審美歯科

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歯科・小児歯科
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札幌市西区西野5条3丁目7-1
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休診のお知らせ

平素ご利用いただき、ありがとうございます。

 

誠に申し訳ございませんが、9月17日(日)は、急遽、休診とさせていただきます。

 

実は東京で開催される「あいうべ体操」のセミナーに参加させていただくことになりました。

 

このセミナーは、当初は予定になかったのですが、決定いたしました。

 

先日、加納は東京で開催された日本病巣疾患研究会の学術大会に出席し、そこで上咽頭を中心に、口呼吸の悪影響を痛感し、当院も今後、お子さんの口呼吸を失くすことに力を入れていこう、と考えていたところであります。

 

前回の成果を踏まえ、今回で形にするべく、勉強してまいります。

 

得たことは必ず皆様に還元いたしますので、ご理解いただけましたら幸いに思います。

日本病巣疾患研究会の学術大会に出席しました。その5

なんだか長くなってしまった今回の御報告。

本当は一回で終わる予定だったのに、書いているうちに色々と思い出し、あれも言いたい、となってしまいました。

 

今回は9月2日、3日と二日間に渡ったのですが、最終日の3日午後は、マイコプラズマ感染症に関する講演や、上咽頭炎と後鼻漏、耳の症状に関する講演が続いたのですが、なんと加納がホテルに忘れ物をしてしまったために中座する、という失態を犯してしまいまして。午後の一部分を聞くことができませんでした。

一時間の中座後からお話を聞いたのですが、ちょうど、仙台赤十字病院のお医者さんによる「脳リンパ管」に関する発表のところでした。

発表では、これまで長い間、脳にはリンパ管が存在しない、と言われてきたが、実は存在することが示唆された、とのこと。

しばらく脳に関する専門的な話が続き、やがて上咽頭との関連が明かされました。

プログラムの一部を抜粋させていただくと、「鼻咽頭関連リンパ組織に生ずる慢性上咽頭炎は組織の浮腫・易出血性を特徴とし、上咽頭の微小循環系すなわちリンパ管系の機能異常が示唆されるが、そのリンパ液も深頸部リンパ節へと流入している。すなわち、深頸部リンパ節は、中枢神経系と上咽頭に端を発するリンパ経路の合流地点となる」

平たく言えば、鼻の奥、口の奥にある上咽頭は、リンパ節が密集している場所ですが、ここのリンパ液は深頸部リンパ節という、首の上から下あごの後ろにかけて広がる「頸部リンパ節」の内の、内側にあるリンパ節に流れ込んでいる。

で、講演では脳にもリンパ管があり、頸部に流れている。

つまり上咽頭のリンパ液と脳や中枢神経系のリンパ液は交流している。そのため上咽頭での症状は、脳にも影響を及ぼす。(違っていたら、訂正いたします)

そして、上咽頭の炎症によって鬱症状などの心の問題も引き起こす可能性がある、と。

 

この講演を聞き、「上咽頭」の重要さをさらに実感することになりました。

 

他にもさまざまな発表があり、個人的には発見が多い大会となりました。

 

参加者の方々とお話ししたところ、本州ではすでに、歯科、耳鼻科、内科、胃腸科などが連携をしている、とのこと。

この点で、北海道は遅れをとっているかもしれません。

 

今後、口だけではなく、口を起点として周辺も見ていく必要がある、と実感いたしました。

 

 

以上、報告をおわります。

日本病巣疾患研究会の学術大会に出席しました。その4

長々と続いていて申し訳ありません。

というのも、内容の濃い講演が続いていたため。

2日目の講演ですが、その後、「口腔内Candida菌における次亜塩素水の有効性」と題した講演もありました。

カンジダ菌は口腔内に存在する真菌。

免疫が落ちたときなどに、口の中の粘膜に乳白色の膜のような状態を呈し、その他の全身症状も引き起こします。

このカンジダ菌への対処はなかなかやっかいで、真菌用の薬剤を使用する必要があります。入れ歯で数を増やしているのではないか、と指摘されています。

講演では次亜塩素水を中心とした溶液を使用して、カンジダ菌に対した勝利が発表されていました。

近年、歯科の診療台内部の水が問題視されていますが、この次亜塩素水を使用した溶液を治療に使用することで、滅菌・殺菌性能が向上することが示唆されています。

 

続いて医科の先生方による「Bスポット」に関係する症例が発表されていました。

「Bスポット」とは、上咽頭の別名である「鼻咽腔(びいんくう)」の「B」に由来して名づけられた人体の名称で、まさに今回の学術大会の主舞台である「上咽頭」のこと。

上咽頭は口、鼻、耳、気道、食道、脊髄、脳、下垂体が直接交通、もしくは非常に近接する、非常に重要な場所です。

JR線、地下鉄、主要道路が集まり、空港までのアクセス、路線バス、市内バス、タクシーなどの交通手段の起点となる札幌駅のようなもの。仮に札幌駅が突然、一晩で無くなってしまうと、札幌市内はもちろん、北海道全体の機能がマヒしてしまいますが、上咽頭は、外界からの玄関と、内部への入り口が結節する人体の要所です。

そしてここには、免疫の組織であるリンパ節は密集しています。風邪などの感染症にかかったとき、食事や水を飲むと喉が痛んだり、息がしずらくなるのは、上咽頭や口などのリンパ節が腫れるためです。

上咽頭炎についての詳しい説明はここではおいておきますが、医科の先生方によるBスポット治療の実際と効果についての講演は、非常に興味深く、歯科の自分としては初めて知ることばかりでした。

 

そして2日目午前の部の最後は、大阪大学の天野教授による

「鼻も喉も大切だが、口だって大切」

と題した講演。

天野先生の講演では、いくつか重要なことが指摘されていました。

まず、「バイオフィルム」について。

当ブログでもバイオフィルムについては何度かお話ししてきましたが、これに関する詳しい内容が語られていました。

また歯周病菌である「ポルフィロモナス・ジンジバリス菌」は、鉄が無いと生活できない。歯ぐきが腫れて、出血がおこると、血液の中の鉄分をエサにして歯周病菌が増えてしまう!

だから、歯ぐきから血が出たらすぐに歯科医院にいくべき!と提言されていました。

また、マウスウォッシュの効果は2~3時間ほどの一時的なもので、それ以降、時間が経つと元の数に戻ってしまう、とのこと。

最近、「マウスウォッシュを何本も使用してみた」というユーチューバーの方がおられましたが、何本使用しても最近はやがて増えてしまうし、味覚障害なども起こるかもしれないので、真似してはいけません。

個人的には、ああいう「バカなことに挑戦する」という精神が、嫌いではないんですけどね。

 

また、興味深かったのは、一度で来た個人の細菌の組成は、なかなか変わらない、という点。これはどうやって説明すべきか。先生によると「プロバイオティクス」も、まだまだ研究中の分野、とのこと。

ただ、数を少なくすると症状を失くすことができる、ということで、歯磨きや歯科での専門的な歯の洗浄が有効な事には変わりありません。

 

天野先生の講演は、とても面白く、飽きることがありませんでした。難しい話なのに笑いにあふれ、柔らかい物言いのため、堅苦しさを感じさせませんでした。NHKの「生活笑百科」って番組がありますよね。あれを見ているようですよ、ほんと。

 

しかし会場で友人とも話していたのですが、天野先生と言い、西日本の先生方は、話が面白いですね。やっぱり文化なんでしょうかね。

天野教授のお話は、歯科医や医師じゃなく、何の知識も持っていない一般の方が聞いても、十分、理解できるうえに面白い内容です。

皆さんも今度、機会が合ったら、ぜひ、天野先生のお話を聞いてみてください。

 

とは言ったものの、札幌に来る機会はあるのだろうか?ぜひ、歯科医師会で招請していただきたい、なんて書いたら問題になってしまう?

 

すんません、まだ続くんです。

 

 

 

余談

 

ミュータンス菌は、十分、知名度を得たと思います。今度はぜひ、歯周病の「主犯」である「ジンジバリス菌」についても、知っていただきたい、と思う今日この頃。

日本病巣疾患研究会の学術大会に出席しました。その3

間が空いてしまってすみません。

さて、東京滞在初日の夜に楽しんでしまったせいか、2日目の朝、なんと寝坊してしまいました。

しかし、なんとしても大会には出席しないといけない。

なんせ2日目の最初の演目が、

「cnm遺伝子陽性streptoccocus mutans株の口腔内存在はIgA腎症患者のう蝕と蛋白尿に影響する」

でしたので。

 

この題名の中に「ミュータンス」という文字が見られます。

ミュータンス菌と言えば皆さんご存知(?)、長らくむし歯を起こす原因の菌、と言われていた菌です。なお、ミュータンス菌は虫歯の「主犯」ではありますが、ミュータンス菌だけで虫歯が成立するわけではないことは、当ブログの「糖について」のところでお話ししていますので、どうかご覧ください。

 

で、ですね、題名の通り、ミュータンス菌が口の中にあると腎障害のある方にも影響を及ぼす、というだけに、注目していたのですよ、出発前から。

 

この講演の内容は、虫歯予防や皆さんの健康とも関係が強いと思われますので、少し詳しくご説明いたします。

 

まず題名中の「IgA」についてお話しすると、これは唾液の中に含まれる免疫成分の一種で、タンパク質でできています。

IgAは唾液の他に、涙や鼻汁、乳汁、消化液などに存在する免疫グロブリンの大部分を占めている、免疫の要の物質。このようにIgAは口や鼻などの気道の粘膜や、小腸の粘膜に多量に存在しています。

気道にしろ、小腸にしろ、外からの物質が人体に侵入してきた際に、最初に接する部分。そのため、IgAは最も早く異物と反応する免疫成分の一つ、と言えます。

また唾液に含まれるIgAは虫歯に対しても抑制的に働き、ミュータンス菌が多いとIgAの分泌量が増え、また口腔内の細菌由来の酵素や毒素の活性を阻害したり、歯垢ができることを邪魔する働きがある、と言われています。

つまりIgAは、虫歯菌に対抗する働きをしています。

 

口や鼻、のど、などは外の空気が直接、当たる場所。人体でも「むき出し」の部分です。そのため表面には無害・有害入り混じった、外からの様々な物質が存在しています。この粘膜表面に住んでいる有害物質や細菌・ウイルスを取り出し、注射して粘膜の中に直接、送り込むと、人体はたちまち拒絶反応を起こし、悪寒、発熱、下痢、あるいはそれ以上の、重篤な症状を発症してしまいます。

日常生活でそのような症状が起きないのは、粘膜の表面に存在するIgAやそれ以外の免疫成分が細菌を殺したり、抑制したり、コントロールしているからです。

このIgAは乳汁中に多く存在します。それは生まれたばかりの赤ちゃんを、外界の物質から守る働きをしています。IgAは胎盤は通過しないため、妊娠中に母親から赤ちゃんに受け継ぐことはできません。しかし、腸管は通過するので、授乳によって母親から赤ちゃんに運ばれます。

 

この人体のために存在しているIgAですが、多すぎると人体に悪影響を及ぼしてしまいます。なお、これはIgAに限ったことではありません。他の免疫物質でも発生します。この自分を守るはずの免疫系統が正常な細胞や組織、つまりは人体を攻撃して起こる症状を「自己免疫疾患」と言います。
その自己免疫疾患の一つに、腎臓にIgAが過剰に沈着して起こる「IgA腎症」があります。

IgA腎症は、血尿やネフローゼ症候群を伴い、末期には腎不全にも至る疾患です。

 

発表では、上気道(口や鼻、のど)に炎症が発生した後に血尿が悪化すること、歯周病菌との関連が挙げられ、IgA腎症が口腔・上気道と関連があるるとしてき。。
研究を行ったチームでは、むし歯を起こすミュータンス菌とIgA腎症との関係に注目し、その中でも「cnm」というタンパク質の遺伝子をもつミュータンス菌が陽性の場合、IgA腎症の発症も高頻度になることが明かされていました。

 

そしてミュータンス菌が多いと、IgA腎症になりやすい、ということが示唆されていました。

また、ミュータンス菌はこのほかにも、心内膜炎、潰瘍性大腸炎、その他の疾患、の発症や憎悪と関係していることも説明されていました。

これまで歯周病の主要菌であるP.gingivalis菌が、心内膜炎や早産、糖尿病の悪化に関連していることが明らかにされていましたが、むし歯菌も同様に、全身に影響を及ぼします。

 

ミュータンス菌は、むし歯の中心となる存在です。しかし、もし口以外の他所の部位で発症すると、違う症状を呈してしまいます。

 

またむし歯が多いとミュータンス菌も多くなり、それに対抗するための免疫物質であるIgAも多く分泌されます。すると、今度は多くなりすぎたIgAが口の中などの局所にとどまらず、全身に流れだし、口や鼻、のどから遠く離れた腎にたまって悪影響を及ぼしてしまうのです。

敵を攻撃するはずの武器も、多くなりすぎると自分への脅威となってしまう。

つまり、ミュータンス菌が直接、悪さをしなくても、連鎖反応でどこかに悪い結果が出てしまうのです。

人体は非常に精巧にできていますが、そのバランスは難しく、壊れやすい。

 

これを防ぐには、やはり虫歯の予防や治療が必要になってきます。

 

むし歯の治療、歯周病の予防は、決してお口の健康だけに限った効果があるのではありません。全身の健康にも影響があるのです。

 

 

 

 

なんと、最初の講演だけでこんなにはなしてしまった!続きます。