



審美歯科
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腸内細菌について学んできました。その4
- Date / 11月 5th, 2017
- Category / クリニック情報
長く中断してしまい、申し訳ありません。カルテのシステムも変わったのですが、まだ混乱してます。頭が!(苦笑)
さて、10月27日に東京で開催された「腸内フローラシンポジウム」に関するご報告ですが、最初の1講目までお話ししました。
実はまだ6つも講演があったのです!
なのでまだ続いてしまいます。
2講目ですが、なんと外国の研究者の方。おそらく会場に集まった方々にとっては不通の事なんでしょうけども、自分は外国の方が発表する場に居合わせたことが無いため、新鮮な驚きでした。
ちなみに今回の講演では、口話は日本人の方は日本語、外国の方は外国語(英語、だと思うけど・・・)で行われましたが、スクリーンに映し出される画像は、なんと全て英語!これビビリましたよ。日本語なんて出てこないんだもの。
もう、一生懸命、過去に勉強した英語知識を思い出し、また演者のお話に耳を集中させました。せっかく東京まで出て行きながら、収穫ゼロ、なんて許されないし。
で、二講目の方はアメリカの方なので、口話も当然、英語。ただ、事前に同時通訳の翻訳機(?)が配られていたので、日本語で聞くことができます。
「同時通訳の翻訳機」なんて言いましたが、正式名称はなんていうんでしょうか?
自分は初めて使ったのですが、勝手がわからず周囲をキョロキョロしましたよ。皆さん、慣れた様子で装着してるし。翻訳機なんて、ニュースで何かの国際会議が開かれた時の模様を見たことあるだけ、です。それもすぐにチャンネルを変えて日本ハムのナイターに変えちゃうのですが。国際会議よりも中田の打席の方が優先です。
まあ、そんなことはさて置き、次の講演の方はニューヨーク大学医学研究科のMartin Blase博士、とのこと。
ここで座長の先生が「まさかこの場で博士にお会いできるとは思っていなかった」と発言。なんでもこの界隈では世界的な「大物」の方なんだそうです。おいおい、聞いてないよ!
肩書に弱い私、加納。業界の人間でもないのに萎縮してしまいます。
小学生の頃、同級生が札幌に旅行した際に「お店に入ったら隣の席に高橋名人がいた!」と自慢していたのを思い出しました。あのとき、自分が受けた衝撃と同じくらいの衝撃!…今思えば、あの友人の発言もウソの可能性が高いのですが。
早速、講演が始まったのですが、博士は冒頭で「消えつつある腸内細菌」というフレーズを紹介。そしてそれと同時に感染症が増えている、とのこと。
ちょうど、トランプ大統領が来日しますが、そのアメリカをはじめ、全世界では今、若年性糖尿病、喘息、肥満が増加している、と発言。
スクリーンにはアメリカの地図が映し出されます。その地図は州ごとに色分けされている。
一見、カラフルなアメリカの地図ですが、今から約30年前、1989年のアメリカにおける肥満の人の分布図でした。色分けの意味ですが、色が濃い州ほど肥満の人が多く、薄いほど少ない、ということを表わしています。
1989年のアメリカを見ると、たしかに色の濃い州が多いですが、全体としては薄い色の州の方が多く分布しているのがわかります。
次に映し出されたのは2014年のアメリカの、同じ分布図。
なんと地図の半分以上の色が濃くなり、(加納の目測で)3分の2の州で肥満が増加!
たった30年くらいでこんなに増加しているのか!アメリカの食事の内容や量を知ってはいましたが、驚きです。
その濃い色の分布ですが、テキサス州を中心に、特にアメリカの南東部に集中していました。東海岸はかなり肥満が多いらしい。逆に西北の方は色が薄い州が集まっています。
この分布図の衝撃が消える間もなく、次のスライドが!
これもアメリカ全土の色分け地図で、色こそ変えてあるけども、濃い部分が南東部に集中し、薄い部分が北西部にあつまっているのは変わらず。
この分布図は、抗生物質が処方される地域を色分けしたもの、という説明がなされました。色が濃いほど抗生物質が処方される機会がおおいことを示しています。
つまりテキサス州を中心に、アメリカ南東部では頻繁に抗生物質が投与されている、と。
そして抗生物質が頻繁に処方されている地域と、肥満の人が分布している地域が、一致するのです!!
博士の衝撃の発表は続き、アメリカでは子供のころから肥満が始まっている、とのこと。
ただしこれはアメリカに限らず、先進国では5歳未満の肥満が増加し、また途上国でも肥満が増加している、とのこと。
そしてなんと、OECD諸国の中では、日本が最も肥満が少ない、という統計データが!
博士は「むしろ我々が日本に学ばなくてはならない」と、冗談交じりにお話ししていました。
では、なんで肥満が増えているのか?抗生物質との関係はなんなのか?
全ては腸内細菌に答えがありました。
次回に続く!