審美歯科

診療案内

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歯科・小児歯科
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西支部・手稲支部 講演会に出席しました。その1

昨日、札幌歯科医師会西支部・手稲支部、もしくは手稲支部・西支部による大規模講演会に出席するため、午前中の診療をお休みさせていただきました。平素、ご利用いただいている皆様には大変、ご迷惑をおかけいたしました。

 

ただ、講演会の内容は、とても充実しておりました。

昨日は講師として、国立モンゴル医科大学 客員教授 岡崎好秀 先生をお招きいたしました。

岡崎先生は長年、岡山大学の小児歯科に在籍され、近年はモンゴルでも活躍されている、とのこと。

先生のお話は面白い、との評判を事前に知らされておりましたが、いったい、どのような内容になるのか、予想できませんでした。講演前に配布された資料の中にも、関西の先生の筆による岡崎先生についての紹介文が掲載されていたのですが、

「講演では動物・植物・細菌・歴史・食育・児童虐待・AKB48などが人間の歯と口の不思議を解き明かすキャストとして登場し」
「お話も、脳の話になり足の裏の話になり、ウンチの話も堪能し、タイムマシンに乗せられて時空を移動して恐竜を見たり、ロケットに乗って地球を飛び出して宇宙飛行士になったり」

という推薦文!!

これだけではどのようなお話になるのか、全く予想がつきません。

そして講演が始まったのですが、紹介文の通り、お話の内容はかなり広い範囲まで広がりました。

 

まずお話の冒頭、月刊誌「プレジデント」が過去に行った「リタイア前に行なっておけばよかった後悔トップ20」というアンケート結果についての紹介がありました。

それによると、一位はなんと「歯の定期検診」とのこと。「プレジデント」と言えば数多くある経済誌の中でも非常に知名度の高い雑誌。その雑誌の購読者となれば、会社や組織においても高い地位にあったことがある人たち、と予想されます。その方の「後悔していること」に歯科検診が挙げられるとは。

「食べる楽しみ」は「一生もの」です。現役時代に名を為し、財を築くことができたとしても、引退後の歯の健康常態によっては、その後の豊かな引退生活の楽しみ方に大きな影響が出てしまいます。また、これは講演の中でも言及されていたことですが、「よく噛むこと」によって胃腸での消化・吸収が促進され、全身の健康も良好となることができます。

人生には年代のよってそれぞれの楽しみがあると思います。お仕事も無くなった後の時間を実りあるものにするためにも、若いころからの歯の定期検診をお勧めします。

 

 

・・・・・と、これではいきなりお話が終わってしまう流れですが、講演では、まさにこれが出発点となり、幼少期からの口腔について語られることとなりました。

お話しではまず、子どもの「噛み方」についての説明が展開されていました。

数年前に放送された、明治時代(?)をテーマにしたNHKの朝の連続ドラマの食事風景と、サザエさんの食卓風景を比較して、(NHKの方には申し訳ないですが)NHKの朝ドラの明治時代の食事シーンは間違っていて、サザエさんは正しい、と説明されました。

え?どこが違うの?と思っていたところ、NHKの朝ドラの食卓には、おかずやご飯と一緒に湯呑茶碗が並んでいるけど、サザエさんの食卓にはおかずとご飯茶碗だけで、湯呑茶碗は並んでいない、とのこと。

実は戦前まで、日本では食事中、おかずやご飯を食べる合間にお水を飲む、もしくはお茶を飲む、という習慣は無かったそうです。食事のあと、口の中を綺麗にするために食後のお茶を飲む、というのが普通だった、とのこと。

実際、サザエさんの中では、湯飲み茶わんが並んだ円卓を囲んで、一家全員が話し合う場面がありますね。

で、この「食べる合間に水を飲む」という行為は欧米のものらしく、確かにファーストフードのセットなどを頼むとハンバーガーとジュースが一緒に出てきます。

これが戦後の日本人の食事習慣を変えてしまった、とのこと。つまり「合間に水を飲む」ことによって、よく噛まない状態で口の中の食べものを、胃の中に流し込む、という具合に変わってしまった、とのこと。

戦前の食卓のように、食べる合間に水を飲むことができなければ、口に入れたものをよく噛まないと飲み込むことができません。食習慣の欧米化によって、「内臓脂肪」や糖尿病の増加など、日本人の健康状態も大きく変化してきていますが、食べ物が欧米化したのもありますが、それ以上に、「食事の仕方」自体が欧米化している可能性があります。

そしてこの実態が、現在の小学生に大きな影響を及ぼし始めている実態が紹介されていました。

講演ではある県の給食の画像が映し出されていました。

その画像には、「おかゆ」もしくは「おじや」のようなものと柔らかそうなパン、牛乳があります。
見るからに噛まなくてもよさそうなものばかり。「おかゆ」もメニューには「リゾット」と書かれているそうです。

自分には訪問診療の経験が多少、あるのですが、正直、パッと見は介護や福祉施設で給される食事、もしくは入院中の療養食とあまり変わりません。

これでは顎の発育の重要な時期に、必要な刺激を受けることができません。

また、噛む回数が少ないことで、唾液の分泌も少なくなります。

唾液は「免疫システム」において、非常に重要な役割を果たします。これについては後述しますが、唾液が多く出る人ほど、むし歯になりにくく、また全身の健康も良好になる場合が多くなります。

しかし近年の欧米化が進んだ給食では、噛むこと、唾液を出すこと、を鍛えることができません。

先生はこれについて「水洗式咀嚼」と命名されておられました。その説明のイラストは、水洗トイレそのもの。噛まずとも流れてしまう、ということは、まさにそれに当てはまります。

 

一方、高知県の給食も映し出されていましたが、こちらは魚が一匹、細かく切り分けられていることなくお皿に並んでおり、また添えられた野菜も適度な長さと太さのあるスティック状。よく噛まないと飲み込むことができない工夫がされています。お米も調度よい硬さを感じさせ、汁もののお椀の中には具がたくさんあって飲み込むにはよく噛む必要があります。総じて「噛むこと」にも配慮されたメニューとなっていました。

 

この「噛むこと」と「顎の発育」について、自分は今年、とても考えさせられるケースに遭遇しました。

ここで回り道になるのですが、ご紹介します。

 

 

・・・・・・・と思ったら、長くなってしまったので、次に続きます。