審美歯科

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腸内細菌について学んできました。その9

今回も思わず長期になってしまいましたが、これで本当に最後。

最終回は、今の日本人の食に警鐘を鳴らす内容となります。

 

最後に取り上げる演目は「アジア人の食と健康のインターフェースとしての腸内フローラに向けて」。

 

研究チームは、日本、中国、台湾、タイ、インドネシア、フィリピンなどアジアの10か国において、アジア人の腸内フローラをしらネタ、とのこと。(「しらネタ」は「調べた」の入力ミスですが、なんだか笑っちゃうのでそのまま掲載)

 

以下、かなり大雑把な言い方になってしまうことをお許しください。

 

その調査結果ですが、日本などの東アジア、極東地域の小学生児童の腸内細菌ではビフィズス菌やバクテロイデス菌が多い、とのこと。一方、東南アジアの地域では「プレボテラ菌」が多い結果になった、とのこと。

このプレボテラ菌ですが、植物繊維を分解する酵素を持っています。

 

で、ですね、ビフィズス菌やバクテロイデス菌が多いと、脂質の代謝が盛んなんだそうです。つまり食事に脂質が多い。

 

え?なんで同じアジアでも、腸内フローラが異なるの?それに日本って、脂質が少ないんじゃないの?と、疑問に思ったところ、その違いは主食である「お米」にある、とのこと。

タイなどの東南アジアで食されているのは「インディカ米」、日本や中国、朝鮮半島などで食されているのは「ジャポニカ米」。

この二種類のお米の違いは、近年、糖尿病への影響もあって注目されています。

で、ですね、実はこの点、講演を聞いててなかなか分かりにくかったので、調べてみたのですが、ジャポニカ米の方がインディカ米よりも脂質が多いそうです。

 

また、日本人の腸内細菌は世界的にも特徴的だそうで、まず腸内細菌の種類が少ないそうです。調査した各国の中でもダントツに少ない、とのこと。また、日本人の腸内フローラではビフィズス菌が多い、とのこと。そして有害な菌とされる大腸菌が少ないそうです。

つまり日本人の腸内フローラは、世界でも珍しく健康的なんだそうです。

「その2」でもお話ししましたが、腸内細菌は先代から受け継がれていくもの。日本人の腸内細菌が特徴的、ということは、日本人が長い期間、その健康的な腸内細菌を代々受け継いできたから、と言えます。「日本食」の性格がわかりますね。

 

こうして古来より、ジャポニカ米を食べていたから、日本人の腸内フローラはビフィズス菌が優勢、と合点がいきそうですが、近年ではそれとは別に、ビフィズス菌やバクテロイデス菌が増加している、とのこと。

先ほど、お話ししたように、ビフィズス菌やバクテロイデス菌が多い、ということは、脂質の代謝が盛ん、ということですが、近年、食の西洋化に伴い、日本人の腸内フローラにも変化が表れている、とのこと。

 

ある例が提示されていました。

長年、アフリカに住んでいたアフリカ人たちが、アメリカに移住したところ、大腸がんが増えた、とのこと。これはアメリカの食に適応できるように腸内フローラが変化したため。

そして近年、日本でも「大腸がん」が増加しています。

つまり、食の西洋化によって、日本人の腸内フローラが変化しつつあるのです!

 

ここで追い打ちをかけるような、衝撃的な例が出されました。

実験マウスを2つわけ、片方のマウスには日本で1975年当時に食卓に並んでいた料理を食べさせ、もう一方のマウスには2005年当時の日本の食卓に並んでいた料理を食べさせたそうです。

すると、1975年の日本の家庭料理を食べたマウスは長生きしたのに対し、2005年の日本の家庭料理を食べたマウスは早死してしまった、とのこと。

 

もちろん、マウスと人間では、同じ結果になる、とは言えません。

 

 

昨年、歯科医師会で招請した岡崎先生の講演では、現在の日本の家庭料理が「噛むこと」を軽視していることを問題視されていましたが、腸内フローラの観点でも、問題が現れているようです。

 

これは質問時間でのお話しですが、日本では小学校卒業と同時に、腸内フローラが変化してしまう、とのこと。

これは小学校の給食によって、腸内細菌が良くコントロールされているからではないか、と指摘され、給食の献立を考案している栄養士さんや担当の方を称賛していました。

確かに、今、アメリカでは小学校の給食の栄養バランスの悪さやファーストフード化が日本でも知られてきていますね。

 

我々は、もっと日本の小学校の給食について、見直さなくてはならないかもしれない。

 

給食に関しても、岡崎先生は「噛む」という点で、問題視しておられました。

 

 

現在、教育の無償化など、子育て分野に関して政治の関心があつまっていますが、日本古来の「噛む事」や「腸内細菌」を子供や後世に受け継ぎ、食の欧米化にともなう健康被害から子供たちを守るためにも、小学校の給食も、重視されるべきかもしれません。

 

 

子供達の腸内細菌を健全に育成するために、自分も歯科医の立場からできることをやってみよう、と思いました。

 

 

 

本当は講演はもっと続いていたのですが、スケジュールの関係でここで退席いたしました。

 

全くの異分野ではありますが、とても勉強になりましたし、自分の歯科医としての今後の指針についても、有意義なものとなりました。これからも機会があれば、様々な異分野の講演会やシンポジウムに参加してみようと思います。

 

今回のご報告は、以上です。

 

 

 

 

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