審美歯科

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西支部・手稲支部 講演会に出席しました。その2

ここからは講演会の内容と少し離れて、かのう歯科での症例をご紹介いたします。

 

ある男の子の症例です。

その男の子は開業時から来院してくれていました。その当時は幼稚園の年長さんでした。

ただ、お口の状況は決して良好とはいえず。数本の歯の根の治療もおこないました。

そして小学1年生の時、ある問題が発覚。

右上の一番奥の乳歯に変な感じがある、という訴えがあったのでレントゲン写真を撮影した所、以下のような像が得られました。

 

 

 

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左側が右上の6歳臼歯。まだ骨の中で成長中で、お口のなかに頭を出していません。本来は一番奥の乳歯の隣に頭を出してくるのですが、上記の画像では、6歳臼歯の頭が、その手前の乳歯に引っかかってしまっています。

このような症例は、決して珍しくはありません。

(画像の右側の乳歯にも大きな虫歯がありますが、それは別に治療しました。)

 

 

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わかりづらいので図にしてみました。

ご覧のように、6歳臼歯が手前の乳歯に、下から食い込むように動いてしまっています。

 

 

 

 

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本来はこういう風に、一番奥の乳歯の横から生えてくるのですが、この少年のケースでは真っ直ぐ生えていません。

 

 

 

 

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真っ直ぐ生えていないために、となりの乳歯の吸収が始まってしまっています。この乳歯は通常、9~11歳、小学5,6年生までは保っていてほしい乳歯です。

しかも乳歯に引っかかってしまっているため、6歳臼歯の成長まで邪魔される状態。6歳臼歯の生えてくる「コース」の先で、乳歯がフタをしている状況です。

 

この場合、残念ながら、痛みなども出始めていたので乳歯を抜歯しました。

 

その結果ですが、

 

 

 

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このように、奥歯の乳歯が無い状態になります。でも、無くなった乳歯の下の永久歯は、小学校高学年になるまで生えてきません。

なので、通常は6歳臼歯を後ろに傾かせる矯正処置が必要になります。

で、この男の子は、抜歯直後から来院が途絶えてしまいました。

 

もし、矯正処置を行わないと、長期間、何もないスペースができることになります。するとどうなるか・・・・

 

 

 

 

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両隣の歯が、空いているスペースに移動してきてしまいます。

 

 

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するとこういう風に、両隣の歯が傾斜して、下の永久歯が生えてくるスペースが無くなってしまいます。

そうなると、永久歯は行き場を失うため、違うところから無理矢理、頭を出そうとしてきます。

 

 

 

 

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するとこういう風に、ジグザグな歯並びになってしまいます。

 

今回の男の子も、上のような歯並びになっているだろう、と心配していました。

 

 

 

そして3年ほど経過した今年、彼が久しぶりに来院!!

身長はすっかり高くなり、表情もあどけなさよりも精悍さがメインとなりつつある!すっかり成長期に入っているようす。

 

で、早速ですが、口の中を見せてもらったところ、なんと、綺麗なカーブを描いた歯並びになっている!!

 

 

 

 

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これが全体の歯並び状況。ほぼ綺麗に並び、スペースも確保されている様子。

 

 

 

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そして問題の右上の様子。

なんと6歳臼歯もその手前の永久歯も、綺麗に生えている!!!

 

自分はとても驚きました。とてもとてもとても驚きました!!

 

そしてお母さんに「矯正治療を受けたのですか?」と聞いてみたところ、「受けてないし、歯科医院自体、以前来院してから(小学1年生から)、来院していない、とのこと。

え?何もしないでなんで?!と思って深くお話を伺うと、彼はあれからスルメや、「ぽん鱈」といった珍味が好きになり、日常的によく食べていた、とのこと!

なるほど、どれも「噛むこと」が必要な食べ物です。
発達期のお子さんは、噛む刺激によって、あごの骨の発育が促されます。

彼はスルメなどを食べることでアゴの骨が成長し、永久歯のスペース不足を地力で改善したと思われます。

 

もちろん、全てがこのようになるというわけではなく、矯正の先生などの専門医の診断が必要になると思われますが、普段の食生活で顎を鍛えることで、改善できる歯並びの問題もあると思われます。

 

「食育」というと、どうしても「味覚」が重視されがちですが、実際には「噛むこと」も、とても重要なことです。

 

ここまでが「脱線」でした。

次回からは講演会のお話に戻ります。