審美歯科

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本棚通信 好奇心を刺激しよう!!

まずはこの夏(2016年)、新たに本棚に納めた本の御紹介です。

夏休みに来てくれるお子さん、中学生、高校生を意識して選定してみました。

何かの好奇心をくすぐられたら幸い。

でも、意外と大人の好奇心も満たしてくれますよ。

 

 

1、ピタゴラ装置 DVDブック ①、②、③   小学館

NHK教育テレビで放送されている「ピタゴラスイッチ」に登場した「ピタゴラ装置」の総集編DVDです。

ピタゴラスイッチはお子さんに人気の番組ですが、その中でも注目なのが「ピタゴラ装置」と呼ばれる装置。

最初はささいなきっかけで「装置」のスイッチが入り、ビー玉が転がって次の装置を起動させ、その装置によってビー玉の向きが変わったり、大砲のように「発射」したりして、そしてビー玉は次の装置の「スイッチ」を押し・・・・・、という感じで、次々と装置が起動されていき、最終的にビー玉はゴールにたどり着く。

まるでドミノを見ているような爽快感なのですが、同時に「おお!すごい!!」と感心してしまいます。

ゴールした時の「スッキリ感」は、ピタゴラ装置の方が上だと思われます。

これらの装置は慶応大学の教授が考案している、とのことで、複雑な計算や考察の上で作られていることが想像されます。

しかし、一つ一つの装置に使用されている材料は、定規であったり、トンカチであったり、洗濯板やボビンであったりと、日常生活の中にあるありふれたものばかり。

そのため、「なんだか自分でも作れそう」と思ってしまう。

実際、この番組を見てから装置を作り始めた、という方も多いそうです。

そういえば、あるテレビ番組で、小さいころからピタゴラスイッチを見て影響を受け、幼年期からピタゴラ装置を作り始め、ついには本番組も真っ青な大掛かりな装置を作ってしまった少年が紹介されていました。彼は高専に進学した、とのこと。この番組を見て刺激を受け、針路も決めたのでしょうか?

 

そう考えると、このピタゴラ装置は、本当によくできていますね。恐らく作成には時間がかかっていると思われます。複雑なことを簡単に見せて、工学への入り口が近く感じます。

 

大人の小さな「スッキリ感」から、子どもの将来につながる好奇心まで、いろいろなことを刺激してくれる作品です。

 

 

 

 

2、ゴールデンカムイ  野田サトル   集英社

 

続いては2月に2016年マンガ大賞を受賞したマンガ作品の御紹介。

日露戦争の生き残り兵士とアイヌの少女が、莫大な黄金の謎を追う、冒険アクション。(というジャンルの表現でいいのでしょうか?)

自分もはや40代。大学生まではマンガを読んでいたのですが、30才を超えてから、全く読まなくなりまして。美容室に行ったときに「進撃の巨人」と「宇宙兄弟」を読んでみたらハマってしまった、というのはありますが、購入してまで読もう、という気は持たなくなっていました。

この作品も、最初は興味が無かったのですが、以前、本棚へのリクエストがあり、少しだけ気にかかっていたのですが、今回、夏休みだし、と思って購入。

で、読んでみたら、これがなかなか面白い!!

アイヌの知識が、自然な形で紹介されているし、財宝のミステリーも気になる!!そして食事のシーンがスンゴク美味しそう!!!腹減るじゃないか!!

しかしアイヌの知識に関しては、かなり調査したうえで紹介されている様子。

文化の考証とミステリーの展開に違和感を感じさせません。初めて知る知識に触れた感覚は、高校の時にマスターキートンを読んで以来のもの。自分はマスターキートンからモサドとか、スペツナズなどと言った、学校では確実に教わらないであろう(将来、役に立つ可能性も低い)知識を学びました。
今作品で登場するアイヌの知識は、道民なら、「スーツは砂漠を歩くのに適している」という知識より役立つと思います。アイヌのことを知る機会って、なかなかないと思うんですよね。こう考えていると、自分の住んでいる北海道のことをどこまで学んだのだろう、と思ってしまいます。アイヌのことは、長らく触れることが難しい問題という風潮がありましたので。

この作品ですが最初、3巻だけ購入しよう、と思っていたら、続きが気になって、現在刊行されている最新刊までそろえてしまいました。

こちらも色々な好奇心が刺激されること、請け合い。

 

ただ、小学生以下には表現がちょっと、過激かもしれません。

結構、グロい表現が頻繁に出てきます。

自分は「寄生獣」を初めて読んだ時の感覚に似てました。

 

なので、中学もしくは高校生以上にお勧めです。

本棚通信 宮中料理を覗いてみよう!

前回は「オーブン料理」「和食=家庭料理」「酒場放浪記」と、いわば「大衆料理」の本をご紹介してまいりました。

で、これまでご紹介してきた本の数々も、「大衆料理」ばかり。

ここで思い切って、その対極にある料理を見てみよう!!

 

「大衆料理」の対極にある言葉を考えたとき、「宮中料理」という言葉が浮かびました。

庶民とは住む世界が全く違う「宮廷」「王族」の料理、となると、華やかで芸術的、そして味がとても洗練されている、というイメージがあると思います。

もっと言えば、国中から選ばれた、その国のトップレベルの料理人が最も「レベルの高い」料理を、毎日のように供している、と。

ではここで、日本の「トップレベル」の料理が供されているであろう、皇室のレシピを見てみよう!と思い、以下の本を購入してみました。
1、天皇陛下料理番の和のレシピ   谷部金次郎   幻冬舎

著者である谷部金次郎氏は、1964年から昭和天皇の料理番として、日常の食事はもちろん、儀式、催事の調理を手掛けてこられたそうです。そして昭和天皇御崩御に際して退官された、とのこと。

さて、昭和天皇はどのようなものをお召しになられていたのか?と興味深々で覗いてみると、肉じゃが、豚ばら肉の角煮、豚肉の生姜焼きなど、庶民にも馴染みのものばかり載っているではありませんか!!

さらには焼きなすびたし、白菜の塩漬け、ロールキャベツなど、野菜料理が豊富!「キャベツとハムのバター炒め」に至っては、仕事から帰って腹が減ったから、と独身男が適当に作っても作れそう!(もちろん、味は雲泥の差でしょうけど) さらにさらに「ほうれん草の胡麻和え」なんて、「田舎のばあちゃん」が作っていそうな感じそのもの!

ぶっちゃけ、IT企業社長とか、「青年実業家」といった、ちょっとしたお金持ちの方の方が、よっぽど昭和天皇よりも豪華なものを毎日食べていそう!

おいおい、これはどういうことだ?御皇族のお料理ともなれば、毎日ステーキ、フォアグラ、キャビア、北京ダック、寿司を食べているんじゃないの?(思いつく限りの高級料理を上げました。これが自分の精一杯)

疑問に思い、冒頭のまえがきを読んでみたところ、「家庭では家計費の問題もあるでしょうし、時間も限られるでしょう。実は宮中も同じなのです」とのこと!

ああ、やはりどこもそうなのね。

でも、「日本トップレベルの和の料理人」の発想はここから変わってきます。

そういう限られた状況だからこそ、「私たち料理番には創意工夫が求められるのです」とのこと。

さらに「食材を無駄にしないことは大前提。切り方や味付けを変えるだけで、違った料理に変化します。食材の組み合わせを変えることも、料理の幅を広げることにつながります」。

ん~、なるほど、限られているからこそ、創意と工夫を凝らしてきたのですね。

案外、「和食」の真髄、とは、ここにあるのかもしれませんね。

日本はモンゴルの支配を免れたことで、世界の文化とは違った歩みを始めます。

欧州ではモンゴルの支配によってもたらされたコショウなどの香辛料が浸透し、西洋料理に欠かせない料理となり、モンゴル支配の終了後も東洋に香辛料を求め、それが「大航海時代」へとつながっていきました。

一方で日本では香辛料の食文化が移入されず、素材を生かした独自の食文化が発展します。貪欲に味覚を求めるのとは違う道をたどったのかもしれません。

そして「昭和天皇が普段召し上がっていた献立は、意外にも質素なものでした。それはごくごく一般的な、家庭の食卓に並ぶものと同じ料理です。」とのこと。

 

さて、本の中ではさまざまな「こぼれ話」も語られております。

いくつかご紹介すると、天皇陛下や皇族方に日常のお食事や、宮中行事の際に饗宴、茶会などの料理を作る部署を「宮内庁大膳課」というそうです。大膳課はさらに5つの係に分かれ、第一係が和食、第二係が洋食、第三係が和菓子、第四係がパンと洋菓子、第五係が東宮御所担当、となるそうです。

へえ、やっぱりそれぞれの一流の人たちが腕を振るっていたんですね!

お食事はいつも5~6人分、作るそうです。天皇・皇后両陛下の他、栄養をチェックする侍医の方の分、予備の分とおかわりの分、だそうです。気になる「御毒見役」は、いないそうです。そこは時代劇と違うんですね。

で、厨房のある大膳課は「宮殿」と言う建物にあるそうですが、天皇陛下は普段、「吹上御所」にお住まいのため、建物が別々なんだそうです。
そのため、大膳課の厨房では下ごしらえまでをして、主膳さんが岡持ちに入れて車で吹上御所まで運び、最後の仕上げは吹上御所の厨房で行ったそうです。完成した料理は、陛下がお食事をされる御食堂の隣にある供進所というところで女官さんの手で両陛下のもとに届けられるそうです。谷部氏はおかわりされるのに備えて供進所に控えていた、とのこと。

また、6日に一度、「宿直」もあったそうです。宿直の主な理由は朝食の準備のため、とのこと。また陛下が「およふかし(夜食)」をご要望されたときに備えるためもあったとか。でも「およふかし」はほとんどなかったそうです。

「(昭和天皇)陛下は規則正しく1日3食を守られ、間食は召しあがりませんでした。また陛下はお酒を口にすることもありませんでした。晩餐会などでの乾杯も口をおつけになる仕草だけで、おそらく生涯に一度もアルコールは口にされなかったのでは、と思います」とのこと。

庶民の方がよっぽど豪奢で自堕落な生活だなあ、と心苦しくなる一文。

 

さらに食器についても記述があるのですが、なんと普段の食器は一般に市販されているものが使用されている、とのこと!!ええ!意外!!てっきり人間国宝が作った器やお箸を使っていると思っていたのに!

おいおい、海原雄山の方がよっぽど贅沢しているよ!!あのおっさんのこだわりが異常だったことがわかりました。
また昭和天皇とのエピソードも紹介されています。

宮内庁の大膳課に勤めているといっても、普段、天皇陛下に直接お目にかかってお話しする機会などまずない、とのこと。
そんな谷部氏ですが、四半世紀あまりも大膳課に勤めて、たった一度だけ、昭和天皇から直接お言葉をかけてもらったことがあったそうです。

それは昭和45から46年ころに開かれた「菊栄親睦会」でのこと。菊栄親睦会とは、年に一度、皇族と旧皇族のみなさまがお集まりになる会とのこと。

その時の親睦会は立食パーティー形式で行われ、模擬店を設けて列席の方々に料理を直接お楽しみいただいたそうです。
当時、谷部さんは24,5歳で、初めて天ぷらの担当になった、とのこと。他の料理ならお皿に盛っておしまい、なのだそうですが、お寿司は時間が経つと乾いてしまうし、天ぷらも時間が経つと湿ってしまうため、その場ですぐに料理する必要があったそうです。

で、天ぷらコーナーも模擬店形式なので、相手と直接、対面することになったそうですが、いつも通りに黙々と仕事をこなしていたそうです。
そうして相手から注文を聞き、たんたんと揚げていたところ、ふと気が付くと、なんと昭和天皇が目の前にお立ちになっていた!続きは中身を見てのお楽しみ。

 

こちらの御本は、いつも書籍を御寄進いただいている方からいただきました。本当にありがとうございます。

 

 

 

 

2、天皇陛下が愛した洋のレシピ   窪田好直   河出書房新社

昨年放送され、大きな反響を呼んだドラマ「天皇の料理番」。ご覧になった方も多いかと思います。

2冊目に御紹介する本の著者は、若いころにドラマの主人公である秋山徳蔵に料理を仕込まれた、とのこと。

一冊目が「和」であったのに対し、こちらは「洋」。そして内容ですが、こちらは皆さんが憧れる「華やかな宮中料理」が盛りだくさん!!

「牛ロース肉蒸焼」「ソーセージと野菜のポトフ」「牛フィレ肉のステーキ」などなど、秋山徳蔵伝来の一級フランス料理の数々!!

一般の家庭料理と同じことに感心しつつも、やっぱりどこか「憧れ」を再現してほしい気持ちもあったのも確か。

このレシピ本は、そんな「宮中料理」の夢の世界を教えてくれます。

さらに後半には、気になっている人が多いであろう、「園遊会」で参加者に供される料理も紹介されている!!

これを見ると、なんだか宮廷で料理を食べている気分になります。

ぜひ、皆さんも妄想しながらご覧ください。その際、数日前に御紹介した、池田ワイン城の画像を思い出すと、なおさら良い!!!

 

 

 

 

 

日本の文化の中心では何が食べられているのか?一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

この本を読んで、宮中の生活を疑似体験してみましょう!!

 

 

 

また、天皇・皇后両陛下は、地方への巡幸も頻繁にされていますね。

その際、各地で問題になるのが、どのようなお食事を用意するか、だそうです。

それも広い意味では「宮中料理」ですよね。

北海道にも巡幸されているので、その際に供された各地の「宮中料理」を集めたレシピ本も見てみたい気がします。

 

 

 

 

 

本棚通信 おまたせ!料理本特集!!

今年一月、当院の本棚の本をご紹介してきた「本棚通信」の総集編を掲載いたしました。

あれから早や5か月!!(本当に早いよ!!)

本棚の事をわすれたのか?と思われる方もおられると思います(?)。

そこで今回は久しぶりに本棚に本を納めました。しかも人気の料理本ばっかり!!

早速ご紹介。

 

 

1、並べて、やけるの待つだけ ほったらかしオーブンレシピ   新田亜素美   大和書房

これまで多くの料理本を選んできましたが、料理のできない自分にとって、「表紙の料理のインパクト」は選定の際の大きな判断材料になります。診療を待つ間の緊張を忘れさせるほどの存在感。これを重視しております。

この本の表紙と中の料理の写真の数々は、皆さんの緊張を吹き飛ばすだけのインパクトをお約束いたします!!

どの写真も、「照り」「ジューシーさ」に溢れている!!野菜料理ですら、ボリュームを感じさせます。

でも、オーブンを使った料理、って、なんだかレベルが高そう、と思われるかもしれません(素人目線100%越え)。

著者の新田亜素美さんは冒頭で「食材を好きな調味料に絡めて、盛り付けに少し工夫するだけで、後はオーブンが料理してくれます」と断言しています。

なんと心強いお言葉!モーゼによって大海が開かれたかのような思いに(?)。

新田さんはさらに「4か条」を提示。

1、オーブンが焼いてくれる!
2、旨味が凝縮される!
3、とにかく見た目が豪華!
4、「すごいね!」って言われる!

この4文に、オーブン料理の極意が述べられています。

1の「オーブンが焼いてくれる」とは、「焼けるのを待つだけでいいんです」と言い切り!その後も「吹きこぼれとかはオーブンの神様が引き受けてくれる」「切って、並べて、後はオーブンの神様にお任せ」などの啓示が並びます!なんたる寛容な神様か!!思わず入信したくなる他力本願さ!

2の「旨味が凝縮される」でも「オーブンは失敗しません」、とこれまたきっぱり。失敗を恐れる人間を叱咤激励しています。

3の「とにかく見た目が豪華!」では、「見た目に翻弄される人間」の心の弱いところをついています。実際、この本を購入してしまったのも表紙の「見た目」が理由ですし(苦笑)。

4の「「すごいね!」って言われる」では、「実は簡単なのに、すごいね、って言われる」とあります。確かにいかにも「手のかかってそう」なインパクトのある画像が並んでいます。これまた作り手の「虚栄心」を満足させる一文。

いかがですか?人間の心の弱いところを的確に突いてくる「4か条」。まさに「モーゼの10戒」ならぬ、「4戒」。しかも戒めてないし!!

迷える子羊よ、今、道は開かれた!!

幾度か当ブログで言及してきた、昔、テレビで放送されていた「世界の料理ショー」。あの番組でアメリカの豊かさに憧れを抱いた方も多いと思います。その番組の中で、日本との豊かさの「大きな差」を感じたのは、オーブンの存在。自分の幼少の頃、キッチン、いや台所にオーブンがある家なんて、ごく少数でした。オーブンに食材を入れ、取り出した瞬間、程よい焼き目のついた美味しそうな料理に変身!しかも山盛り!!
オーブンの存在感に「アメリカはすごいなあ」と感心したものです。

今や家庭用のオーブンも広く普及。あの頃の憧れの料理が可能となりました。この本を手に取って、あの頃、お母さん方が憧れていたアメリカ料理をお子さんに振舞ってみましょう!

 

 

 

 

2、和食のぱんのつくりかた  濱田家 濱田豊     サンマーク出版
「和食のパン」とはなんぞや?

タイトルからかなり魅かれてしまいました。

で、肝心の「和食」のパンとは?

それに関しては冒頭にて説明されております。

蒲鉾とか肉じゃがとか、余ったものを詰め込んだもの、とのこと。

え?そんな感じ?

「和食」というと、なんだか手の込んだ職人の世界を感じさせますが、この本で取り上げられているのは「和食」というよりは「家庭料理」という部類ばかり。

ひじきパン、きんぴらパンをはじめ、「鶏そぼろパン」では、鶏そぼろごはんをパンで包んでいるではありませんか!炭水化物をさらに炭水化物で包む。お好み焼きをおかずにご飯を食べる感覚!

「塩昆布と餅パン」に至っては、なんとパンに餅を入れる力技を披露!

料理はさらに白熱し、「焼豚のクロムクッシュ」では、食パンの上にチャーシューを乗せ、チーズをまぶす、という暴挙!見た目は完全にピザです。もう和食だか中華だかイタリアンだかわからない状態!

「黒糖きな粉のフレンチトースト」では、フレンチトーストにきな粉をまぶし、バターと蜂蜜をかけている!

洋食を、見事に和風にアレンジ!恐るべし!!和食パワー!

このような感じで、全て「冷蔵庫の中にありそうなもの」で造られています。

しかし「和食」はすごいですね。洋食でも、「無理矢理」にでも和食化しようとする。

本場の欧米の人は「そんなの絶対に間違っている!」ということ請け合い。

でもそれは「カリフォルニアロール」に違和感を感じるのと同じ。でもその「カリフォルニアロール」でさえ、回転ずしでは「和風カリフォルニアロール」が登場する始末!!
グローバル化が叫ばれて久しい昨今ですが、実は自宅のキッチン、いえ台所こそ、グローバルへの扉であることを思い知らされる一冊です。

 

 

 

3、吉田類の酒場放浪記 9杯目  TBSサービス

和食とはなんなのか?と、悩んでしまった皆さんにお勧めの一冊。

日本を代表する「飲んべ」、吉田類さんの番組「酒場放浪記」の文庫版の最新号です。

日本の大衆料理文化の本場の一つ、居酒屋を、吉田類さんが飲み歩いております。

紹介される料理も、新鮮そうなお刺身や、温かそうなおでん、焼き鳥、モツ煮など、これぞ正真正銘の「和食」というものばかり。

でも!それだけではありません。なんと「ロシア漬」なる料理まで登場!!ああ、また混乱する!

もういいや!と、今日も帰宅後に晩酌することを決めました。

皆さん、「和食文化」の魔窟、居酒屋へ行こう!!

 

 

 

本棚通信  「お弁当」と言う会話

長く続いた「本棚通信」の総集編ですが、これにて終わりになります。

最後は、人生で最も「扱いにくい時期」である中学生、高校生向けのお弁当のレシピ本。

今は親となった方々、ご自分たちの中学、高校時代はどのような「子ども」でしたか?

会話はそっけなくなったとしても、あの時に食べた味はうっすら覚えているはず。

そう考えると、お弁当を通じて生涯にわたって会話をしているのかもしれませんね。

 

お弁当は言葉以上の家族の思い出を残すことができる、と実感させられたレシピ本をご紹介して、本棚通信の特集を締めくくらせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この春からお子さんが中学生、高校生、という御家庭も多いのではないでしょうか?

それまでいつもジャージなんかを来て走り回っていたのに、いきなり学生服を着て日常を生活しだす。

最初は学生服姿のどこかに子供のあどけなさを残しているのに、いつの間にかすっかり「中学生」になってしまいますよね。

ましてや高校生ともなると、いよいよ「学生服姿」も板についてきます。

環境が人を変える、とよく言われますが、それはあるかもしれない。

学生服を着るようになり、学校の授業の科目の名前が「算数」から「数学」に変わり、先生もなんだか少し厳しい気がする。

ある日突然、それまでの環境が変わったとき、自分も変わらないいいけない、と思ったことってありませんか?

そしてそれは「親子」のあり方も大きく変化するとき。

それまで「おかあさん」「おとーさん!」と屈託なく連呼し、ぴったり体を密着させたがっていたのに、学年が上がるたびに徐々にそっけなくなり、中学以降からはいよいよ大きく変化します。なんというか、微妙な距離感。

お母さん、お父さんにとっては戸惑い、寂しさも感じる時期と思いますが、そっけなくなることや、それなりの反抗期は、正常な成長過程でもあるのも事実。

かつて自分たちも同じ「中学時代」「高校時代」を過ごしてきただけに、気持ちもわかる気がするし。
時には邪険にされ、時には邪魔者扱いされ、時には蔑まれる。親としても歯がゆい時期かもしれません。

ではこの時期、親はひたすら子供の気持ちに翻弄され、もしくは受け身であることしか許されないのか?
今回は、そんな「思春期」のお子さんに対し、「弁当」をもって対したお父さん、お母さんの「お弁当レシピ本」をご紹介いたします。

 

 

1、「461個の弁当は、親父と息子の男の約束」     渡辺俊美   マガジンハウス

著者の渡辺俊美さんは、ミュージシャンとのこと。また洋服屋さんをやったりと、今まで自由に生きて来た方。
奥様と離婚し、息子さんとの二人暮らし「父子家庭」であった、とのこと。
そんな中、息子さんが高校受験に失敗する、という事態に。
それまで気ままに生きてきた渡辺さんは、無理して高校に行かなくても良い、と言うスタンスでしたが、息子さんの希望は「高校に進学したい」。
息子さんの決断を嬉しく思った渡辺さんは、息子さんとお互いに「約束」をします。

それは、息子さんは「3年間、高校通学を頑張ること」。そしてお父さんは「3年間、毎日休まずお弁当を作ること」。

二人にとっての「3年間」が始まりました。

なんだかドラマチックな冒頭ですが、この本はあくまでも「お弁当の本」です。

渡辺さんは約束を守るため、3つのルールを自らに設定します。それは

1、調理の時間は40分以内
2、1食にかける値段は300円以内
3、おかずは材料から作る

この3原則に忠実なお弁当レシピが掲載されています。

渡辺さん自身が、「長続きできるように」と考えたルールだけあって、毎日の弁当作りが苦にならないように配慮されています。

本の中では、渡辺さんが毎日作ったお弁当の写真と、そのお弁当を作った日に考えていたことが掲載されています。

やはり男の子、しかも育ちざかりの高校生だからでしょう。肉料理があって、ご飯も多い。これなら男子高校生も満足できるでしょう。男の気持ちがわかっているメニューばかり並んでいます。

詳しい作り方は掲載されてい無いものの、参考にしていただければ幸い。

 

 

 

2、今日も嫌がらせ弁当    ttkk (kaori)著     三才ブックス

次なるお弁当の本は、お母さんと女子高生の娘さんとの「お弁当」。

こちらも毎日のお弁当と、それに関するコメントを添えている点は変わりません。しかし、一冊目えは息子の成長と自身の心境などを中心とした「オヤジと息子の対話」が書かれているのに対し、こちらの本では何とも明るい「親子対決」の模様が中心。

タイトルからしてなかなかインパクトがありますが、こちらは高校に進学し、反抗期を迎えた娘の態度にカチンとしたのが大元のため。

少しクールな次女が、高校進学と同時についに無視をし始めた!普通の親ならば戸惑い、傷つきながらもなんとか「会話」をして距離を縮めようとするかもしれない。

しかしこちらのお母さんは違った!なんと冷たくした娘に対し、自分も嫌がらせをすることで仕返しすることを決心したのでした。

その復讐の手段とは、「弁当」。

親とロクに会話もしないくせに、毎日親が作っている、しっかり完食する手作り弁当を用いて、娘への反撃を開始!

なんとお弁当に、幼稚園児向けのお弁当のようなキャラクターを描いた「キャラ弁」を作ったり、海苔で有名人の似顔絵を書いたり、「はやくおきろ!」と書いたり、母の日やクリスマスには「プレゼントよこせ」的なことを食材を使って書いたり、「呪」と書いたり・・・。まあ、好き勝手なことを書いたり作ったりしている!!ある時などは、ウインナーを「指」に模して並べています。しかも関節付近にはケチャップが!ストレートに言ってしまうと、切断されて血が出ている指そのもの!食べ物なのになんと悪趣味な!!ここまでくれば逆に大したもんです。

こんなの、クラスの友達に見られたら恥ずかしすぎる!娘さんの心境がなんとなく伝わってきます。

 

でもそこは男女問わずいつも腹が減っている高校生。そんなお弁当でも、毎日、平らげざるを得ない娘。食べなきゃいけないことを見越して「嫌がらせ」する母親。

おいおい、これってなんだかんだ言って、親は最後は見捨てないだろう、と勝手なことを言う思春期の男子、女子そのものじゃないか!

読み進めていくうちに、まるでお母さんが娘に「反抗」しているかのように思えてきます。

「生意気なガキの好き勝手にさせるか!こちとら人間だ!!テメエのメシを作るだけの存在じゃねえ!!」

そんなメッセージを感じます。

それこそ「俺の、私の個性を認めろ!!」と叫ぶ少年少女のようです。

でも、どれもとても手が込んでいて、時間がかかっていることが伝わりますし、おかずもとても美味しそう。

当初は意地でつづけていた、というお母さんですが、娘の学年が上がるたびに心境の変化が起こってきたようです。

最初は嫌がらせの気持ちが強かったのに、3年生になると「勉強がんばれ」など、応援メッセージが増えていきます。

いよいよ卒業が近づいてきたときから、そのメッセージも想いのこもったものになっていき、それと同時に寂しさも感じ始めたおかあさん。

そしてついに迎えたお弁当最終日。はたしてお母さんはどのようなメッセージをお弁当に託したのでしょうか?
本の途中では3年間の次女との日々のやり取りも語られているのですが、まあ、「あのころ」の男子・女子にありがちなものを感じましたね(苦笑)。とにかく家ではお母さんに素っ気なく、無視したり、「ウザイ」と言ってしまったり。大事な要件はLINEで知らせる、とか。

でも、そのLINEでお母さんに話しかけるときは、クスっとさせるスタンプを使ったりしていて可愛げのあるところを感じさせます。たまに見せる愛嬌に、お母さんもホンワカしたと思います。

そして、朝、おかず満載の弁当箱が母から娘に渡され、夕方、カラの弁当箱が娘から母に渡される。

このやり取りは3年間、絶えることなく続けられました。これもまた、親子の「会話」の形の一つ。

 

よく、テレビなんかで教育評論家の方が、「思春期の親子の断絶を避けるために、家庭でもっとお子さんと会話するべき」という意見が話されているのを聞きます。そのために「学校で起こったことを聞くように」とのこと。

 

皆さん、どう思います?正直、中学や高校になってまでイチイチ親に「今日は学校で何があったの?」なんて聞かれたいですか?

自分だったら「ウルセー!」って、思っちゃったと思う。

イチイチしつこく聞かれる方が、返ってうんざりしてしまうのでは?もちろんご家庭によって違うと思うけど。

中学以降、親との関係、距離感が微妙に変わってくると思うのです。

友人関係も変わるし、友達以外にも「気になる人」も出てくるし。

男子なら、体の変化とともに「バカな事」で真剣に悩んでしまったり。オッサンになってしまえばお酒の上での「しょーもない笑い話」になるようなことでも、まるで自分だけが悩んでいるかのように思えてしまうし。些細な事でも絶望してしまったり。

周囲からすればどうしていいかわからない時期ではありますが、親も「昔のように会話してくれなくなった」とオロオロする必要は無し!子供は結局、今は親なしでは生きていけないことも自覚しているものです。

「対話」って、別に声に出す会話にこだわらなくてもいいんじゃないか、と思うのです。

無言のままでも一緒にドライブしたり、野球中継を見て一緒に野次ったり、同じ時間を共有したり、無言のやり取りなどもまた、「コミュニケーション」だと思うのです。本当に嫌いなら、弁当も持っていかなかったり、捨ててしまっていたかもしれないですし。
ご紹介した本の著者のお子さんたちも、お父さん、お母さんの気持ちが伝わっていたようです。

巻末にはそれぞれの息子さん、娘さんからの感謝の手紙が掲載されています。

ちゃんと「感謝しています」「ありがとうございました」と書かれています。こんなこと、反抗期の真っ最中なら言えないと思います。
いつかそれを言われる日、言わせる日が来ることを、お二人は信じていたのかどうかは不明ですが、「弁当のやり取り」という毎日の会話は成立していたことはわかります。家族の情の表現の仕方、伝え方って、色々だなあ、と思います。

 

思春期の時期のお子さんとは、一見、距離があるように見えても、何か交流の手段があるんだなあ、と実感させられました。