審美歯科

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歯科・小児歯科
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「大人のための健康講座」のお手伝いをしてまいりました。

10月5日、西区の西保健センターで行われた「大人のための健康講座」のお手伝いをしてまいりました。

 

西保健センターで行われる「大人のための健康講座」は、毎年、初秋のこの時期に行われております。

自分がお手伝いさせていただくのは今年で4回目となります。

 

今年は「健康で楽しく生活できるための歯科医っぽくない歯科医の話」と題して開催されました。

会場は50席ほど用意されており、毎年、ほぼ満員の状態になるのですが、今年は西区保健福祉健康・子ども課への問い合わせが非常に多く、9月中には予約が一杯となり、受付を打ち切った、とのこと。

西区の皆さんの、お口の健康に対する関心の高さを感じました。

 

講座はまず、札幌歯科医師会西支部・支部長先生による講演で始まりました。

この講演の始まりですが、いきなり「琴似の名前の由来」から始まり、そこから謎解き形式でお話が進み、「十二軒」という、謎の地名に行き着きました。「ブラタモリ」を見ているような感覚。同じくお手伝いに来ていた他の先生からも「そうだったんだねえ。知ってた?」と声をかけられたので、「知りませんでした」とお答えしました。このやり取りは自分と先生だけではなく、会場のあちこちで「へー」「ふーん」という声が上がっていました。
今回の講座は壮年期の方々が対象であったためか、知的好奇心も高く、興味深く聞いておられるご様子。

そして好奇心が開かれたところで、本編のお話が始まりました。
まず動画として流されたのは、ある歩行困難のご高齢の方。杖を使わないと歩けない様子が映っていました。

それが簡単なトレーニングをしただけで、10分後には杖無しで歩けるように!!

これは2年ほど前から西支部で力を入れて取り組んでいる、「ひろのば体操」の実際の成果の御紹介でした。

「ひろのば体操」は、数年前から福岡の「みらいクリニック」を発祥として全国に広まっている、足指を伸ばす運動のこと。NHKなどの全国ニュースでも取り上げられているため、ご存知の方も多いと思われます。

西支部では2年前から「ひろのば体操」に注目し、支部長先生が主導する形で2年前には「みらいクリニック」のフットケアセンター長をされていて「ひろのば体操」の中心となっている湯浅慶朗先生を、昨年は「みらいクリニック」の院長をされている今井一彰先生をお招きし、歩き方と口呼吸の改善に努めてまいりました。

出席された方は壮年期の方が多かったため、皆さん、まだまだ自分の足で歩いておられましたが、自身の将来の心配や、ご家族にご高齢の方が多いこともあり、熱心に聞いておられました。
また、ご高齢の方の死亡原因で3位にある「肺炎」についても言及されていました。

「肺炎」の予防、と聞くと、「温かくすること」を思い浮かべがちですが、ご高齢の方の肺炎は「誤嚥性肺炎」と呼ばれるものが主で、これは食べ物などを飲み込んだ際に誤って食道ではなく気管に入ってしまうために起こる肺炎で、その時にお口の中に歯周病菌が多いと、それが肺炎を惹起してしまいます。

以前、岡崎先生の講演のお話をしましたが、その際、納豆菌を肺に直接入れると炎症が起こる、と書きましたが、口腔と肺では免疫が異なり、口腔の方が厳重な免疫網となっているため、お口では悪さを起こせない「悪玉菌」が、肺では悪さをしてしまう、ということが起こります。

そのため誤嚥性肺炎を防ぐには、「よく噛んで唾液に触れさせること」「正しく飲み込むこと」「口の中の悪玉菌を少なくすること」などが重要となります。

 
そしてお話は全身へ。歯周病と糖尿病、心疾患との関連について、ここ数年で重要性が指摘されています。

 

近年、「予防」が重視されていますが、歯科医院での定期的な汚れ取り、歯石取りは、安価な予防法と思います。

 

さて、講演の後は5~6人のグループに分かれて、「唾液量」「緩衝能」「虫歯菌の数の測定」「噛む力の測定」等々の簡易な検査を行いました。

唾液の質や量なども、お口の健康には重要であると、お分かりいただけたと思います。

ただ歯を磨けばいい、というわけでもなく、食べ方、噛み方、噛む回数など、様々なことが口腔だけではなく全身の健康につながります。

また、血糖値の簡易な測定も行われました。

自分も測ってみたのですが・・・・・・。衛生士さんに何度も質問する立場になっていました(苦笑)。

また言語聴覚士の遠藤先生による、飲み込み方の実際の指導も行われ、「実践」が重視された内容となっていました。

 

 

 

そして盛況のうちに終了しました。

 

 

今回、今までと異なったのは、比較的若い世代の方(40代~50代)の方も受講されていたことです。
60代以上の方が多かったと思われますが、お話の内容は、若いうちから取り組むべきことばかりです。

歩き方にしろ、噛み方、口呼吸の重要さなどは、早いうちから取り組むべきこと、と言えるかもしれません。

また、40代~50代の方々は、ご両親やご家族の介護をされている方も多いと思われますし、今はご両親が壮健でも、将来の介護についての不安を持ち始めるのもこの年代かと思われます。

今回の講演の内容は、80代の方の歩き方が改善されたり、「あいうべ体操」によって口呼吸を防止したり、歯周予防で糖尿病などの予防に効果がある等、本人だけではなく周囲の方の負担を軽減するのに役立つ内容となっております。

 

壮年期の方々とそのお子さんなど、親子で受講されることで、将来のご家族の介護の在り方について考えていただく機会にもなっていただける内容となっておりました。

 

講演の内容はとても入り込みやすい内容でした。今後もぜひ、お気軽にご参加ください。