の授乳期は、母乳をエサにする細菌がいないので虫歯リスクは低いですが、離乳食が始まって様々な細菌が住み始めると、母乳をエサにして虫歯にする細菌も増え始めます。

細菌を住まなくする、ということは不可能です。むしろ赤ちゃんは様々な細菌と同居することで、腸内細菌や免疫も強化されていきます。

 

 

ちょっと話がそれましたが、小さなお子様に虫歯があった場合のお話をいたしました。

 

 

どの方法でも、最終的には保護者の方の同意がなければ、無理に行いません。

来院すると自動的に治療が始まる、ということはありません。

 

疑問に思ったこと、不安なことなどは、すぐにお聞きください。

 

続きます

小児の治療について①

昨年、西日本で歯科治療を受けた小児が、後に亡くなった、というニュースがありました。

 

とても痛ましい事件で、当時は自分も含め、周辺でも様々に意見交換いたしました。

この件について、当時、保護者の方々からもご質問をいただいてまいりました。ただ、ブログでお話しするのは控えてまいりました。

ご質問されるお母さん方は、皆さん、自分が「世間が知らない深い情報」を知っているのではないか、と思われていたのですが、自分もニュースで知る範囲以上のことは知りません。これは現在も変わりません。そして自分もそれについて語る立場も肩書もありません。

当時は(当然の面もありますが)当事者の歯科医への批判が高まる一方で、亡くなった小児の保護者に対しての批判も高まる、など、世論がかなり過熱しておりました。

そのため、不用意な発言となってしまうことを恐れました。

 

ただ、改めてネットを見てみると、歯科医の先生でも様々な方がこの件に触れており、中には個人的な意見を語っていらっしゃる方もおられました。

自分としては、当時の状況を把握しないで、物事の良否に言及することは避けたいと思います。

中には小児への治療自体が、行うべきではない、とする意見もありました。

今回は、お子さんの治療に関して、自分の方針についてお話ししようと思います。

 

ただ、昨年の事件について語るものではない、ということを念頭に入れていただきたいと思います。事件については全て、司法の判断以上のものはない、と考えております。一方で、小さなお子様が亡くなってしまった事実を忘れることはできません。

 

まず、最初は、お母さんの質問が多かった事柄について。

それは「2歳児への麻酔は妥当か、必要だったのか」という点です。

以下はあくまでも加納の私見、ということをご理解ください。

自分の経験上ですが、2歳児で麻酔を行う状況、というのは、かなり虫歯が進行し、すでに痛みが出ている状況、になるかと思います(あくまでも「当院では」ですが)。やはり2歳児への麻酔は躊躇してしまいますね。

痛みがないのであれば、経過観察をするほうが多いかもしれません。最近ではお母さんの同意を得れば、保護者の方の協力の下、手用器具で虫歯をとれるだけ取って、白い詰め物を詰めるということを行います。

ただ、痛みがあるのであれば、麻酔の使用も考慮しないといけなくなります。

 

ここから先生方によって判断が異なるのですが、当院では小さいお子様であればお母さん方に室内に入ってもらい、手を抑えてもらう、など協力をしていただきます。

また、3歳以降で体が大きく、力も強いお子様の場合、痛みがある時や、痛みが無くても治療が必要な場合などで、動きが大きく安全が確保できない事態の時はレストレイナーという抑制具を使用する可能性がある、と伝え、同意を得たうえで治療を行います。

いずれの場合も最初からレストレイナーを使用する、ということはありません。まずは使用せずにやってみて、必要に応じて使用しています。その際も、保護者の方の同意を前提としています。

レストレイナーについても、各先生のよって様々なお考えがあるようです。絶対に使用しない、という意見もあれば、安全のために必ず使用する、という意見もあります。どちらも根拠に基づいて行っていると思われます。

自分は、上記のように、治療に応じて必要であれば、保護者の同意を前提に使用する、という考えです。ただ、必ずしも文章に示したようにならないのが実際というもの。その場や保護者の方のお考えによって、対応が変わってまいります。

不安な点は、むしろお話しいただいたほうがいいと思います。希望に沿ってできるのであれば行い、できないのであればそれもお伝えしております。

お子様への心理的影響を心配して、使用を拒否される保護者の方も、もちろんおられます。その際は今後、考えられる事態を説明したうえで、できる限りのことを行います。治療についての具体的なことは後程、お話しいたします。

当院では診療の際には、お母さんの希望によって同室してもらい、お子さんの横で励ましたり治療を見てもらっております。

 

この点は各先生によって考えが異なると思います。同室をしないでお子さんだけ診療室に入る、という先生もおられると思います。

賛否の判断は、各家庭で行っていただきたいと思います。

 

其のうえで、万一、体調が悪くなってしまった場合、ですが、生体モニターでの計測、酸素ボンベによる酸素吸入、必要に応じて救急蘇生を行う、などを用意しています。

自分は開業以前より、万一の事態が起こったらどうするか、不安がありました。

まず各歯科医師会では救急蘇生についての講習会が開かれています。これは歯科医師のみだけではなく、歯科衛生士、歯科助手など職種を問わずに参加可能となっています。これまで複数回、受講してまいりました。

また、当院は平成27年に「歯科外来環境体制加算」の施設基準を満たしたのですが、その際に歯科医師会とは別組織にて「BLSヘルスプロバイダー」の資格講座を受け、資格試験に合格しました。こちらは歯科とか、医療関係とか関係なく受講できるので、皆さんも受講してみてください。

ただ、それでも常に「とっさの時」にすぐに行動できるのか、不安を持っています。

これについては常に訓練を受けていこうと思っております。

 

続きます。