審美歯科

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西支部・手稲支部 講演会に出席しました。その3

少し間が空いてしまいました。申し訳ありません。

講演会では前回までのような事の他、非常に多くのことが取り上げられていました。

あまりにも多いため、ここではすべてをお話しすることはできませんので、もう一つ、とても印象的だったお話をご紹介いたします。

 

講演会中、スライドに枯草菌(納豆菌としても利用される)のが加えられている液体の入った試験管が映し出されました。

試験管の中の液体は、枯草菌により白く濁っています。

次に、その枯草菌によって白く濁った試験管に唾液を入れてみた結果がうつしだされていましたが、なんと透明になっている!

唾液には、人体の他の免疫システムには無い、殺菌に関する多様な成分が含まれています。特にリゾチームは多くの菌を無効化する性質を持っています。

もし、何かの菌を肺の中に直接、入れてみると、感染症をおこす可能性がある、とのこと。
口腔は外部からの侵入者と、常に接触する場所。

そのため、免疫システムも、人体の他のどの場所よりも厳重になっています。

「噛むこと」は、単に食べやすくなるだけでなく、噛むことで唾液の分泌を促すことで食品に付着している細菌などを「殺菌」する効果もあります。

また「噛むこと」に関して、明快な例が紹介されていました。

2つの干し肉(のような食品)があり、一つは何もしないで「酸」に浸し、もう一つは2,3回だけ噛んで「酸」に浸してあります。

すると、何もしないで酸に浸した干し肉に比べ、2,3回だけでも噛んで酸に浸したもの方が見るからに溶けていました。2つの違いはあまりにも明確で、酸に浸しただけの干し肉は一回りサイズが小さくなった程度、という感じでしたが、噛んだ方はボロボロの状態。グルメ番組などで、ステーキ肉を柔らかくするためにトゲトゲのついたハンマーのようなもので叩く、という様子が放送されることがありますね。これによりステーキがとてもやわらかくなります。「噛む行為」は、そのハンマーよりも柔らかくすることができます。

よく噛むことで、胃での吸収が援けられることが一目瞭然でした。

上記の二つが合わさることで、つまりよく噛むことで唾液の分泌が促され、また消化しやすいように形が変わることで、細菌感染を防ぐ効果もあります。

この点でも講演会では詳細に説明されていました。

胃は非常に強い胃酸があります。この胃酸の海では、大抵の細菌は死滅してしまいます。

しかし、一度に大量の細菌が侵入すると胃酸の処理能力を超えてしまい、胃の先にある大腸・小腸への侵入を許してしまい、感染症を発症してしまうことになります。

「よく噛むこと」によって、細菌の付着した食物に唾液を触れさせて消毒し、また、噛むことで細かくなった食物を、適度な量で飲み込むことで、食中毒を防ぐこともできるのです。

 

これに関して、面白い例が挙げられていました。

食中毒の時期にある県を訪れたとき、「ウチの県は 噛む噛む運動 をやっているので食中毒は起きません」と言われたことがあるそうです。

その方は戦時中、南方で軍医をさえており、その経験からの発言、とのこと。

戦時中、南方への物資の補給も滞りがちになり、また届いたとしても食品が腐っていた、ということも珍しくなかったそうで、それらのわずかで状態の悪い食品で、どうやって兵士が食中毒を起こさないようにするべきか、考え続けていたそうです。

その中で、よく噛むこと、は重要であったようです。

 

今年は食中毒の季節は過ぎつつありますが、ぜひ、これからは「よく噛む」ことを重視してみて下さい。

 

 

 

また、もう一つ、講演会で力が入っていた話題があります。

コンビニなどで販売されている「スポーツ飲料」です。

今や世間一般に「体に良いこと」という認識が定着してしまった、このスポーツ飲料について、講演ではかなり懐疑的な見解が示されていました。

最近のスポーツ飲料に関するテレビのCMなどでは、スポーツ後の水分補給にとどまらず、夏の熱中症予防やお風呂上りの水分摂取、そしてなんと「冬は乾燥するから」という理由でスポーツ飲料を勧める内容になってきています。

スポーツ飲料は、むし歯を誘発する成分がふんだんに含まれているため、歯科から見ると「ジュース」と変わりありません。

それのみならず、スポーツ飲料には糖分なども豊富なため、飲みすぎると糖尿病のリスクが高まります。

この件に関して、昨年、お招きした愛媛県の糖尿病専門医の西田先生も言及されておられました。

あるお年寄りが、「熱中症予防に」と夏の間にスポーツ飲料を飲み過ぎてしまい糖尿病になってしまった、とのこと。これを西田先生は「ひと夏の体験」と、命名されておられましたが、スポーツ飲料に対する過剰なイメージによって、それまで糖尿病にはなりづらかった方々まで、健康被害が懸念されるようになってきました。

また、スライドにて、水とスポーツ飲料の、体内への吸収率に関するグラフが提示されていましたが、スポーツ飲料は水に比べて吸収率がとても低く、水分補給の観点からも疑問視されていました。

 

自分もスポーツ飲料にはあまり良い印象がありません。

幼稚園、小学校と、歯科医院に来院し、親子で歯みがきを頑張ってくれていたお子さんが、中学校の入学と同時に非常に悪化してしまうケースが、よく見られます。

これは、中学時代からお菓子などの間食の機会が増えることもありますが、部活を始めるのと同時に、スポーツ飲料を飲むことが日常的な習慣になってしまうため。

部活の先生や部員などに進められて飲み始め、飲んだ後、そのまま練習をする、という時間ができてしまいます。

すると、それまで綺麗だったお口の中が、むし歯だらけになってしまいます。

講演会でもスライドで紹介されていましたが、実は中学校入学後に虫歯の数が増える、という調査もあるそうです。
永久歯は頭を出した時は、まだまだ未成熟なため、唾液の中のカルシウムを吸収して成熟する必要があります。中学時代の永久歯は未成熟な段階。この時期に未成熟な永久歯がスポーツ飲料に常にさらされることになり、唾液からミネラルを吸収するどころか、むしろ成長中の永久歯からミネラルが溶け出してしまうことになります。すると、むし歯が発生するのはもちろんですが、成熟を完結できないことで、生涯を通して、むし歯になりやすい歯になってしまう可能性があります。

中学生のお子さんをお持ちの保護者の方に十分、ご留意願いたいのと同時に、部活の顧問の先生にも、このことは心に留め置いてほしいと思います。

お子さんは、どうしても練習を優先してしまうため、大人の冷静な判断と説得が重要になります。

 

 

 

 

なんだか様々な内容になってしまいましたが、講演ではもっと広い分野のお話が、面白く語られていたため、時間が短く感じられました。

今度、機会がありましたら、本州で行われている先生の講演に出席してみたいと思います。