審美歯科

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離乳食開始とお口の健康

更新が滞ってしまい、申し訳ございません。

何にも更新しないのもアレなんで、ここで歯科のお話を。

当院では4月から、歯科衛生指導をもっと詳しくお話しするべく、歯科衛生士向けの参考書(というほど大げさなものでもないけども)を作成しております。

今回は、その中から、0歳~1歳6か月のお子さんに関するお話をさせていただきます。

 

自分は数年前より、1歳6か月健診を担当させていただいております。

その際、よく目にする機会の多い症例は、上の前歯の間の虫歯。

上の前歯の歯と歯の間が黒くなっているんですよね。

これを「哺乳瓶う蝕」(「う蝕」はむし歯のことを言います)と言って、哺乳瓶による授乳の際に、ミルクが上の前歯の辺りに溜まりやすいため虫歯になりやすい、というもの(あの時の衛生士さん、ありがとうございます!)。

3歳までにこの部位がう蝕になってしまうケースが多いそうですが、その大半は乳幼児の時期に発生するとのこと。

なぜ「哺乳瓶う蝕」というのか、についてお話ししますと、「ムシバ菌」として一般的になった「ミュータンス菌」ですが、このミュータンス菌は糖を分解して虫歯を誘発する諸々のことを行いますが、母乳に含まれる糖分を分解することができないため、ミュータンス菌は母乳の中の糖分ではむし歯を生じさせることができません。

一方、哺乳瓶による授乳では、人工であるためどうしてもミュータンス菌が分解できる糖分が入ってしまいます。そのため、母乳による授乳では上の前歯に虫歯ができず、哺乳瓶による授乳ではむし歯できてしまう、という次第。

 

・・・・・・だったんですが!!

 

近年、この考えが変わりつつあり、母乳でも上の前歯の間に虫歯ができてしまう、という指導になっています。札幌市の歯科衛生士さんも「授乳したまま寝かせると虫歯になりやすい」旨を指導されておられます。

え?母乳の成分では虫歯にならないんじゃないの?

と、常々思っていたのですが、最近、目にした昨年発刊された参考書に答えが載っておりました。

 

確かに母乳の成分ではミュータンス菌はむし歯を形成することはできません。

そのため母乳による授乳の場合、歯が生えても虫歯になりづらいのは確かです。ただ、それでもミュータンス菌は赤ちゃんのお口の中で生息していて、乳歯が生えると同時に歯に住みつきます。

でも、母乳による栄養摂取では虫歯にはなりづらい状況が続きます。

 

問題は授乳期が終わり、離乳食が始まる時期。

この離乳食にはミュータンスでも分解可能な糖分が入っております。

そして歯に定着しているミュータンス菌は、この糖分を分解して不溶性のグルカン(水飴のようなバリア)を産生し、乳歯の表面にバイオフィルムを形成します。

このバイオフィルムは他の細菌にとっても、免疫などから守ってもらえる住みやすい場所のため、ミュータンス菌が作り出したバイオフィルム内には様々な細菌たちが住みつき、数を増やします。

 

で、ですね、多くのお子さんでは、離乳食の時期と授乳の時期が重なっている時期があると思うのです。ある日突然、授乳をばったりやめた、という事の方が少ないのでは?

また、授乳をしないと寝ることができない、というお子さんも多いと思われます。
問題はこの重なっている時期でして、ミュータンス菌は母乳の糖分を分解できないのですが、バイオフィルムの中に同居している他の細菌は、母乳の糖分を分解できてしまうのです!

そうなると、「哺乳瓶う蝕」の発生部位である上の前歯に、同じ理由でむし歯ができてしまう。

 

上記のような理由から、「哺乳瓶う蝕」は死語になりつつある、とのこと。(国家試験のときに一生懸命覚えたのに)

 

以上から、離乳食の開始時期の虫歯予防も重要と考えます。

 

 

・・・・まあ、上記のことは、あくまでも衛生士向けの知識なので、患者さんにお話しする際はもっとわかりやすい内容になります。

 

以上が現在取り組んでいる内容でした。